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原稿が上がるまで  作者: 御園 秀吉
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7/7

おかしいですか?


ポ~ン♪


インターホンが鳴る。


「誰だろ?」


土曜日の昼下がり、


デスクに向かっていた奴が振り返る。


俺はソファーでテレビ鑑賞中だ。


奴が立ち上がりインターホンの通話ボタンを押す。


「はい?」


「しんのすけ!!」


「え? か…母さん?!」


あ~母さんね…


「なに?!」


ソファーから飛び起きた。




美魔女(?)が玄関に現れた。


「なんね? 友達がおると?」


「いや…友達っていうか…」

「俺が今受け持ってる作家先生…」


「ええ! なんでそれをはよ言わんとね!!」

「新之助がいつもお世話になってますぅ」


「あ~いや…俺の方が御世話になってるっていうか…」


見た目20代後半くらいにしか見えないが、


奴の? お母さん?


「随分お若いんですね」


引きつった笑みで聞いてみた。


「あら?! 先生お上手!!」


やばい、これは美咲と同じタイプだ。


「えと…お姉さんの間違いじゃないですよね?」


「正真正銘、新之助の母ですぅ」


奴が辛そうな表情を浮かべる。


それから新之助・母のマシンガントークが小一時間続いた。




「へぇ、じゃ夢(のぞみ)さんが19の時に?」


「そう!! 切迫早産で大変やったと!」

「しかもこの子の父親がろくでもない男でねぇ!」


俺と夢さんがビールを飲みながら話す間、奴はキッチンで黙々とつまみを作っている。


「すげぇじゃん! こんな若い母ちゃんいるって!!」


キッチンの奴は険しい表情だ。


「あら! 秀ちゃんもお母さんは『母ちゃん』呼び?」


「あ~そうっすねぇ」


「新之助もそうなのよ!」


その言葉に、顔を赤くした奴が。


「やめろよ!」


「なんでよ!『クレヨ○しんちゃん』みたいでええやない!」


だめだ!!おもしれぇ!!




夢さんはすっかり出来上がってソファで眠っている。


「良い母ちゃんじゃん」

「それにしても若すぎてビビったけどな」


奴は夢さんに毛布を掛けながら、


「おかしいかよ?」


「いや? ただ羨ましいだけだ」

「俺もこんな母ちゃん欲しかったよ…」


奴が俯きながら、


「悪い…」


「なんで謝んだよ?」


「…」




「一週間ほどおるからね」


翌朝、夢さんの言葉に呆然とした。









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