エピソード59 これは勝利だったのか
役所の扉は
すぐには開かなかった
その向こうには
もう人々が立っていた
群衆ではなかった
群衆は叫び
押し合い
一つの体になろうとする
そこにあったのは
一つ一つの顔だった
古い柱のそばには
子供を連れた女がいた
掌に包帯を巻いた二人の荷運び人
空の籠を抱えたパン屋の少年
壁際には三人の老人がいて
扉ではなく
その下に落ちる影を見ていた
人々が待っていたのは
命令ではなかった
もう一度息をしてもよいと思える
そのための言葉を待っていた
最初に出てきたのはショーンゴだった
先頭に立ちたかったからではない
どうせ全員が
彼を見るからだった
右手首は冷たかった
指は庭にいた時より動いたが
まだ完全ではなかった
彼は手を握りしめなかった
サルマがその隣へ出た
腰の鍵は
もう隠されていなかった
ランゼは少し後ろ
左側に立った
盾は下げていたが
しまってはいなかった
ケルトが二人に続いて出てきた
紙を両手で持っていた
インクはまだ
完全には乾いていなかった
最初の一行は汚れていた
だが隠されず
だからこそ
全員の目に入った
ケルトの肩の後ろには
エンナが立っていた
ケルトには触れていなかった
だが町の視線の前で
彼が一人にならないほど近かった
ミルサは階段のそばで止まった
前掛けには小麦粉と埃
そしてラデムの手からついた
黒い染みが残っていた
着替えには行かなかった
リオルは階段の端に座っていた
掌を耳のそばに当てていたが
今回は荷車を
聞いていたのではない
人々を聞いていた
ヴェイラは
すぐには出てこなかった
役所の扉の内側に立っていた
広場が見えるように
そして広場からも
彼女が見えるように
その隣には
二人の捕虜が立っていた
手はまだ縛られていた
だが足は
もう縛られていなかった
人々は顔より先に
それに気づいた
広場の人々のあいだに
静かな揺れが走った
叫びではない
逃げでもない
門のそばで起きたものと同じ
肩の震えだった
ただ今度は
荷車への恐怖からではなかった
敵を
自分たちが望むよりも近くに
立たせていることへの震えだった
- なぜそいつらがここにいる
広場の右側から
誰かが尋ねた
男の声だった
怒ってはいなかった
まだ
サルマが顔を向けた
- 生きている人間の方が
- 死んだ者よりよく話すからよ
- そいつらはヴェイラを連れていきに来た
壁際の老婆が言った
ヴェイラは目を逸らさなかった
捕虜の一人は頭を下げた
もう一人は
何かを言おうとした
だが言わなかった
ショーンゴはケルトを見た
ケルトは息を飲んだ
それから紙を少し高く上げた
手は震えていた
それでも声は
自分が思っていたより
平らに出た
- 荷車は証人を連れ去るはずだった
広場はさらに静かになった
ケルトは続きを読んだ
- 証人でなければ
- 証拠を
言葉は大きくなかった
だが人々には聞こえた
誰もがすでに
荷車を見ていたからだ
そして証拠になりうるものが
インクと紙だけではないと
理解していたからだ
証拠は人間にもなりえた
声
記憶
車輪を握っていた指
空の籠を抱えた少年が
一歩下がった
- つまり
- 彼女なしで戻るはずだったんだ
彼はヴェイラを見た
それから捕虜たちを見た
- 彼女を連れて戻れないなら
- 記録なしで
- そうです
エンナが言った
彼女は答えを飾らなかった
そのため広場は
叫びよりも強く震えた
ミルサが階段を一段下りた
- 泥に落ちたパンは
- 目を閉じてもきれいにはならないわ
サルマが短く彼女を見た
ミルサは肩をすくめた
- 単純なことを聞かれたのよ
- だから単純に答えた
デランは広場の端に立っていた
硬貨が指のあいだで
ゆっくり回っていた
今回は冗談を言っていなかった
彼を少しでも知る者たちは
それに気づいた
- もし荷車が
- 別の誰かを迎えに来たら
子供を連れた女が尋ねた
子供は
彼女のスカートの後ろに隠れた
- 私を
彼女はサルマを見た
- この子を
女の指が
子供の頭に触れた
広場は答えを待った
サルマは
いいえと言うこともできた
人々が望んでいたのは
まさにそれだった
いいえ
来ない
できない
もう二度と起きない
彼女はそう言わなかった
- その時は
- その荷車が門の前に立つまで待たない
女は唇を噛んだ
それは
聞きたかった答えではなかった
それでも
その答えなら
共に生きていくことができた
ランゼが半歩前へ出た
盾の下端が石に触れた
- 東門には二人立つ
彼が言った
- 一人ではない
サルマは彼を見た
ランゼは目を逸らさなかった
- そして俺だけでもない
広場で誰かが
ゆっくりと背を伸ばした
包帯を巻いた荷運び人の一人が
手を上げた
- 夜の後半なら立てる
