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2話 師匠降臨

ここには間話の内容が重要になります。間話を読み終わってからお読みください。

剣術と魔術を学び始めて2ヶ月が過ぎた。

俺は真剣・流剣・火・水・影魔術を中級、戯剣・風・土・光・治癒を初級まで身に着けた。


なんでも、この世界は一つでも上級を身につければ不自由なく生活できるらしい。

そして6歳で中級をマスターしているのが一般的らしい。


つまり、俺は異常だ。

あまりにも早すぎるのだ。

正直自分でも驚いている。

俺は、いつも見てきたような転生もののような、特別な力があるなんてことはなかった。

が、こんなにも異常な速さで成長できるのは一種の力なのか?

はたまた才能なのか?

今はまだわからない。


そして驚いていることがもう一つある。

魔力の増加スピードだ。

この世界の人は基本魔力を持っている。

魔力は成長とともに増加するらしい。

更には、早いうちから魔術に触れておくと、魔力量が急増するらしい。


俺は魔力量が本来の3歳児の3倍近くあるらしい。

いや、魔術に触れているのもあるだろう。

だとしても異常らしい。

まあ、多分体質だろう。

パルト家の大多数の人は、一般の人より多いらしい。



そんなこんなで、このレベルまで技を身に着けたところ、


「ん~~…魔術に関しては私ほとんど教えられることないわね。上級は治癒しか使えないし…」


「俺も、剣術の上級からは正式な指南資格を持つやつからしか教わらなきゃだめだからな。どうするべきか…」


どうやら2人は教えることがなくなったらしい。


「学校も7歳からじゃないといけないしね」


この世界にも学校はあるらしい。

しかし、日本のような小・中・高・大学というものではなく、6年制の大学に近いものらしい。

入る年齢も自由。

義務教育はないらしい。


そう考えていると、カーラが提案してきた。


「なら、家庭教師雇えば?剣術指南者と魔術師2人」


「あぁ確かに。そうするか」


「そうね!そうしましょう!」






てなわけで、家庭教師が来る。

と言っても、某転生小説の家庭教師みたいな感じではない。


魔術師は心伝族の女性で、元特級冒険者パーティーの後衛らしい。

剣術指南者は、ついこの間まで大陸王都ドラマルトの騎士に剣を教えていた竜人族らしい。

2人は住み込みで教えてくれることになっている。


なぜこんな凄腕の人たちを集められたのかというと、俺達の家は人族世界で名を馳せた王家『バルト』の末裔らしい。

今は貴族ではないが、現在の王家である『ラノス家』と契約関係にあり、多少の保護を受けているらしい。


ということは、俺ら以外にもパルト家っているのだろうか?

食事中に聞いてみたら、カレラが言った。


「私たち以外のパルト家は戸籍変えたり、冒険で命落としたりで、今はもういないのよ」


そうか、俺らはパルト家最後の生き残りなのか。






そんなこんなで、家庭教師を雇うことを決定して一週間が経った。


家に一人の男が訪れた。

全身黒いローブに身を包み、髪は灰色の短髪、2メートルはある高身長の男だ。


「本日より剣術指南を担当する、ドーラ・コンドルだ。」


どうやらこの人が剣術指南者の竜人族らしい。

顔は優しそうではあるが、あまりの迫力にバオスとカレラは固まっている。

仕方ない、俺が先陣を切るか。


「はじめまして!レオリオス・パルトです。本日からよろしくお願いします!」


「ほう、この年でこれだけ流暢に話せるとは、なかなかに見込みのあるやつのようだな。」


そう言ってその男、ドーラは俺を見る。

なんだろう、上から目線で話されているのに、ムカつかない。

多分この低音のイケボのおかげだろう。


そういった挨拶をしていると、ドーラの後ろからヒョコっと顔を出したやつがいた。


「………」


「………?」


そこにいたのはやや小柄な女性だった。

その女性は左右の色が違う目で俺を無言で見てくる。


「ん?我の後ろにいるのはナナか?貴様もここに呼ばれたのか?」


「………」


ドーラが何かその女性に言っているが、何も反応しない。

本当に誰だこの女?

