第八話 身体と頭はチグハグ
夜はスキルで出した白飯と肉と野菜でBBQにした。メカゴリ君とナガレは食べないので一人で焼き一人で食べると言う寂しい光景になった。スキルで出した食材だが地球で食べた本物と変わりない味だった。
2人?が見張り番をしてくれるので俺は寝袋に包まった。一応虫除けも付け、テントの外にも虫除けを撒いておいた。この世界の虫がどんな病気を持っているか分からないからだ。
漫画のネタ用にゴブリンやサハギンタイプの奴や湖を描いておいた。いつか先生に見せたいな、本物見ながら描いたんですよって言ったら正気を疑われそうだけど。
「とりあえず異世界1日目は終わりだな・・・。ナガレやメカゴリ君が居てよかった」
俺は目蓋を閉じ眠った。
♢アナシア2日目
「寝袋にテントって意外に快適なんだな。とりあえず菓子パンでも描いて食うか」
スキルで菓子パンを出し、腹を満たす。
「ナガレやメカゴリ君は何か食べたり補給的なのはいらないのか?」
『私達はマスターの余剰魔力で動いています。仮に今マスターが死んでも戦闘有りで10年くらいは動けます。』
「俺そんなに魔力あるの?」
『マスターのスキルの影響ですね』
「あーもしかして爺さんから内緒でかすめとった、魔力生成かな? 魔力がある世界なら永続的に魔力を使えるようになるって書いてたな確か」
『それです。マスターが死にこの地が滅ばない限り、私達はずっと活動出来ます』
魔力生成は魔力がある世界限定だが、無限に魔力を生み出し扱う事が出来るスキルだ。だから俺はスキルを連発してもMP切れで倒れる事は無い。
多分リソースの消費は、ピクチャークラフトよりこちらが原因だろう。何せ世界の魔力を使っているんだから。
「なるほどなー。だけど一人で食うのも味気ないよなあ、人里何処にあるんだろ? ナガレ近くに人里無いの?」
『ドローンで辺りを見ましたが、人里はおろか街道すら見当たりません。長距離移動用の何かがあれば別ですが、車やバイクでは厳しいでしょうし』
珍しくナガレが言い淀んだ。
「ヘリの様な大型は今の画力やレベルじゃ厳しいって事だよな?」
『その通りです。せめて人里の方角さえ分かればまだ手はありますが・・・』
「方角ねえ、爺さん教えてくんないかなあ」
『何でも頼るのはマスターの成長の阻害に繋がりますよ? 独力で何とかすべきです』
「うーむ、どうしよっかなあ〜。二人くらい乗れるドラゴンゴーレムでも作るかな? メカゴリ君にはアイテムボックスに居てもらってさ」
『良いんじゃないでしょうか』
良し、ドラゴンを描くか。イメージはどうしよう、西洋風が良いのか、中華風が良いのか悩むなあ。
中華風の方がかっこいいよなあ、この世界に居ないだろうし。
「よっしイメージは固まった! 描くぞー!」
俺はドラゴン○ールの神龍をイメージして描いた。眼は紅く、鱗は黒、左手には水晶、ツノは鹿をイメージしながら二本。操るのは黒い雷と風 耐久性SS 攻撃力SS
「ひゃー! かっこいい! 最高だぜー!」
ぽんっ
出てきた龍は身体はイメージ通りだった。
そう身体だけは・・・・・・。
『ウホッ』
何故か頭部まで詳細に描いたのに、頭部は赤い眼をしたゴリラだった。まるで満月を見て変身した大猿のように・・・・。
「何でだあああああああああああああ!!!」