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3話 修行生活

俺の1日は6時から。

これは前世と全く変わらない。

朝食を食べて、支度をする。

そして出かけ…はしない。

8時になったところで庭に行く。

剣の修行の始まりだ。

ドーラ師匠にマンツーマンで稽古をつけてもらう。

彼は剣術すべてを神級までマスターしているらしい。

とんでもない。

更に、竜人族ということで、とんでもない再生能力と腕力を持っているとか。

やばいな。

そんな彼の教え方はシンプルだ。

初級と中級の技を反復練習したあと、上級の技の練習だ。

そして俺の目のことを理解したドーラ師匠は自分の動きを見せる。

しかし、ただ技を見せるのではなく、技を組み合わせた動き、つまりは応用の動きを見せてくる。

解析はしてるが、完了する前にオーバーヒートしたみたいに使い物にならなくなる。

まだ俺はそのレベルではないらしい。

最後にドーラ師匠との打ち込み練習だ。

コテンパンにされる。

容赦はないようだ。

相手は上級の真剣術・流剣術・戯剣術を絶え間なく打ってくる。

からだはあざだらけこぶだらけでとんでもない惨状だ。

この流れを3時間毎日続ける。







カレラかナナ師匠に治癒魔術をかけてもらったあと、昼食だ。

それが済めば1時間休憩し、その後魔術の訓練に入る。

のだが…

ここで新事実が発覚する。

俺は無詠唱魔術が得意だった。

ただ得意だったのではない。

一般的に一番簡単とされる詠唱魔術よりも得意だったのだ。

通常、魔術は無詠唱よりも詠唱ありの方が威力、性能、完成度共にずば抜けているらしい。

しかし、なぜか俺は逆だ。

無詠唱のほうが完成度が高いのだ。

ただ、この理由に関しては俺もナナ師匠もなんとなくわかってる。

第一に、俺の魔法の再現性のほとんどが模倣眼からきていることだ。

これにより、形や性能は詠唱で自動生成するよりも、より忠実に再現できるんだとか。

その代わり、能力と俺の体の完成度の差で、一定量以上の魔力を消費したり、術負けして俺に反動がきたりしてるが…まあ、追々なくなるだろう。

第二に、俺は前世の記憶があることによって、思考力が通常の人より発達してるらしい。

おそらくは、妄想力と言うべきかもな。

それにより、再現性がより優れているようだ。

と、俺のことはここまでにして、1日の流れに話を戻そう。

魔術の修行は至ってシンプル。

ナナ師匠の出した魔術をひたすら真似して完成度をあげる。

これを3時間続ける。

ナナ師匠曰く

「レベルが上がってけば、外に出て規模のでかいものを教えたり、対人形式で教えたりしようと思ってます」

とのことだ。

いやー、楽しみだ。

しかし、『念話の練習』ということで、ナナ師匠とはずっと念話で話しているせいか、家族やドーラ師匠は何してるのかあまりわかってないらしい。

なんか…すんません。






修行が終わって、晩飯を食べたら、風呂に入ってベットにつく。

ここはあまり前世と変わらない。

ベットの上ではひたすらに本を読み、この世界の歴史や新しい魔術、世界の基礎知識を調べる。

そんなこんなで12時。

前世と全く同じ時間に寝る…

…寝たい。

いつも寝れてはいる。

しかし、1週間に一度、俺は寝れない。

隣の部屋からとんでもない音がするからだ。

声はしないが分かる。

バオスとカレラだ。

どうやら事情で子供が必要らしい。

と言うのも、この世界の貴族には、『子供は3人』という掟があるらしい。

なんでも、子供の数が少しばかり貴族の発言力に影響するんだとか。

俺らは貴族ではないものの、その思考が根強く残ってしまったらしい。

ただ、あまりするのは良くない。

それで決まったのが『1週間に一度』ということらしい。

…この世界の一週間が11日でよかった。

7日だったら脳内崩壊で死ぬ。

ちなみに、なぜ11日なのかというと、この世界の冒険者には、『10日歩いて1日休む』という風習が昔あったらしく、その影響で1週間は11日になったらしい。

基本は「3日平日→2日休日→4日平日→2日休日」の繰り返しらしい。

