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『姫君の秘め事』メモ小説集 1話10秒で読めまする。  作者: 健野屋文乃
1章

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30/30

30頁 赤蜻蛉

『雨宿りの狭い場所』


止まない雨はない。

そんな事を思いながら、雨雲を見た。

雨宿りの狭い場所に思い人と一緒。

雨よ!もう少し降ってて。



『君のまっすぐな視線』


君のまっすぐな視線に、曲者の僕は目を逸らした。

でもね、路地の曲がり角を曲がった後、僕はまっすぐになっていた。



『世界はネジ巻き式の時計』


世界はネジ巻き式の時計だった。

誰もネジを巻かない事が何万年続いた。

それでも良いと人々は思った。

なのにAIが!



『もう戻れない』


文章が美しいだけで中身はなく空虚だけが漂う作品。

僕はその空虚な空間に心を取り込まれてしまった。

もう戻れない。



『再び雨が降り出した』


止まない雨はない。

それが硫酸の雨だとしても。

そんな雨上がり。

地平線を見渡すと再び雨が降り出した。

普通の雨だ!



『人生の間違い探し』


閻魔の前で、人生の間違い探しをさせられてた。

すると閻魔が

「御免、お前、間違えて修羅界に送られてたわ」

泣けた。



『ガードが下がってる!今がチャンスだ!』


【奴は半額】

と恋の情報屋から通知が来た。

どう言う意味?

【タイムセールは後1分だ行け】

躊躇してる間に人の手に。



『知らないまま』


知らない世界で何が起きたって、僕は知らない。

知らないままで僕は生きて行く。

そして、誰も僕の事を知らないまま。



『赤蜻蛉』


湖畔の街が夕焼けに照らされる頃、

彼女に「おいで」と言われ赤蜻蛉の僕は、彼女の肩に止まった。

僕の元カノの肩に。



『証』


誰もいないはずの部屋で音がした。

扉を開けて覗いてみると、残り香りの様な化身が見えた。

私の事を想ってる証かな?

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