銘尾友朗さんからFSSを頂きましたー!!
前にも説明しましたが、再度説明しましょう!
FSSとはらの君が作った造語で、ファンショートストーリーの略。
キャラではなく、作家自身がが登場するサービス小説なのです!
それを今回は、銘尾友朗さんが書いてくださいました!
それがこちらでーす!
以下、銘尾さんからの贈り物FSS↓
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東京都某所。東京駅から電車を乗り継いで何駅か。この地は結婚式場や教会が多く、レンタルドレス等の関連企業も多く建ち並ぶ。その1角にこじんまりとしたビルが隠れる様に建っている。二階の窓ガラスには、こう書かれてある。
『なろう式研究所』
そのビルの看板を食い入る様に見上げていた女性が決意した様に、お洒落とは程遠い、灰色の鉄筋コンクリートで出来た階段を上って行った。
ノックをしてドアを開けると、これまたお洒落とは言えない事務的な部屋があった。
「すみません、昨日予約した村上ですが……」
入って直ぐにカウンターがあり、その奥はすりガラス式のつい立てで様子が掴めない。女性は心持ち大きめの声で呼び掛けた。程なく『はーい』と明るめの返事がし、若い女性が現れた。
「お待たせして申し訳ありません、村上様。どうぞ、こちらへ」
アルバイトの子であろうか? 可愛らしく感じ好い話し方で、村上は今日の不安が薄まったのを感じた。
応接間へと案内されて待っていると、オッサンっぽいオバサンが現れた。人の良さそうな笑顔を張りつけて話し出した。
「いらっしゃいませ、村上様。私が昨日電話を受けましたメイビです。早速ご用件を伺いましょう」
「あの、こちらで思い出を小説にして頂けると聞いたのですが。詳しい話を聞きたくて……」
村上は緊張から来る声の震えをこらえながら返事をした。
「はい、当社には小説の書き方を研究しているメンバーが登録しておりまして、それで、皆様の忘れたくない思い出を小説にさせて頂いております。例えば御結婚が決まって引き出物の一部とするのであれば、それなりの紙質と印刷数になりますので少々お値段ははってしまいます。が、結婚するからこその、その、ひっそりと抱いていたい思い出で、普通の文庫本に見立てた造りの仕様ですと、まあ、お手頃価格になっておるかと思います。村上様、どちらのタイプがご希望でしょうか?」
「……その、……文庫本タイプで」
マニュアル通りにさくさく喋るメイビに対し、村上は顔を赤らめ、消えそうな声でそっと言った。
「畏まりました。えーと、そうしましたら、作家のタイプのご希望はございますか? 歴史小説風に仕上げられるT.Aさん、Jさん、Mさん、ショートショート風に書かれるRさんNYさん、ロマンチック派のNさんやPさん、ファンタジックなAさんTさん、後は私メイビと、声をかければまだまだおりますが」
メイビがつらつらと名前を読み上げていると、遮るかの様に村上が言った。
「長岡さんでお願いします!」
「えっ、そうなんですか? 私メイビなら今暇ですけど……」
「長岡さんでお願いします! ご本人を目の前にして申し訳ないのですが、メイビさんは、その、筆が遅いと聞きました。それでは間に合わないのです。……それに、メイビさん、コメディーのシーンを入れないと気がすまないって噂を聞いたから……」
「あーっはっは。そりゃ失礼しました。そうですよね、大切な思い出ですもんね……。分かりました、Nさんに依頼しておきます。詳しいやり取りは作家さんと直で、……守秘義務の問題がありますのでね……」
この後村上は事務手続きを受け付けのアルバイトの子と確認すると満足そうな笑顔で帰って行った。
受け付けの女の子は、村上に出したお茶セットを片付けながらメイビに言った。
「長岡さん、凄いですねー。定期的に依頼が入りますね。……依頼、入らないですね、メイビ(所長)さんには」
メイビは笑うしか無かった。
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おおううう、素敵なFSSをありがとうございました!!
あ、私ロマンティック派だ♪
主人公をどん底に突き落とすのが大好きなドS派とかいうのがなくて良かった(笑)
そして銘尾さん、自分の扱いがひどす……w
オッサンっぽいオバサンでちょっと吹いてしまいました(失礼)
コメディーシーンを入れないと気が済まない……納得(笑)
銘尾さんに頼まないなんて、見る目がないっ!!
しかし私をここまで持ち上げてくださるとは……感激です!!
銘尾さん、ありがとうございました!!