4/4
4. 庭の木
お久しぶりの投稿です。
ぜひご一読ください!
薫は真也の後をついて歩きながら、さわさわと風が通り抜けていくのを感じていた。
空気がどこにも滞らず、淀みなく流れている。
(ああ、やっぱり……先人の知恵、かな……)
だがこの時期は、空調を効かせていないと室内といえど、寒い。当然廊下も例外ではなかった。
ぶるっと寒さに身を震わせる。
その拍子になんの気無しに窓の外へ目をやった。
ーー庭の真ん中に、一本の木が立っていた。
見覚えのある枝ぶり。
花も、蕾もついていない。
それでもーー。
「梅……?」
ささやきのようなこえが、ぽつりとこぼれ落ちた。
「ん?あぁ……そう。梅。やっぱ分かんのな、さすが」
答えが返ってきたことに、薫は少し驚いて目をぱちくりさせる。
少し前を歩く真也の背中に、声をかけた。
「今の、聞こえてた?」
「ああ。……風のおかげで」
真也も庭の木へ目をやり、静かに続けた。
「もうずっと、咲いてはないみたいだけど」
わずかに低くなったその声を、薫は横目でうかがい見て小さく呟いた。
「そっか……」
「それより早く部屋いこーぜ!寒いだろ」
くるりと振り返り、いつもの調子に戻った真也が階段へ向かう。
少し身を縮めて2階へかけていく真也の背中を、薫は少し遅れて追いかけた。
次はもう少し早く出したいな
と頑張っております




