潜入
>>見た目をさらに若くして手配書の年齢とかけ離れるようにする
「ルンデンの街か……。ようやくですね。……でも、もし門兵が厳しい目つきでこちらを見ていたら、私、また怖くなって震えてしまうかもしれませんわ」
あなたは少し上目遣いに商人と兵士を交互に見つめ、わざとらしく怯える演技を強調します。そして、馬車の揺れに紛れて、静かに魔力を練り上げました。手配書の「冷酷な王女」というイメージを、さらに遠いものに変えるために。
判定:[幻影投射](変装の強化)
ダイスロール:19
補正:[直感] +1
合計:20(大成功!)
あなたの幻影魔法は、極めて緻密に機能しました。
単に幼く見せるだけでなく、顔の輪郭をわずかに丸くし、瞳の色をあえて退屈な土色に変化させ、誰の目にも「高貴な王女」とは結びつかない、「どこにでもいる少しばかり栄養状態の悪い村の娘」へと変身させたのです。
手配書の凛とした顔立ちなど、今のあなたのどこにも残っていません。
馬車が門に近づくと、武装した門兵が槍を突き出し、制止を求めました。
「止まれ! ルンデンへ入る者は荷の確認と身分証の提示だ! ……それに、今はこの辺りに不審な娘が出没しているという通達が出ている。念入りに調べるぞ!」
商人が「おっと、すまないね」と苦笑いしながら、あなたを優しく背中から押しました。
「門兵さん、こいつは親戚の遠い娘でね。山の中で迷子になっていたところを拾ったんだ。見ての通り、ただの怖がりな小娘さ。身分証なんて持ってやしないよ」
門兵は疑り深い目であなたを凝視します。あなたは怯えた小動物のように、商人の背中に隠れながら、わざとらしく少しだけ涙目になって彼を見返しました。
「……こ、怖い……お家へ帰りたいだけなのに……」
門兵はあなたの顔をまじまじと見つめ、鼻で笑いました。
「……なんだ、本当にただのガキか。手配書の王女とは似ても似つかないな。おい、さっさと通れ。足止めするなよ」
「(ふふ……チョロいものですわね。これなら、兄様が私のために用意したお城の入り口も、随分と通り抜けやすそうですこと)」
商人は広場であなたを降ろすと、慈悲深い表情で銀貨を数枚、あなたの手に握らせました。
「お嬢さん、これを持っていくといい。宿を探すなり、親御さんを探すなりするんだ。……あまり道には迷っちゃいけないよ」
さて、あなたは今、ルンデンの街の中にいます。
>>「影に心を売った魔術師」と言われるのなら幻影魔法と同系統の影魔法を習得する
「『影に心を売った魔術師』ですって?……あら、買い叩かれたものですわね。せいぜい、影を『支配する支配者』くらいに格上げしていただきたいものですわ」
商人に別れを告げたあなたは、人の往来が激しい大通りを避け、迷路のように入り組んだ路地裏へと滑り込みました。影の濃い場所を渡り歩き、街の喧騒から隔絶された古びた安宿の一室を確保します。
鍵をかけ、明かりを消すと、部屋の中は夜の帳が降りたかのような暗闇に包まれました。
「さて、噂が実体になるためのレッスンを開始しましょうか。影は隠れるための場所ではなく、私の領土……」
あなたは全神経を指先の闇に集中させます。これまではただ「気配を消す」ためだけに使っていた影の力を、今度は「内側へ干渉する」ための術式へと再構成するのです。
判定:[影魔法]の習得・影潜りの試行
ダイスロール:20
補正:[直感] +1
合計:21(大成功!)
大成功です。あなたの魔力が影に触れた瞬間、それは抵抗することなく、あなたの肌を飲み込む温かな液体のように変貌しました。
まるで静かな池に飛び込むかのように、あなたは自らの影の中へと沈み込みました。そこは異空間ではありません。影と影が繋がる、世界から隔絶された静寂の回廊です。
「……あら。これは、実に素晴らしい。兄様の軍勢がどれほど広く街を囲い込もうと、この『影の回廊』さえあれば、彼らの鼻先を通り抜けることなど造作もないことですわね」
あなたは影の中に身を置きながら、部屋の端から端へ、壁の影を伝って一瞬で移動してみせました。影魔法と幻影魔法のシナジーは完璧です。影の中で姿を消し、壁の影から幻影を投影すれば、あなたはまさに「実体のない悪霊」として振る舞うことができます。
スキル:[影潜り]を習得
これで、ルンデンの街はあなたの狩り場となりました。この街にも、あなたの名前を売ろうとしている賞金稼ぎや、王都から派遣された監視役がいるはずです。
「さて、まずはこの街の『お掃除』から始めましょうか。兄様、あなたの手配書に記された『大罪人』は、今夜からこの街の影の中に住まうことになりましたよ」
今夜、この街で何かしらの行動を起こしますか?
>>[影潜り]で街の役所や宿場町に忍び込み、王都からの機密文書や兄の動向が書かれた書簡を盗み出す。(判定:潜入・隠密)
>>ついでに自分の影の中に部屋と食料貯蔵庫を作り情報と一緒に食料もいただく。
「ふふ、一般の方々の糧を奪うのは趣味が悪すぎますわ。それに、彼らの胃袋を満たすために私の貴重な影のスペースを空けておく道理もありません。……狙うべきは、民の血税を掠め取っている『太った豚』たちの備蓄庫ですわね」
あなたは影の回廊へと深く沈み込みます。この広大な影の網目は、街中の貴族の邸宅や、権力者の豪邸に繋がる「裏道」です。あなたはルンデンの街でも特に豪華な、王都の出先機関である代官の屋敷に標的を定めました。
判定:[影潜り]&[影の領土構築]
ダイスロール:12
補正:[直感] +1
合計:13(判定:成功)
代官の屋敷、その地下にある厳重な貯蔵庫。そこには王都から送られてきたばかりの最高級のワイン、保存食の肉、そして何より――兄アルヴィスのサインが記された、王都への報告書が眠っていました。
あなたは影を操作し、その空間の一部を「自分の影」の内部へと引きずり込み、ポケットサイズのような異空間倉庫を構築しました。
「……素晴らしい。これなら、どんな過酷な追放劇も、ピクニック気分で過ごせそうですわね」
あなたは必要な食料を詰め込み、さらに報告書の内容を影の中で読み解きます。
【入手した情報】
兄の動向:アルヴィスは現在、あなたの「亡骸」をまだ確認できていないため、神経を尖らせている。
次なる策:兄は「スフィアが隣国と結託して反乱を企てた」という偽の証拠を捏造するため、ルンデンの街にいる協力者(街の有力な商人)に工作を命じている。
協力者の名:商人「バルド」。彼が明日、王都の使者と密会する予定。
「あら、ご丁寧に計画書まで。……お兄様、私の人生を物語にするなら、もう少しひねりのあるプロットにしていただかないと。退屈で欠伸が出てしまいますわ」
あなたは影の中に身を潜めたまま、窓の外を眺めます。代官たちはまだ、自分たちの備蓄庫が「影」に喰われたことにも気づいていません。