髪は茶髪で腰まである髪を後ろで束ねている。

目は左右の色が違うってことは…オッドアイか。



『この子…どんな子なんでしょうか…?』



ん?

今なんか頭に言葉が流れてきたような…



『え!?おぉすごい!聞こえていますね!はじめまして。私は今日から魔術を教えることになったナナ・リーフです。よろしくお願いします』



俺の脳内にその声は響き続ける。

なんだこれ?

どうなってるんだ?

もしかして、この女の能力なのか?



『よ、よろしくお願いします……!?』



俺はその声に反射的に答えた。

いや…喋れた。

なぜか俺も、頭の中で声が出せた。



『念話までできるとは…もしかして心伝族ですか?』


『いえ、そんなことはないと思いますが…』


『…あれ?貴方、その右目は何ですか?』


『右目?』



「2人ともどうした?」



バオスの一声で俺は元に戻った。


「あ、すみません。念話で話していたもので」


「念話?誰と」


「あなたの息子さんと」


「え!?」


バオスは驚いた表情で俺を見た。


「お前…今ナナさんとなんか話したか?」


「はい…なんか僕の右目がどうとか…」


「右目?」


バオスは俺の右目を覗き込んでまた驚いた。



「こいつはびっくりだ。お前、『模倣眼』持ってたのか」



「模倣眼?」






数日間俺は家にある本を読み漁り『模倣眼』について調べた。


なんでも、この世界には「異能眼」というものがあるらしい。

「異能眼」とは、生物の目に突如として現れる能力で、その能力は数多く存在しているらしく、現在確認されている能力は100を超えるらしい。

しかし、その能力は単に「視力が調整できる」のような小さなものから、「数秒先の未来が見える」や「目を見たものを洗脳する」のようなとんでもない能力まで幅広く存在する。


その中でもこの「模倣眼」は使い方次第でとんでもなく強くなると言われている。

というのも、この目の能力は「技の解析とコピー」だ。


目にした技を分析し、動きのパターンや効果、消費魔力等々を理解することができ、分析完了後、自身がその技を出せるレベルまで成長しているか、技発動の条件を満たしている…

つまりは再現可能と判断できれば、その技を見ただけでコピーできるらしい。


内容だけ聞くととんでもないが、弱点もある。

まず説明からもわかるとおり、自身の力量を超えている技は再現できない。

まあ当然である。

そんな事出来てしまえばどんな強者にも負けることはないからな。


そして、この目最大の弱点は、技の難易度によって解析時間が変化するということだ。

技の難易度が上がるにつれて時間もかかる。

それもかなりだ。

なんでも、ある人は、神級の解析に数ヶ月か1年かかったらしい。

長すぎる。

そんなことしてる間に戦ってたら、そいつは御陀仏だ。


現在この「模倣眼」は過去に20例確認されていて、俺は21人目にあたるらしいが、俺以外の模倣眼持ちはみんな死んだらしい。

なんでも「この目で技を見られたら技が取られちまう。その前に殺せ」てな感じで模倣眼持ちは大抵の場合、真っ先に殺されるんだとか。

更にいうと、最近では、模倣眼持ちの若い女性が、ある鬼族の禁術を目にしちまったということで、鬼族が技の流出を恐れ、その女性を捕まえて、あげくの果てに処刑したんだとか。

とんでもない話だ。


「見られたら殺せ」なんて言われ、今でも殺害が起こっているなんて…

まあ、能力は魔力を込めなければ発動しないらしいし、そのときは見た目も普通の目になるらしいからバレなきゃ大丈夫らしい。

…あまり出さないようにしよう。






話を戻そう。

そんなこんなで俺の家には2人の先生が来た。

そして意外なことに、2人は元「ノーボックス」というパーティーのメンバーだったらしい。

2人は知人同士だったのだ。

そんな2人を師匠として、俺は新たな生活をスタートした。

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