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イノーガニック

アンデッドの反応がある。

しかし、そのアンデッドはこれまで出会ったアンデッドとは訳が違った。

飛雲『東南東、おおよそ100キロ先にアンデッドの反応を感じるが……妙だな…』

世莉奈『どうしたの?』

いつもと違う反応を示すフェイ。

世莉奈『また公安の皇って人がいるとかじゃなくて?』

飛雲『違う。反応は一つだが今までと何かが違う…』

世莉奈『行って確かめた方がいいかもね。』

飛雲『あぁ、そうだな。』

私達は準備をして反応がある場所へ向かった。

飛雲『しっかり掴まれ。』

フェイがそういうと翅を広げて私をお姫様抱っこし、空へと飛び上がった。



−−−−−−−−−−−−−−−−−



辿り着いた先は薄暗い河原。

隈なく周囲を見渡すとアンデッドと思しき物が立っていた。

挿絵(By みてみん)

世莉奈『あそこ、あれじゃない?』

飛雲『あれか…』

アンデッドも私達の存在に気付く。

アンデッド『あらあら、もしかしてアンタ達アンデッドイーター?』

アンデッドは何やら自信満々な雰囲気を放っていた。

飛雲『アードウルフ、ケニアやタンザニア、スーダン辺りに生息している少し変わったハイエナの反応がある…だが、何故アンデッドのお前から人工物が身体に取り付いているのか聞きたいところだ。』

確かにアンデッドではあるものの、腕や脚、胴体に機械のような物が取り付いているのが確認出来る。

アンデッド『この間私を殺そうとした別のアンデッドイーターも同じこと言ってたわ。アンデッドも進化するものよ。それがわからないのかしらね。』

この間の協議でも少し触れられた人工物を身に着けたアンデッドのことを思い出した。

このアンデッドがもしそうだとしたら、綺瀬ちゃんが逃したアンデッドはコイツなのだろうか?


???『やっぱりここに戻ってきてたのね。』

背後から声がした。


挿絵(By みてみん)


綺瀬ちゃんだ。

アンデッド『噂をすれば何とやら、また私と戦うつもり?』

綺瀬『アンデッド・タイプ アードウルフ/イノーガニック、今日こそは殺すわ。』

飛雲『綺瀬、この間君が言っていたアンデッドっていうのは…』

綺瀬『そうよフェイ様、コイツのこと。気を付けて、コイツ腕からミサイル撃つから。』

アンデッドがミサイルを撃つ、にわかに信じ難いし想像が出来ない。

アンデッド『ほらほら、弾幕で埋め尽くしてあげるからさ!』

アンデッドが両腕を前に出すと手のひらの四角い穴からミサイルを飛ばしてきた。

世莉奈『ほ、本当にミサイルを…』

綺瀬『くだらん小細工。』

綺瀬ちゃんは自分の身長の3倍ぐらいの高さまでジャンプしてミサイルを避ける。

綺瀬『私は銃撃よりナイフによる投擲が主戦法。この上空からのナイフの束を避けれるかしら?』

アンデッドの真上から綺瀬ちゃんはナイフの束を投げつける。

アンデッド『ふん、この程度。』

飛雲『そうはさせない。』

回避しようとするアンデッドをフェイが阻止する。

アンデッド『くっ…この。』

足止めを喰らい、その場で立ち止まってしまったアンデッド。ナイフはそのままアンデッドの頭に突き刺さる。


グザッグサッグサッ!!


無数のナイフがアンデッドの身体に刺さり、膝を付いてそのまま動けなくなってしまった。

アンデッド『アンタなんかにやられるのだけは真っ平ごめんだわ。でも、アンデッドは不死。どれだけ致命傷を負わせても死にはしない。』

アンデッドは自分が不死身なのをいいことに煽りだす。

綺瀬『それはどうかしら?』

飛雲『私が本当の死を与える。綺瀬、構わないな?』

綺瀬『……わかったわ。貴方がそういうのなら。』

フェイは日本刀を人差し指と中指で鍔から刀身の先に向かってゆっくりとなぞる。

すると刀身が神々しく青色に光だす。


挿絵(By みてみん)


アンデッド『何それ…脅し?』

ダメージを負って動けなくなっても尚挑発的な態度を崩さないアンデッド。

飛雲『未能死去的苦命人…(死に損ないめ)』

ボソッとフェイがあの一言を言い放つ。

アンデッド『何って言ったのかしら?もう一回言っt…』

アンデッドの身体がみるみるうちに灰の如く細かく崩れていく。

アンデッド『何よコレ……心臓の鼓動も……止まって…る…?』

飛雲『アンデッドが絶対に味わうことのない心臓の停止、身体は崩れても心臓は生きたままなのがアンデッドと呼ばれる由来。』

アンデッド『ば、馬鹿な…私が死ぬなんて!?』

飛雲『けど、私はお前達を確実に殺す力がある。心臓諸共灰にして亡き者へ変える。死の概念を味わうと良い。』

アンデッドは手を伸ばすものの、身体がどんどん崩れていき最早原型がなくなってしまった。

最後に残った心臓も塵となって風に吹かれて消滅した。

世莉奈『やったね。』

飛雲『あぁ、しかし…ミサイルを放つアンデッドまで現れたか…』

綺瀬『きっとまた現れるわ。あんな人工物を取り込んだアンデッドが。組合は奴等を"イノーガニック"と呼称してる。』

イノーガニック、つまりは無機質という意味。

人工物を取り込んでいるアンデッドに対しては理に適った名称だろう。


綺瀬『フェイ様、次は私がアンデッドを確実に殺すから……』

飛雲『ん?君にそんな力が備わっていたかな?』

綺瀬『フフッ……想像に任せるわ。』

そう言って綺瀬ちゃんは立ち去った。

河原には私とフェイの二人だけ。

飛雲『セリ、私達も帰還しよう。』

フェイは私の頬にキスをした後、お姫様抱っこをして空高く飛び上がった。

アンデッドが新たな進化として、人工物を取り込むことになりました。

今回のアンデッドはミサイルを放つ事が出来るようになったハイエナの近縁種であるアードウルフの要素を持ったアンデッドです。

今後、人工物を取り込んだアンデッドが続々と登場します。

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