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第1話「5人の主人公/始まりのプロローグ」

19XX年 夏。

ここはアメリカ、デロマシスト州の大都市トライ。


そこで人知れず、賞金3000万ドルの秘宝争奪戦が始まった。

ルールは簡単、今から一ヶ月後に秘宝をすべて持った状態でとある事をすること。


秘宝は全てで4つ。

勇気・勤勉・知性・野心を司る秘宝はアメリカの何処かに存在するだろう。


――――――――

最高か最低で言うと、今日の僕は最低の運勢だ。

朝の占いでここまで酷い結果が出たことは、人生で初めてのことだったし。


僕がこの世に生まれて15年。

朝起きて、床が抜けて、朝ごはんが焦げて、友達に予定をドタキャンされる

ここまで一気に不幸が来た日は、初めてのことだ。

最悪だ。


誰も悪くないのでイラつきはしないが、1日が暇になってしまった。

アイツとは縁を切ろう。

ゆっくり歩いていると、後ろの誰かに呼び止められた。


「おい、君。首元にかけてるのを見せてくれないか?」


振り向くと、黒髪の青年が立っていた。

どこの国の人だろうか。


「首元にかけてるものならいくらでも見せてあげるよ。ほら」


僕は首にかけていた宝石を青年に渡す。


「この小さな緑の宝石は祖父の遺品だったんだ。それを加工して装飾品にしたんだ、中々にカッコいいだろ?」


「あぁ、そうだな」


青年はネックレスを丁寧に観察している。

何かを探しているような目つきだった。


「僕はレイヴン。君は?どこの国の人?」


「俺は林田翔平。ショウヘイ・ハヤシダ。この宝石、いいやつだね」


「ショウヘイ。日本の人の人だよね、わかるよ。聞いたことがあるんだ」


「あぁ、観光でな」


「観光……」


ここは大都市だけど、ここまで来るのは珍しいな。

何かを観光以外の予定があるのだろうか。


それにこの青年只者ではない。

どこか雰囲気というか、圧倒的に自信がある。


気のせいだろうか?まぁ、実際今日は運勢が悪い。

あまり自分の事は信じないほうがいいしな。


「まぁ、楽しんでね。それとその宝石、返してよ」


「あぁ、そのことなんだが宝石(これ)はもう俺の物だ」


「え?何言ってるんだよ。俺のだって、あげるとも言ってないだろう?」


「これは秘宝だ。野心の秘宝だ。お前に渡すわけにはいかない」


「秘宝?野心?どうしたんだ、説明してくれ。」


「何も知らないようだな、まぁいい。説明してやろう。つい先日、この大都市のとある富豪が賞金3000万ドルのレースを始めたのさ」


「さ、3000万ドル……?」


「その3000万ドルをもらうには、4つの宝石を集めないといけない。そのうちの1つがこの野心と呼ばれる宝石だってわけだ。」


「そういうことか。それで?レースがあるっていう証拠は?」


「お前に見せる必要はない」


「じゃあ、わかった。そんなにそれが欲しいなら僕と協力関係になってくれよ。レースは自由参加かい?」


「そうだ」


「なら、尚更だ。僕は秘宝争奪戦の詳しいルールもわからないしな。協力関係になってくれ。なってくれるなら君にそれを預ける」


「いいだろう」


ショウヘイの瞳にはどうせすぐ殺せるという意思が感じれた。

いや、今はいい。


僕はやっぱり運がいい。

賞金3000万ドル、必ず手に入れて一生を楽に過ごしてやる。


――――――――

野心は二人組に渡った……と報告は受けた。

今からでも奪いに行ってもいいけど、計画からそれる行動は後々に響く。

目的は勤勉だ。


話を聞きつけた富豪の父が私を一人前だと判断するために参加させられた争奪戦ですが、やるといったらやる。


それがこの家の心情ですわ。


このスカーレッド家令嬢、キャリー・スカーレッド・ノヴァ。

勤勉を必ず手に入れ、お父様に認めてもらいますわ。


――――――――

何が何でもこの大陸中を探し出して、秘宝を見つけてやる……

必ず人生を逆転してやるぜ……


勇気のない人生だったが、今やるしかない。

今が人生の最大のチャンスだってのがわかる。


勇気のない人生に成功はない。


「おい、そこの兄ちゃん。そこの裏路地に入らないほうがいいよ、物騒な噂が毎日立ってるんだ」


「俺なら大丈夫です」


「そ、そうか。兄ちゃん名前は?骨くらい拾ってやる」


「ジョーノルド。ジョーノルド・アスキン・ベガー、別に死にはしないよ」


裏路地が危険?当たり前だ、それは知っててきた。

勇気を手に入れるには勇気が必要な行為をすることを実行する必要がある。


――――――――

勤勉は私が持っている。


相応しい人物に渡すのが、私の仕事だ。

勤勉の守護者として、相応しい人間に渡るまで守り抜く必要がある。


眼の前には重苦しい格好をした格好をした男。

決闘を挑んできた。


彼も能(・)力(・)者(・)だろう。

だが、私は負けない


「邪魔するのなら貴様も死んでもらうことになるぞ。名もなき無謀人よ」


「けっ、勤勉は俺がもらうんだよ!さっさと渡しやがれ!女!」


「決闘をするなら、まずは自己紹介だ。私はヴィーナス・ナガン。君は?」


「名乗る必要もねぇ!死ねやぁ!」


――――――――

この5人を中心とする、秘宝争奪戦。

最後に残るのは誰なのか。

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