もう一人が
肩で彼を小突いた
- お前は寝る
- なら殴れ
- 俺が喜びそうなことを約束するな
数人から短い笑いが漏れた
楽しい笑いではなかった
だが生きていた
ショーンゴは聞いていた
彼らを止めなかった
恐怖の下で笑える町は
まだ死んでいない
ラデムは最後に
役所から出てきた
手にはミルサの布が巻かれていた
彼はそれを胸元に抱え
傷よりも包帯の方に
腹を立てているように見えた
壁際の老人たちは
すぐに彼を見た
そのうちの一人が尋ねた
- それで
- あの糸は何だ
ラデムは足を止めた
彼の目は自然と
荷車が残された
庭の扉を探した
- 倉庫のものではない
- 町のものでもない
彼が言った
- 普通の街道を走る荷車に
- 使うものでもない
- 誰のものだ
右側の男が尋ねた
エンナは
もう口を開きかけていた
だがラデム自身が
包帯を巻いた手を上げた
- 分からない
彼はそれを
全員に聞こえる声で言った
- 分かるのは
- あれが東へ戻ろうとしていなかったことだけです
デランは
硬貨を回すのをやめた
サルマが言った
- 記録にあるのは
- 南という方向だけよ
広場が凍りついた
その言葉は短かった
だが荷車よりも重くなった
- ヴェルシャイン
誰かが囁いた
エンナが鋭く顔を向けた
- 記録にその名はありません
その声は
命令よりも早く広場を打った
囁いた者は半歩下がった
エンナはゆっくり息を吸った
- 証拠はありません
彼女は今度は低く言った
- あるのは方向です
- 南です
- そして
- そこから見ていた誰かがいる
リオルが顔を上げた
- 目はありました
人々は彼の方を向いた
リオルは
大勢に一度に見られるのが
好きではなかった
階段へ目を落とした
- 斜面に
- 道のそばではありません
- 見たの
サルマが尋ねた
- いいえ
リオルは
耳のそばで指を握った
- でも
- さっきまで何かがいた場所が
- 空になりました
その説明で
人々の気持ちは軽くならなかった
だが何が起きたのかは
はっきりした
広場の南端近くで
誰かが鎧戸を閉めた
あまりにも大きな音だった
全員に聞こえた
女のそばの子供が尋ねた
- じゃあ南も敵なの
誰もすぐには答えなかった
それでよかった
ここでの簡単な答えは
嘘になったからだ
ショーンゴは子供を見た
それから女を
そして全員を見た
- 南は見ている
彼が言った
- 東は手を伸ばしている
彼は庭の扉を見た
- レヴェンガルドは長く黙らない
広場は聞いていた
- 見ている者は
- まだ友ではない
- 手を伸ばしている者は
- すでにその手を見せた
- そして黙っている者は
- そのどちらよりも危険かもしれない
サルマは
少しだけ彼へ顔を向けた
それは
恐怖を煽るための宣言ではなかった
絵のない地図だった
三つの動き
三つの危険
そして
そのあいだにある町
捕虜の一人が突然顔を上げた
- あなたたちは道を守り切れない
捕虜の横に立っていたレルタが
ナイフの柄に手を置いた
捕虜は急いで付け加えた
- 脅しているんじゃない
声が裏返った
- ただ
- 道の向こうがどう動くかを言っている
サルマが手を上げ
レルタを止めた
- 話しなさい
捕虜は人々を見た
ショーンゴの前よりも
広場の前に立つことを恐れていた
- 道から来るのは
- 一度きりじゃない
- 荷車が戻らなければ
- 向こうで誰かが待つ
- 待たされた者は
- 次に門の前で尋ねたりしない者を送る
広場に再び動きが走った
今度は
人々は下がらなかった
彼らは互いを見始めた
窓を
路地を
パン屋の屋根を
倉庫の古い階段を
今や恐怖には
言葉だけではなく
見張りを置ける場所があった
ショーンゴはそれに気づいた
そして邪魔しなかった
場所のない恐怖は霧になる
場所があれば
監視の下に置ける
セイガは
役所の屋根の端に立っていた
今はもう全員に見えていた
隠れてはいなかった
ただ路地を見るのに
都合のよい場所にいただけだった
- 屋根だ
彼が言った
サルマが顔を上げた
- 屋根が何
- 門から来ないなら
- まず屋根を見ろ
彼は南側の家並みを手で示した
- それと空の窓だ
ランゼも同じ方を見た
- 上にも人を置く
デランがようやく笑った
- 俺を屋根に立たせるなよ
- どうして
ミルサが尋ねた
- 落ちたら
- お前は俺を焼き足りないと言うだろ
- 違う
ミルサは真面目な顔で彼を見た
- 近づく前に落ちたと言うわ
今度の笑いは
少しだけ強かった
そして短かった
恐怖に勝ったわけではない
だが恐怖を
広場で唯一の声ではなくした
ヴェイラが前へ出た
捕虜たちは
彼女の後ろに立っていた
その並びは
人々の視線を切り裂いた
老いた証人
