29頁 浮き浮きな人生
『天使と悪魔』
ある日、目を覚ますと、
恋人が天使から悪魔に着替えていた。
「悪魔?」
「外では悪魔で君の前だけ天使」
悪くない。
『猫と私』
ある朝、目を覚ますと、猫になってた。
人になってた、たまに「にゃ」と懐いてみた。
沈黙の後、たまは撫でてくれた。
『上位互換と下位互換』
「あっ上位互換!」
「あっ下位互換!」
僕は、その互換性の親密性を確認したが、その断崖絶壁の様な差に、絶望した。
『朱色の漆を見ていた』
朱色の漆を見ていた記憶がある。
良いものなのだろうとは思っていた。
それと同じ感覚が今。あの時、運命が変わった。
『月が見てる』
見上げると月が僕を見ていた。
僕を責める訳でもなく励ます訳でもなく。
それでも細やかなHPをもらった。ありがと。
『死神と村正』
死神が近づいて来たので、妖刀村正を振り回してみた。
諦めの良い死神は、私の代わりに私の愛する人を連れて行った。
『押し花』
私は押し花。
本の中は時間が止まっている。
その閉じ込められた物語の中で、私は生きて行くの。
十年二十年三十年と。
『術式・偶像靡霊歌』
丑三つ時の公園で地下アイドル達の声が響いていた。
徘徊している生霊たちが、その声に靡いてた。
術式・偶像靡霊歌だ。
『干からびた役者』
若き脚本家の才能が、干からびた役者の目に輝きを灯した。
「俺、役者だったんだよね」
その目は、眼光を増していた。
『浮き浮きな人生』
ある朝、目を覚ますと、我好みの世界線に変わってて、
浮き浮きな人生が、始まってて、過去の苦難なんて、忘れたよ。




