鶯谷・梅雨打破酢豚
作品内に出てくるお店は全てフィクションとさせていただきます。
似た店舗があってもけっして感想などで名前を出さないでください。
内容と異なる可能性もあるためです。
あくまでフィクションのお店です。
梅雨に入り湿度が鬱陶しい今日この頃。
暑さも定まらない不安定な気候は身体に負担が大きい。
そうしたとき私は一つの衝動に駆られる。
『酸っぱいものが食べたい』
昔から酸っぱいものが好きだった。
今も普段からスーパーの惣菜ではわかめとたこの酢の物をついつい買ってしまう。
それもいいがやはりこんな時は暖かいものが食べたくなる。
今回の駅は『鶯谷駅』。
時刻は昼を少し過ぎた頃だ。
目的の店は北口より出て少し離れて大きな道路を渡った中華。
餃子を特に押している店ではあるが中華料理の種類も多く味も間違いない。
唯一の難点は量が多い事か。
だがそれは中華なら仕方ないだろう。
本日頼んだのは【パイナップルの酢豚】と【野菜焼き餃子】だ。
分かっています。
貴方が言いたいことは。
しかしあえて、無視します。
この店には三種類の酢豚があるのだ。
それだけでもなかなか珍しいと思う。
しかも今回のパイン入りにいたっては好みがかなり分かれる品。
もちろん他の酢豚もとても美味しい。
その日の気分で注文は替わるのだがやはり珍しいこれを頼みがちになってしまう。
しかも他の人がいる場合はなかなか頼めないのも一つの要因になっている。
注文してから出されるのは早い。
あっという間に出された品は熱々だ。
揚げたてと分かるサクサクの衣に絶妙な甘酢が絡む。
油に通された色鮮やかなピーマンやにんじん。
そしてパイナップル。
全てが調和して求めていた味だ。
町中華に比べるとやや酢味が強いだろうか。
けれどそれもパイナップルが補う。
くどくないけど味はしっかりとしている。
合間に野菜餃子をつまむ。
ここの餃子はなかなかのボリュームで皮も厚め。
もちもちと焼いた部分の食感の違いが楽しい。
肉が入っていないのに野菜の甘さが満足度をしっかりとしている。
肉入りももちろん美味しいが今日はこちらの気分だった。
溢れる肉汁はないがそのぶんさくさく食べれる。
食べ終わっても胃がもたれる心配も無い。
そういえば餃子も酢醤油だ。
酸っぱい欲を存分に満たし帰路につく。
空は曇天だが気分はすっきり晴れやかだ。




