【エピローグ】吉田拓郎
これで、ほんとうにいじめられっ子吉田拓郎編は完結です。
物語はまだ続きます。
大学が始まってしまったため、少し投稿頻度が少なくなると思いますが、引き続き応援よろしくお願いします。
また、評価、感想、ブックマークお待ちしております。
土日を開けて、今日から新しい一週間が始まる。
あの三人組に殴られた顔の傷は目立たない程度には治り、ほかの体の怪我も、もう痛みは引いていた。
金曜日、作戦最終日に清原君、大原君、井野君らと喧嘩して家にボロボロの姿で帰った時には、母に「また、いじめに遭ったの?」とすごく心配された。
僕の母は、小学校時代からいじめに遭っていて傷ついていた僕を支えてくれた。でもその反面たくさん心配をかけてきた。
いじめに遭った時は学校にまで来て先生たちと話してくれた。一時不登校で部屋にふさぎ込んでいた僕にいつも声をかけて話を聞いてくれた。もう学校に行きたくないといった僕に「じゃあ、引っ越して別の場所に行く?」と提案してくれた。
僕はたくさん母に救われて、迷惑をかけたことだろう。
でも、帰ってきてボロボロな姿の僕が「いじめじゃないよ、喧嘩して勝って来たんだよ」と明るく爽快な気持ちで伝えると、ただ「分かった」と言ってくれた。
「母さん、いままで迷惑をたくさんかけてきてごめん。いつも守ってくれてありがとう。でも、もう僕は大丈夫。強くなったから」
そんな言葉を今までの感謝を伝えるように、決意表明のようにはっきり伝えた。
「分かったわ。それと迷惑なんて思ったことなんてないよ。だって、親が子供を心配するなんて当たり前のことだもん」
「母さん」
「さて、早く着替えて風呂入ってきなさい。傷口しっかり洗ってきたら消毒とかするから」
「うん、わかった」
母さんのそんな優しい気遣いに少し涙が出そうになった。でも、さっき強いと公言したばかりで泣くのは少し恥ずかしいから、我慢して、脱衣所へと向かった。
母さん、本当に感謝している。これからも暖かく見守ってください。
教室に着くと、絆創膏や湿布だらけの僕を見て、クラスメイトが心配して駆け寄ってくる。
「どうしたのその傷?大丈夫?」
「清原たちにやられたのか?」
「あいつら先生に報告してやるから安心しとけ」
そんな僕のことを心配して声をかけてくるクラスメイト達。こんなにも僕のことを心配してくれる人がいると知ることができた。
「大丈夫だよ、清原君たちと喧嘩したけど、もう仲直りしたから」
清原君たちの方の席に顔を向けると、三人がこちらに向かってくる。
数人の男子のクラスメイトが三人から僕を守るように立ちふさがってくれた。
「ごめん、吉田。いままでお前に嫌がらせをして、もうしないと誓う」
「「ごめん、本当にごめん!」」
謝罪の言葉を僕に伝えながら、頭を下げる三人。
それに驚く、クラスメイト達
昨日和解したのに、わざわざクラスメイトの前で改めて謝罪してくれた。いじめたという事実を公言して。これは彼らなりの誠意なんだろう。
「もういいよ、昨日は僕も殴っちゃてごめんね」
「いや、悪いのはこっちなんだから気にするなよ」
そんなやり取りをして、僕たちの関係は落ち着いた。
僕が清原君たちに殴り掛かったという事実にクラスメイトは一番驚いていた。
そりゃあ、こんな貧弱の体の僕が体育会系のガタイを持つ三人に殴り掛かっとと聞けば驚くことだろう。
その後は、普通に授業を受けて、休み時間はクラスメイトと話したり、たまには一人でイラストを描いて、昼休みはアニメ友達の阿部君と話した。休み時間には清原君たちとも少し話した。
彼らはこれからバスケ部にまじめに取り組むそうだ。今からじゃあ、遅いかもしれないけど練習に励んで地区大会優勝を目指すらしい。
また、彼らはバスケのアニメを見ているらしく、それは僕も見ているアニメなので少し盛り上がった。
そして、放課後になった。
阿部君は美術部に、清原君たちは張り切ってバスケ部に部活動をしに行った。
工藤君もテニス部の部活に行き、朝比奈さんは女子友達と帰って、笹原君は勉強すると一人で図書室に向かった。
先週は誰かしらと下校していたため、一人で帰るのは久しぶりだ。
誰かと話して帰るのも好きだけど、やっぱり僕は一人で帰る方が気楽でいいや。
途中で、本屋に寄って漫画とラノベの新刊、それとイラスト用のペンを購入した。
イヤホンをして、アニソンを聞きながら周りの風景をぼんやりと見ながら帰る。
家に着き、自分の部屋に直行して、さっそくスケッチブックを開いてイラストを描き始める。
僕は今まで、すでにあるアニメや漫画作品の模写しかしてこなかった。なぜなら、創作で書くのは苦手だったし、自分が作りだしたものに自信が持てなかったから。
でも、笹原君に出会って、こんなイラストが趣味でアニメオタクで陰キャでぼっちな僕でも認めてくれる人がいることを知ることができた。
怖くても、一歩踏み出せば、自分の世界を変えられることを知ることができた。
だから、僕はまた一歩、新しいことに挑戦しようと思う。
世界を変えるために




