章中 ねこ姫様が来た!(猫の日特別編)
例の如く、本編に全く関係無い
パラレルワールドな短編です。
某番組のパロディ的な何か……
なので設定とかは気にしないでください。
見渡す限り、猫混みが続いています。
私達が来たこの日は、お祭りの真っ只中。
隣村にも、出店がいっぱい並んでいます。
この猫混みの何処かに……
ねこ姫様が居るはずです。
しかし、ねこ姫様は
中々、私達の前に姿を表してくれません。
探し始めて1時間後……
あ、何か食べている者がいます。
丸みがある尻尾が見えます。
そして、何と言っても、この独特の縞模様。
間違いありません。
これが……ねこ姫様です。
ピンッと垂直に立った尻尾。
ややつり上がった大きな目。
そして、この恍惚とした表情。
この様な姿を見られるのは
極めて珍しい事なんです。
あっ! 突然二個目を食べ始めました。
凄い勢いです。
顔中にご飯粒がついています。
食べ始めた瞬間
既に食べ終わっていたのです。
あっという間の食事。
こんな食事をするのは、ねこ姫様だけです。
それでは、もう一度見てみましょう。
口の大きさは5cm
食べ終わるまでの時間は約2秒……
小さな体で凄い食事力です。
この驚異的な食事力は
何処から生み出されているのでしょうか?
それでは、同じ私の仲間のタマと
体のバランスを比べてみます。
「えっ!? 何やねん、いきなり!
辞めてや!」
マンチカンのタマに比べると
アメショーのねこ姫様は
手足が長くガッシリしています。
「うるさいわ! ウチが短足で悪かったな!!」
反対にタマと比べると頭は小さく
バランスが取れているのがわかります。
「頭がデカくて悪かったな!!」
長い手(タマ比)を使って
おにぎりを一気に口の中に押し込みます。
小さくバランスの取れた頭(タマ比)は
食べる時、邪魔になりません。
ミケ姫様の体は
食べるのに、実に都合がよく出来ているんです。
そしてこの食べる力こそが
おにぎりをかき込むのに必要な
“卓越した技”というわけです。
「ちょっと待ってや!
みゃーこはん、さっきからなんやねん!
ウチの事を馬鹿にして!!」
あ、タマじい。
来てしまいましたか……
「誰がタマじいやねん!!
それにさっきから居るわ!!」
で、何ですか?
何もなかったら、さっさとお帰りいただきたいんですが……
「さっきから、短足や言うたり、頭がデカイ言うたり……
ウチの事馬鹿にしてんのか!!」
タマじい、良い所に気が付きましたね!
それには、実は、秘密があるんです。
「はぁ?!」
タマのその短い足は常染色体に自然発生的に現出したものなんです。
「みゃーこはん……
何言ってんのか意味わからんのやけど……」
もー、タマじい。
しっかりしてくださいよー。
つまりですね。
“突然変異ではなく、ただの短足”
そう言うわけなんです。
「なっ?! 今、聞き捨てならへん事言うたな!!」
でも、心配はないんです。
そんな短い手足でも、日常生活を送る上では、何の問題も無いんです。
「って、みゃーこはん……
さっきからウチの事、微妙に無視してるやろ!!」
それにですね!
タマは歩く時、片足をもう片足の直線上に置くんです。
その短そ……いや、短い手足から繰り出される歩きはモデルさながら!
キャットウォークを彷彿とさせる可愛い歩き方をするんです。
「それ……褒められてんのか、貶されてんのか良くわからんな……
ん? みゃーこはん何を持って……
え? “寒いギャク言って、画面から消えて”?
知らんがな、そんなん!」
…………………………
「え……本気で言わな……あかんの……?」
コクコク
「えー……猫だけに…………
キャッと驚いた…………
なんて……」
コマーシャル入りまーす。
「何やねん!! こんな所で終わるなや!
それにパロディ元、CMないやん!!」
「あれ? みゃーこ様とタマさん!
こんな所で何してるんですか?」
戯れ合っている私とタマの所に、口の周りにご飯粒をいっぱい付けたミケが現れた。
これでも一応、お姫様である。
「ううん、なんでもないよ!
タマの寒いギャク聞いて凍りついてただけだから……」
「なっ!! 言わせたのはみゃーこはんやん!!
もうウチは知らん!! 帰る!」
そう言って、タマは自分の家の方へと歩いて行った。
「? 変なタマさん……
帰るって……お祭りの中心はタマさんの家なのに……」
まぁ、ちょっと扱いが悪すぎた気もする……
タマには後で屋台のタコ焼きでも買って行ってあげよう。
「所でミケ……純白の玉は美味しかった?」
「ふぇ?! み、見てたんですか?!」
「いや……口の周りにご飯粒がいっぱい付いてるから……」
そう言いながら私は、ミケの顔からご飯粒を取って自分の口に放り込む。
まぁ、録画する勢いでバッチリ見てたけどね!
「みゃーこ様……大胆ですね……」
それを見ていたミケは少し恥ずかしそうにしている。
「とりあえず、一緒に祭りを見て回る?」
「はい! 勿論です!」
こうして私達は、猫混みに向けて歩き始めた。
私達の戦いは、これからだ!!
ー完ー
ご愛読ありがとうございました。
かなぎ先生の次回作にご期待ください。
終わりません。ごめんなさい。
一度、やってみたかっただけです。
次回更新はいつも通り、一週間以内の予定です。




