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今日も満腹です ~食巡り日記~  作者: 小埜我生


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有楽町・町中華の希望論

作品内に出てくるお店は全てフィクションとさせていただきます。


似た店舗があってもけっして感想などで名前を出さないでください。


内容と異なる可能性もあるためです。


あくまでフィクションのお店です。

私が選ぶ中華には一つの基準がある。

それは『食べきれる量』です。


世界三大料理に選ばれる中華料理はおいしい。

広大な土地で様々な歴史と文化で産まれた多種多様な料理。

ただ量が多いのだ。

もともと大皿から取り、満足を表すために残すのがマナーというほど。


近年は食品ロスの観点から見直されているらしいが。

とにかく一人飯の多い私にとっては強敵なのだ。

コースを組まれているお店ならいいのかもしれないがそういう店こそペアから予約が基本。確かに一人が頼める量などしれているし席の確保を考えるなら仕方ない。


そんな私に残された道は『町中華』だ。

まぁ、正確には日本人向けの地域に根差したものだから本格中華とは違うのだろうが。

実際本格的な中華料理だってランチなら一人用の定食が用意してあるお店も多いのだから残された道なんてのは全くもって大げさなのだけれど。


そんなことはさておき私は町中華が好きなのだ。

今回私が降りた駅は有楽町駅。

普段は降りることのない駅だ。


銀座に向かうのか優雅なマダム達や仕事中のビジネスマン。

平日の昼過ぎ13:30にTシャツ姿は浮いているような気さえする。


やや肩身狭く思いながら向かった店は駅を出て一分。

駅ナカ以上に近い高架下。

歴史を感じるような昭和感溢れる町中華。


昼も過ぎたのにまだ店は混み合っているようだ。

入り口でたった今支払いを済ませた客とすれ違いに店に入る。

レジをしていた女性に一人と伝えると相席でいいかと聞かれた。

了承の旨を伝えると中央のテーブル席に案内された。

そこには奥の席にサラリーマンが一人、向かい側にぺこりと会釈して座る。

実は相席をしたのははじめてだったので少し緊張していた。


混んでいるしさっさと注文してしまおう。

やはり人気店、料理の提供スピードがとても早い。

頼んで5分弱でまず一品目。


『あんかけ肉かたやきそば』

麺がみえないほどたっぷりのあんがかかっていた。

艶やかなあんが美しい。


割り箸をとり、さっそく一口。

最初はあんの青梗菜を。

生ではないさっくりとした食感。油通しにより絶妙な火加減で野菜のうまみを最大限出している。


次にあんをかき分けるとそこにはパリパリの細麺。

これは皿うどんの麺が近いタイプのようだ。

パリパリと音が鳴る。

軽く崩し混ぜた麺とあんを口へ運ぶ。


パリパリだが全く油っぽくない軽ささえある麺と醤油ベースに細切りのたけのこと豚肉。先程の青梗菜と大きめのきぐらげ。

口の中で完成されていくとはこの事だ。

麺とあんが混じり合っていく。

味は濃いめなのにくどくない。懐かしさを覚えるノスタルジー。これぞまさに町中華。


おっと美味しさに浸っていると次の品が運ばれてきた。

焼き餃子だ。

これぞ町中華だろう。

本場中国では水餃子が基本でそのあまりを再利用した焼いた物がある程度らしい。

今日の焼き餃子はかつて満州から日本へ引き揚げた人が改良した結果らしい。

まぁ、そんな話はさておきここの餃子の特徴は塩で食べると言うところだろう。


もちろん酢醤油もあるが餃子用の塩山椒をまず試してみねば。

小皿に塩を出して軽めにつけてみる。

なんとこれは。

思った以上に塩の合うこと。

山椒の香りはそこまで強くないが餃子の魅力をくっきりとさせている。

なるほどこれはこの餃子専用といえるだろう。

他の餃子だとここまで相乗効果は望めないだろう。


あぁ、なんとも満足だ。

しかし食べ終わったなら長居は無用。

少し店は落ち着いたようだがそれでも町行く人達は除いては入ってきている。


私もいいなと思ったのは通し営業というところだ。

昼時はおそらくかなり混雑していると思う。

何故分かるかというと一つは値段だ。

有楽町駅という立地にして千円未満のランチというのはかなり格安だろう。

もう一つは来て知ったのだが一品料理メニューは15時以降一部は13時からとなっているため。

混雑防止だろう。餃子は13時からだったから良かった。

それだけでもここが人気店とわかる。

だからこそ空いた時間を狙って来れるというのは利点なのだ。

昼休憩がある場合は人気店だと空いた時間自体がない可能性がある。

それはそれで仕方ないのだけれど。

行きたいと思ったときに時間選ばず行けるのはありがたい。


おっと天気が悪くなってきたが駅がここまで近いと気にならないな。

町中華独特の雰囲気に好みの味。

また来よう。そう思いつつ帰路についた。

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