第九話 廃墟
ゴリラ顔のドラゴンの背に乗り空中へ。先ずは低空飛行で湖の端まで行ってもらう事にした。
「びゃあああああああぶぶぶぶぶ」
速度と風圧の二段階攻撃で眼も開けていられなかった。上空は寒かった。
「ひい、ひい。とっとりあえず防寒着とゴーグルは必須だな。後はゆっくり飛んでもらうしかないな・・・・」
防寒着とゴーグルにニット帽とイヤーカフを装備し、ゴリドラさんに乗る。
「ゆっくりゆっくりお願いします・・・・」
『ウホッ!』
良い笑顔で頷いてくれた。ゆっくりとゴリドラさんは飛行をしてくれた。メカゴリ君より優秀だ。
ゴリドラさんと空中散歩を楽しんでいると、周りを石壁で囲んだ街とボロい城を発見する。
「おお! 人里だ! やったぞ! 絵を描くからちょっと動かないでくれよ」
俺は城下町と城をスケッチして行く。
「よし! 2日目にしてついてる! 一旦ナガレ達の居る湖に戻ろう!」
『ウホッ!!』
ゴリドラさんは、何故かスピードを上げた。
「アババビバババビ」
当然俺は必死でしがみ付くしか無かった。振り落とされなくて良かった・・・・。
湖に戻り、ナガレ達と荷物を片していく。片すと言ってもアイテムボックスに回収するだけだが。
「城下町って言うのかな? 石壁で周りを囲んでた! こんな感じだ」
ナガレに絵を見せる
『廃墟ですか?』
「見たままを描いたはずなんだが、確かに城とかぼろいよなあ。とりあえず行ってみようぜ」
『わかりました』
ゴリドラさんに、ナガレとメカゴリ君が乗り何故か俺はメカゴリさんの右手に掴まれていた。
「あっあのー、俺メカゴリさんはアイテムボックスにって・・・・」
『メカゴリさんは嫌がっていたので最適な位置に配置しました』
「最適な位置って、他人から見たら食べられる前だぜこれ?」
『さあ行きますよ、ゴリドラさん!』
無視しやがった、ゴリドラさんも飛び上がっちゃうし、ドナドナの子牛の気分だぜ・・・・。
『見えてきましたね、ゴリドラさんとりあえず街から離れた場所に着陸しましょう。騒ぎになっては面倒ですので』
『ウホッ!』
ナガレの的確な指示に従うゴリドラさん。何故ナガレの指示に従うかは分からない。一つだけ言えるのは俺の意思じゃない・・・。
♢
「空から見たらわからなかったが、でけえ壁だなあ。門は壊れてるし、本格的に廃墟かここ?」
『生態反応は城下町にはありませんね』
「じゃあ廃墟かあ、この街に何があったんだ? 家の窓やドアも軒並み開け放たれてるし、戦争でもあったんかなあ?」
『戦争ならまだ良かったかもしれませんね』
「戦争はだめだろおい」
『マスター。中央部には行かない方が良いと思います。おそらくマスターは嘔吐します。心的外傷を負う可能性が70%有ります』
「は? 何でだよ、街の状況を調べないと・・・」
『では事実のみを説明します、百舌鳥と言う鳥をご存知ですよね? 百舌鳥の早贄と言うのもご存知ですか?
もしくはヴラド3世、ヴラド・ツェペシュ、串刺公がした事をご存知ですよね?』
串刺公がした事って人間を串刺に・・・・・。
頭を振りナガレに問う
「それがこの先おきてるのか? だとしたらせめて埋葬してやらないとさ、可哀想だろ?」
『どうなっても知りませんよ』
ナガレの眼は冷たかった。





