4. ルーク
結局、あの声は一体何だったのでしょう。
寝かしつけられましたが、結局月が真上に登ってきているこの時間帯に再び目が覚めました。今日も月が美しいで………あれ、月?カーテンは閉められているはずでは
______やっほ~!起きたぁ?おはようー!
「(!?あなたは日中の…)」
______ふふ、正解ぃー。この時間ならぁ、邪魔は入らないでしょ~?
日中は何も見えなかったのに、今ではこの揺りかごの高さで浮かんでいる白い球体が見えます。
「(これが、あなたの本体ですか?)」
______ええ、まさかぁ!君を怖がらせないためにふわふわになっただけだよぉ。まあ、僕優しいからね!えへへ~
「(怖がらせないため…?あなたの本当の姿は怖いのですか?)」
______うーん、多分~?僕はそんなことないと思うけどぉ、見かけられる度に逃げられるんだよねぇ。ざっと300年前くらいかなぁ?
「(え、300年…ですか?)」
______うん、そうだよぉ。
少なくとも300年は生きていたもの…人ならざるものだとは何となく分かっていたのですが
「(宜しければお名前を伺っても?)」
_____名前?僕そんなの持ってないよぉ。だって持ってても呼ばれる事なんてないんだし~?
「(!…そうですか。それは失礼致しました。)」
_____…でも不便なら、皇女様が僕に付けてくれてもいいんだよぉ?
「(私が、ですか?)」
確かに呼べないのは不便ですね………あまり名付けに自信はないのですが…
どんなのがいいでしょうか?かっこいい名前…アレクサンド?いえ、少し威勢が良すぎますね。ロナード?違和感しかないですね…。名前を考えるのがこんなに難しいことだったなんて…………
「(………ルーク)」
_____ルーク?それが僕の名前~?
「(えっと…ミルクのように真っ白なので、ミルクのルクを取ってみました。…き、気に入らないのでしたら別のを考えますっ)」
______ルーク………ふふ、ううんー?僕はそれでいいよぉ。でもミルクが由来とか、やっぱり皇女様は変わってるねぇ~
「(だ、誰かに名前を付けるなんてなかったのです…!)」
______じゃあ僕が最初ぉ?
「(はい…そうですね。)」
むしろ大切な名前を私なんかが付けていいのかも気になりますが…
ルークはふわふわとその場で飛び回りながら嬉しそう?にしていました。あははっと笑い声が聞こえてきたので、嫌ではないのだろう。名付けにこんな緊張してしまうなんて、ふぅ。
「(ルーク………あれ、ルーク?)」
さっきまでそこに居たのに、いつの間にか消えていました。帰ってしまったのでしょうか。とても不思議な存在ですね…。次はいつ来てくれるのでしょう?
気づけば再び眠りにつき、歯が生え揃えて固形物を堪能する夢を見ました。ああ、幸せです……
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_______おはよ〜皇女様!よく寝れた〜??
二度寝を脳内に響く声にぱっと目を覚ませば、真上に白い物体…
_______もー!ルークでしょ!昨日名前付けてくれたじゃん〜!!
「(あ、失礼しました……じゃなくて!ルーク、脳内を読まないでくださいよ…!)」
_______えへへバレた?
朝から振り回された気分でどっと疲れが押し寄せてきました。何やら美味しい夢を見た気もしますが、ルークに全てをもっていかれて、全く覚えていません。
ノック音がして、侍女がやってきました。
「おはようございます、皇女殿下様。お着替えの方失礼します。」
着替えている間も、ルークはふらふらと私の周りを飛んでいます。こうしてみると本当に不思議ですが、一体実体はどんな姿なんでしょうか。
気になって夜も眠れませんと言いたいところですが、なにせ赤ん坊の体は本能のまま生きているので、睡魔は自然と襲ってきます。
_______ねえねえ、今日は何するのぉ〜?
「(恐らくいつも通り、エドリック様達がいらっしゃるのかと。あとは午後に庭へお散歩に行くくらいですかね…?)」
_______え〜つまんないよ!皇女様暇じゃないのぉ〜?僕寂しいから一緒に遊ぼうよぉ〜!!
何やらそのお誘いからは嫌な予感の匂いがするのは気のせいでしょうか……?
しかし、幼子のような声でおねだりをされてしまえば、少し躊躇ってしまいます…っ。300年も生きていると言うのに、おねだりにあざとさを含むとはなかなかですね。いえ、むしろ300年も生きてきたからこそ、人の懐に入るのが得意のでしょうか?
_______ねえねぇお願いだよ〜!!僕と遊ぼうよ〜!!
「(はぁ……ちなみに、お遊びといっても、何をして遊ぶおつもりですか?)」
_______うーん………ふふん!思いついたぁ〜!!かくれんぼしよ!!!
とてつもなくいい笑顔を浮かべたように、白い物体は一段と輝かしさを増した気がしました。
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