第30話 たしかな感触
僕の腕の中に雅がいた。
唇が重なる。
愛情と欲望が交錯していた。
二人でお互いを確かめ合う。
自分自身以外では初めて触れた女の子の肌は、暖かく柔らかかった。
そして、そのまま夜が明けるまで、二人で愛し合い、そのまま眠りに落ちた。
目が覚めたとき、雅は僕を見ていた。
「大好きだよ。真琴」
ストレートに言われると、いきなり顔が熱くなる。
「大好きだよ。雅」
仕返しみたいに、そう言うと、恥ずかしそうに、僕の胸に顔を埋めてきた。
「さ、今日はどうする?」
「もう少し、このままで」
「うん」
僕は雅を抱きしめる。
雅の存在を確かめるように。
日も高くなったころ、雅は起き出した。
僕も、合わせて起き上がる。
顔を洗うのかな、と思いきや、そのまま自分の部屋わ。
「はい、これ着て」
と、雅が出してきたのは、お姫様というか、実に少女っぽい洋服だった。
細かなジャムびんのイラスト模様がついた、ふわふわのスカート。
フリルがたくさんのブラウス。
顔を洗って、めかしこむ。
頭には大きなリボンをつけられた。
雅はというと、同じようなかわいらしい模様のワンピース。そこにオーバーブラウス。
「今日は、とことんおしゃれして、お昼ごはん食べるの」
それが雅の提案だった。
僕は言いなり。
言いなり上等。
地下鉄に乗って、繁華街へ。
そして、街並みを冷かしながら、一件のお店に到着した。
広いオープンテラスが目立つ、おしゃれなお店。
僕たちは、そこで綺麗に盛り付けられたフレンチトーストを美味しくいただいた。
空は青く、繁華街には人があふれ、日の光は暖かく、そしてエアコンの空気は火照った身体を冷やしてくれる。
そして、目の前に雅がいる。
そのまま、地下街へ降りて、そこを二人で歩いた。
人ごみの中、日が暮れるまで、二人で歩いた。