祝日という概念はこちらの世界にもちょっとはある。

…そして、この『1週間に一度』のとき、2人の師匠は村で唯一の酒場に行っている、いや、逃げているらしい。

頼む。

俺も連れてってくれ…。






季節は流れて冬となった。

俺が転生してから4度目の冬だ。

まあ1度目2度目の記憶はないのだが…。

俺は真剣術、火魔術、風魔術、影魔術を上級に、その他の剣術、魔術を中級までマスターした。

…訂正だ。

結界魔術と除霊魔術だけは初級だ。

「火と風と影か…」

「あ、そっか。てことはあれが使えるかもしれませんね」

暖炉の前で2人の師匠が話していた。

「その3つがどうかしたんですか?」

バオスが2人に問う。

「この3つを組み合わせた特級魔術があるんだが…」

ドーラ師匠は少し怖い顔で考えている。

と、言いづらそうなドーラ師匠の代弁をするようにナナ師匠が口を開く。

「その技、竜族の秘伝なんですよ。禁術じゃないので教えるのはいいんですけど、この技、ドーラも7割くらいの完成度でして…」

なるほど、

ドーラ師匠は完璧なものを見せられないらしい。

つまり俺は、その技を模倣眼半分くらいの力でマスターする必要があるということだ。

これはこれまでの修行ではなかったパターンだ。

「「……よし」」

2人が何かを決定したようだ。

そしてドーラ師匠が口を開く。

「レオ、お前に最終課題を与える。お前には全ての剣術の奥義を1つずつ覚えてもらう。そして魔術は、今から見せる技のマスターを最後の課題とする。」

師匠2人がこの村に来て半年。

俺に最終課題が出された。






翌日剣術は休みとなり、午前は特に何もしなかった。

バオスとカレラは昨日、師匠の言う『竜族の秘伝』について聞いてかなり動揺していた。

バオスに関しては

「まさか、あの技か…」

と漏らしていた。

どうやら一度見たことがあるらしい。

反応を見るに、かなりやばい技らしい。

カレラは俺を心配したかのような眼差しを向けていた。

明らかにヤバそうだ。

カーラはこの技については何も聞いていなかったが、今日実演があると知って、すぐ家に帰ってきた。

昼食を食べたあと、

「では、はじめるとしよう」

俺はドーラ師匠、ナナ師匠と共に庭に出た。そして庭からもでた。

俺が庭から出るのはこれが3回目だ。

1回目は姉に弁当を届けに行った時。

2回目は水魔術と火魔術を応用した爆発の魔術を使ったときだ。

2回目の例からいくと、かなりの規模なのだろう。

「…離れろ」

ドーラ師匠はいつも以上に低くこもった声で言った。

めっちゃ集中してるらしい。

「ー…ー…ー…ーー」

あまりに小さい声だから聞き取れないが分かる。

詠唱だ。

それもかなり長い。

詠唱が終わったのは大体1分後だ。


「…炎戒の龍(インフェルノドラゴン)


俺は驚愕した。

名称は少しダサいがそこじゃない。

俺の目の前に現れたのは、とんでもないデカさで、からだを炎に包んだ……龍だ。

俺はこの瞬間、理解と疑問、2つの相対する思考を抱いた。

形を風で、からだを炎で、操作を影で行っているのはわかった。

しかし、なぜこれが実現しているのかが全く分からない。

できる展望が浮かばない。

…この感情は模倣眼を使っても変わらなかった。

「これで俺は7割くらいの完成度だ。お前はナナの指導のもと、これを完成させろ。」

「……と言っても、私は使えないから、単に一緒に考えることしかできないけどね」

2人の師匠に加わって、もう1人が口を開いた。

バオスだ。

「俺はこの技を受けたことがあるが、太刀打ちできなかった。」

…え?

バオスが?

バオスは以前「自分は剣術すべて特級だ」と言っていた。

特級の実力者でも切れないのか。

…………。

考えても仕方ない。

これが俺の卒業課題だ。






こうして、俺の卒業制作とも言える、長い長い最終試験が幕を開けた。

このあと俺は更に、剣術奥義3つの完成という新たな絶望(課題)も追加されたのだった。

さて、いつ終わるのだろうか…。

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