らの君からFSSを頂きましたー!!
なんと、らのさんからFAならぬFSSを頂きました!!
ファンアートを描きたくとも絵が描けないということで、代わりにファンショートストーリーとでもいうのか……
それを書いてくれました!!
なのでイラストではないけれど、こちらに掲載したいと思います!
かなりリアルな感じで書いてくれて笑いましたw
是非みなさんも一緒に楽しんでください♪
以下、らのさんからの贈り物FSS↓
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「サラサさん、どうもありがとう!おかげで彼と結ばれました!」
「サラサさんには、なんとお礼を言っていいのやら」
私には二つの顔がある。
「そんな、お礼だなんて!二人とも頑張ってたし、当然の結果ですよ」
一つ目は、異世界に置いて筆とペンを武器に、時には凶悪な魔物を倒したり、時には恋の行方を導くお仕事だ。
どうやってやるかって?それは簡単。こうサラサラ~っと絵とストーリーを書き綴ると、あら不思議!異世界は私の思い通りの物語になるの!
今もこうして、行き遅れと言われた騎士団長キアリカさんと、国一番の豪傑エルドレッド君を結びつけたところって訳。
「でわ、お世話になりました。素敵な物語をありがとうございます!」
「お幸せに~」
深くお辞儀をして去っていく二人の後ろ姿を見ながら、手を振り見送る。
あ~、今日もいい仕事をしたぁ!さてと、私も帰ってゆっくりしようっと。
「ちょっとサラサ!待ちなさいよ!!」
気分よく帰ろうとした矢先、私は怒り混じりの声に呼び止められた。
振り向き見てみれば、シンシアちゃんだった。この子は確か……
「なんで私の恋は叶わなかったのよ!?ちゃんと納得の出来る理由を言いなさいよ!」
ひ、ひぇ~こんなキャラだっけ!?
この子の物語『海』はインスピレーションが湧いてきて、たまには非恋を!と勢いで書き上げたんだっけ……
「で、でもあれは結構好評だったし……」
詰める寄るシンシアちゃんに対し、後ろに仰け反りながら答える私。圧が……圧が凄いんだけど……
「書き直して頂戴!あんなの納得出来ないわ!なんで私が幸せになれないのよ!?おかしいじゃない!」
ひ、ひぃ~
「わかった、わかった、わかりましたよ~!次回、次回必ず幸せになるようにしますから!今回は許して下さいぃ……」
「ふん、次回ね。必ず幸せにして頂戴ね!約束ですからね!!」
ホッ……な、なんとか納得してもらえた……
言いたい事を言い終え、シンシアちゃんはスタスタと帰っていった。
だって非恋が書きたかったんだもん……あ~あ。なんか疲れちゃったな。早く帰ろう。
「ちょっとお待ちなさい」
今度は誰ですかぁ!?
声のする方を見れば、全身黒のローブに包まれた女の人が居た。声から察するに老婆か?こんなキャラ居たっけな?
「あなたは……誰でしたっけ?」
「私?私はあなたの」
──敵ですよ──
え?え!?えーー!??
老婆が敵意を向けると、なんとビックリ!私の持っていた筆とペンが勝手に動き出し、辺り一面を滅茶苦茶に書き出したのだ!!
大変!このままではこの異世界が滅茶苦茶になっちゃう!
緑の森は青く塗りつぶされ、青い筈の湖は黄色に。恋人達は喧嘩を始め、馬が空を飛び出す。
「やめて~!お願いだからやめて!!これ以上この世界を滅茶苦茶にしないでぇぇぇ!」
──お願い──
────。
──。
─。
「ちゃーちゃん(母ちゃん)起きてぇ」
「お腹すいたァ」
ユサユサと体を揺さぶられ目を覚ますと、そこには私の可愛い息子達の顔があった。
「ゆ、夢かぁ……よかったぁ……」
まだ重たい目を擦り、視力を取り戻すと……
「なんじゃこりゃぁぁああああ!!!」
辺り一面、部屋中がマジックでカラフルに塗り潰されていた!まさか正夢?いや……
子供達の悪戯か!!
クワッと長男を睨みつけると、
「次男がやったぁ」
だってさ。おいおい、見ていたなら止めなさいよ……
「おっ!お母さん起きたのか?もうお腹ペコペコなんだけど」
奥からひょっこり顔を出した、この無駄にイケボの男は私の旦那だ。いい歳してお腹ペコペコって……それに、
「なんであなたが見ていながらこんな大惨事になるのよ!!」
「え?俺はさ、お前や子供達が一生懸命描いている所を見るのが好きなんだよなぁ。この子達、お前に似て才能あると思うんだけど、どう思う?」
「どう思うってねぇ……」
「まぁまぁ、その顔で怒るなよ。ほれ!」
ほれ!っと差し出されたのは手鏡だ。その鏡を思わず覗き込むと、見るも無残にイタズラ書きされた自分の顔が……
「ぷ……ぷぷぷっ」
これは傑作!何これっ思わず笑っちゃうじゃない。も~!!
「コラー!やったなぁー!!」
「ギャーちゃーちゃんが怒った~」
笑いながら子供達を追いかけ回すと、ギャーギャーと声をあげ必死に逃げ惑う。そしてようやく捕まえ、ギュッと抱きしめる。
今日も我が家は賑やかだ。
時に厳しく、時に優しく家庭を守る主婦。これが私の二つ目の顔だ。
どっちの世界も、私にとってはかけがえの無い世界。なんだよね!
おしまい。
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以上、らのさんからいただいたFSSでした!
いや、リアルと繋がっていて笑うw
流石らのさん、人を笑わせる技術に長けているっ
しかしどんな顔にされていたのか、私……!?
まさか油性マジックじゃないよね……
クレンジングオイルで落ちるのかっ?!
見ていても止めない主人と長男……そのまんまでした(;´д`)
らのさん、楽しいFSSをありがとうございました!!