第十二話 謎の男
『ーーーおやおやおやおや、何故あの忌々しい子供が檻の外に出ているのかな? 』
暗い室内で男は鏡を見ながら1人ゴチる。
『ーーー何故? 何故? この世界に居る人間に壊せる者はいない。紛れ込んだ者が居るのか?』
男はニヤリと笑う、新しい玩具を買い与えられた子供の様に。
『ーーーショーの始まりだ』
男は暗い室内を後にする。鏡には龍司やナガレが映っていた。
♢
『童貞、ちょっとこの子やばいかも。過度なストレスに栄養も足りない。最悪目覚めない可能性も頭に入れておいて』
まじかよ・・・・。目覚めないって何なんだよ。糞、糞、糞。俺は自己嫌悪の渦に囚われる。
『マスターのせいではありませんよ。』
ナガレの言葉も届かない。
突如空が暗くなる。
「なっ何だ?」
『ーーーやあやあやあやこんばんわ』
シルクハットを被ってスーツを着た紫色をした男が空に立っていた。目は血の様に赤かった。
『ーーーふふふははははははは! 面白い面白いぞ小僧! 自立思考する物を作るなんて! 神の真似事をするなんて!』
男は狂った様に笑い出す。
「お前何もんだ!」
ゴリドラさんとかメカゴリ君が俺の言葉に続き男に襲いかかる。
『ーーー実に面白い』
男は笑いながら杖を振るうと、ゴリドラさんとメカゴリ君の首が宙を舞う。
「えっあっえ」
俺は言葉が出なくなりその場に硬直してしまう。
『惚けてんじゃねーよ! 童貞! 逃げるんだよおおお!』
ナースの叫びがこだまする。
『マスター! お逃げください! 私が時間稼ぎを! 』
ナガレが俺を庇う為に前に出て来る。
『ーーー面白い、面白いぞ! 感情まであるじゃないか! 』
やめろ、やめろ、やめろ、やめろ、やめろ!! 立て立つんだ! 動けよ! 今動かないと、ナガレ達も!
「てめええ!!」
俺は声を張り上げて威嚇をする。
『ーーークックック無様だな人間。良いのか? 先程のガラクタと同じ様にこいつらを壊しても良いんだぞ?』
悔しくて涙が出る、だが俺の身体は地面に縫い付けられた様に動かない。
「何でだ! ちくしょう! 俺が戦わないと! 男なのに!」
『ーーーつまらんな。抵抗しないのか? 待ってやってるんだが無駄だったかな?』
「あっあっあっあああああ!!」
その時女は意識を取り戻した、最悪なタイミングで・・・・。





