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36体目 彗星

 魔塔自衛隊の入隊資格は、SPとレベル上限の解放が必要だ。

 志願した訓練生は、訓練期間に魔物との実戦訓練などでレベルを21以上に積み上げる。

 入隊後も、日本所持の階層で魔物が増え過ぎた際に出動。

 討伐任務に参加してレベルが上がる。


 正直なところ、金の暴力である銃火器はずるいと思う。

 しかし安定して平均以上のレベルにはなっても、地下に行き着く者は少ない。

 弱い鉄砲では一定レベル以上の魔物になると効かなくなるからだ。

 それでも地上階層で活躍するには充分過ぎる。


山本(やまもと) 重治(しげはる) 2等特佐のレベルが3アップしました』

「こんなもんでいいか……」

「目標のレベルに達したんですか?」

「1人目はな。しかし実験は下っ端にさせたのに、レベル上げは上官たちが真っ先にって……。解かりはしても良い気はしないな」


 現在桜は、政府に黙認された上で小型分身を連れて自宅へと一時帰宅させた。

 必要な物を回収するのと、1日は家族水入らずで過ごしてもらう予定だ。


 俺とモモカは魔法の練習。

 残る余力で自衛隊のレベル上げをしているのだが、元々レベルが高い人なのでやや上がり辛い。


「上に立つ人が低いと、下の人に示しが付かないってことですよね」

「かといって真っ先に奴隷と同じ状態になれって言われて、はいそうですかって言えるわけもないからな」


 話し合いの結果、まずは証明してくれとなった。

 そして訓練生から志願者を募り、奴隷紋の日本バージョンを使い魂を繋げてレベルを上げた。

 奴隷が禁止とはいっても、遅れを取らないよう研究はされていたわけだ。



「条件はもう決まったんですか?」

「簡単に決めれることでもないんだとさ。何人かそれなりの階級の人に体験してもらって、それからまた会議。んで政府関係に色々と情報が回って、時間を掛けてなんやかんやって感じじゃないか?」

「大変そうですね……」

「マシな部類なんだろうけどな」


 その時、カード(スマホ)に通知が入った。

 地下入り冒険者や高レベルの人は、希望すればゲートの出現時などに緊急出動要請を貰うことが可能だ。

 日本所有の階層なら、後始末は自衛隊がおこなう。


 まずギルドに色んな方面から報告が届き、ギルドから緊急要請と各国への通知がされる。

 そして事態が安定するまでは、要請を受けた冒険者が魔物の処理や逃げ遅れた人の救助などを請け負うわけだ。

 しかし俺の場合少しだけ違う。


「地下76階の増えた魔物の討伐依頼……。ゲートですらないし、よりによって行ったことのない階層かよ」

「敵のレベルは250付近ですか」

「俺の経験値も少しは入りそうだな。さっさとレベルを上げろっていう催促だな」


 俺のレベルが増えればより効率も上がる。

 しかしこの場合、一時的に奴隷紋を付けている連中を(すみ)やかに上げろということか。



「じゃあ見てはいるから、一度休憩(はさ)んでから訓練続けてて」

「はい。ご主人様も頑張ってください!」

「ああ」


 プールのような訓練場だから、遠慮なく水の魔法を練習できるだろう。

 俺はなぜか、水魔法を覚えるための必要SPが8に増えた。

 モモカの魔法を見る度に意味不明過ぎて、余計分からなくなったからだと思う。




『レベルが3アップしました』

『レベルが3アップしました』

『レベルが3アップしました』

『レベルが6アップしました』

「あっ、ミスった」

『レベルが2アップしました』

『レベルが3アップしました』


 経験値を飛ばすのに一度失敗したが、お陰でレベル20も一気に増加した。

 天の試しで異常に増えたから、やたら久しぶりに感じる。



「レベルも丁度いいし今日は終わらせるか……。ほえ?」

「……どうかしましたか?」


 消す瞬間、分身の視界に影のような何かが映った気がした。

 日落ち空も赤黒くもなってきたから、ただの見間違いだろう。


「いや。なんか見えた気がするけど、居ても魔物かなんかだろ。じゃあ魔力渡すから、最後にでかいのやってくれ」

「はい!」


 分身間でエネルギーのやり取りをいつもしているお陰か、他者へ譲渡するのもお手の物だ。

 魔力を受け取ったモモカは丁寧(ていねい)に詠唱を済ませ、全力で解き放った。

 そして上空より重力による加速も加わった、彗星(すいせい)(ごと)き水の塊が落ちてくる……。


「"メテオシャワー"!」



 掛け声の数瞬後、広い室外プールの真ん中に着水。

 俺は風の魔法を盾にしてダメージを受けずに済んだが、プールは威力に耐えれず粉砕された。


「頑丈に作られてるはずなのに、よくもまあ……」

「はうっ……! すすすっ、すいません! わたし……!」

「訓練場なんて壊れてなんぼだよ。やわに作ったほうが悪い」


 多額の修理費を求められてもおかしくない規模で壊れているのは気にしない。

 日本経営の訓練場だから、政府にでも支払わせればいい。

 それに施設の経営者も、壊れた場合の保険を掛けているはずだ。



________________________


 トウヤ 19歳 男 レベル:380

 S P:49

 体 力:596(+100)

 魔 力:757(+100)

 筋 力:396(+100)

 敏 捷:481(+100)


 知 力:165

 器用さ:440


 能力

:生体具現:レベル3【増加必要SP40】

:加速する世界:レベル15【増加必要SP5】

:ふくろ:レベル6【必要SP5】

:変質吸収:レベル5【増加必要SP10】

:気力操作:レベル8【増加必要SP5】


 強化

:生命力強化:‐‐【増加必要SP10】

:精神力強化:‐‐【増加必要SP10】

________________________


 帰宅後、生体具現を4へと上げた。


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