6
「ナツはさ、何の仕事してるの?」
「カフェで働いてる」
ユウタに会って三回目。
こうゆう仕事してる人って
女性に仕事の話題聞くのって御法度じゃないの?
とも思ったけど、聞かれたので答えた。
足下を見られてるのかとも疑ったけど
彼がなんだか砕けた印象で聞いてきたから
そうではないのかなって。
むしろ、前よりも距離が近くなった気がするから
そうゆうことを聞かれることもなんだか普通に感じてしまったのかもしれない。
「どんなカフェ? いや、ちょっと待って。うーん。当ててみる」
「じゃあ、当ててみてよ」
そう言うと腕を組んで考えはじめる。
私は配膳された食事をちらりとみた。
形良く着られた椎茸がなぜか目に入る。そっと箸でつまむ。
薄味なのかあまり味が良くわからなかった。
だけど、これがきっと美味しい味なんだろう。
「そうだな、きっとナツは――ゆったり座れるソファが置いてあって
ゆっくりくつろげて、白が基調な、そんなカフェで働いているイメージ」
次に里芋に箸をつけたところでユウタは満面の笑みを浮かべていた。
「うーん。おしいな。でも結構当たっているかも」
「本当?! むしろ何処が違うの?」
ユウタは一口湯飲みに口をつける。
なぜかその一つの仕草に見とれてしまった。
見た目は髪の毛は茶色くてパーマを当てて
服だってゆるい。
だけど、椅子にしゃんと背筋を伸ばして
湯飲みを片手で持つ仕草はなぜかさまになっている様に見えた。
「白が基調ってとこ、どちらかというとナチュラルカラーだから」
「えー、そんな変わらない」
「変わる変わる。色が持っている第一印象って大きいんだから」
そう言い終えた私はようやく里芋を口に運ぶ。
和食はあまり好きじゃない。
だけど、今日はなんだか懐かし味がする。
「自分の好きなことしているナツ。オレ結構好き」
いつになく優しく笑うユウタをみて胸がちくりと痛んだ。
「ユウタはどんな仕事したいの?」
「うん。オレかぁ……そうだな、ナツを満足させてあげられるような」
うまくはぐらかしたつもりなのか。
その目からは感情が読み取れない。
だけど、私もそれ以上は聞くことはせずに
目の前の料理に視線をうつす。
それで丁度良いと思った。