そして彼女を
連れ去りに来た者たち
ほとんど同じ線の上にいた
- 彼らは車輪を握っていた
ヴェイラが言った
- そうだ
誰かが人々の中から答えた
- だからそいつらを
- あの車輪のそばに吊るすべきだ
二人目の捕虜が青ざめた
一人目は顔を上げなかった
ヴェイラは
頭巾の端を握りしめた
- 今ここで吊るせば
- 道はそれまで奪っていく
- それって何
壁際の老婆が尋ねた
- 誰が彼らの手を動かしていたのかを
- 言わせる権利
広場は静かになった
大きな言葉ではなかった
伝説のための言葉でもなかった
ただ老いた女が
自分でも恐れていたことを
口にしただけだった
ミルサはゆっくり頷いた
- 死んだ罪人は都合がいい
サルマは捕虜たちを見た
- 生きた罪人の方が役に立つ
デランが低く付け加えた
- それに声も大きい
サルマは彼を止めなかった
ショーンゴは
二人の捕虜を見た
- お前たちは自由ではない
彼が言った
- 客でもない
一人目の捕虜が目を上げた
- だが話している間は
- お前たちは車輪ではない
広場はそれを聞いた
全員が受け入れたわけではない
だが聞いた
ランゼが
サルマへ少し顔を傾けた
- どこに置く
- 役所の地下の部屋
- 扉が頼りない
- なら扉の前に
- あなたの盾が立つ
ランゼは頷いた
サルマはデランを見た
- それと彼の舌も
デランは
自分の胸を指で示した
- 俺は錠前に昇格したのか
- 鐘よ
サルマが言った
- 何か聞こえたら叫びなさい
- 何も聞こえなかったら
- 黙っていなさい
ミルサが鼻を鳴らした
- ようやく町に秩序ができたわね
パン屋の方から
先ほどの少年が
空の籠を抱えて走ってきた
- ミルサ
彼は息を切らしていた
- みんなが
- 今日パンはあるのかって聞いてる
ミルサは彼を見た
それから広場を見た
それからショーンゴを見た
- あるわ
彼女は言った
ただそれだけを
それまでよりも大きな声で
- 今日町が食べなければ
- 明日は恐怖の声だけを聞くことになる
彼女は少年へ向き直った
- かまどに火を入れて
- 小麦粉は二つ目の袋から
- 裏口のそばにあるものは使わない
少年は頷いて走った
サルマはその背中を見送った
- なぜそれは駄目なの
ミルサは
前掛けで手を拭った
- ここまであった後で
- 扉のそばの袋を信じる気にはならないからよ
リオルが顔を上げた
- そこは静かです
- ならちょうどいい
ミルサが言った
- 静かなものから先に確かめるわ
ショーンゴは一瞬目を閉じた
疲れのためではない
町が自分から
正しい小さな動きを
始めたからだった
一つの命令を待たず
彼だけを見ようとせず
サルマが手を上げた
- 聞きなさい
広場は
彼女の声の周りに集まった
- 夕方まで
- 誰も一人で東の道へ出ない
- よその荷車は
- 調べなしに入れない
- 役所の記録は
- 二つの部屋へ分けて移す
- 門には二重の番を置く
- 屋根には目を置く
彼女は
ショーンゴへ視線を移した
許可を求めたのではない
自分の決定を
彼が別の力で
覆さないか確かめたのだ
ショーンゴは頷いた
人々はそれを見た
だからその命令は
サルマだけの命令ではなくなった
ラリオンの規則になった
- 捕虜は
右側の男が尋ねた
サルマが答えた
- 生かす
- 話している間は
- 嘘をつかない間は
- 町が別の決定をするまでは
それは厳しかった
だが盲目ではなかった
一人目の捕虜は頭を下げた
二人目は静かに息を吐いた
ヴェイラは
彼らから半歩離れた
恐怖からではない
境界のためだった
彼女は彼らのために
十分に言った
ここから先は
彼ら自身が
話さなければならなかった
ケルトは自分の紙を見た
それから広場を見た
- これも記録しますか
彼はエンナに尋ねた
- はい
彼女が言った
- でも
- すべてをそのまま書く必要はありません
ケルトは眉を寄せた
- 何を
- そのまま書かないんですか
エンナは人々を見た
パンの籠を
盾を
捕虜たちを
荷車のある庭へ続く扉を
- 人々が恐れていることを
- 弱さとして記録する必要はありません
ケルトはゆっくり頷いた
- では何として
エンナはすぐには答えなかった
- 見張りを置く理由として
ケルトは記録した
ペンはもう
それほど強く震えていなかった
屋根の上のセイガが
突然手を上げた
ランゼはすぐに盾を向けた
レルタは
捕虜たちのそばで身を沈めた
サルマは
言葉の途中で止まった
ショーンゴは
セイガが見ている場所ではなく
反対側の路地を見た
一瞬
何も起きなかった
それから
二つの家のあいだにある細い影から
一人の少年が飛び出した
小柄で
泥に汚れていた
唇が切れていた
手には
暗い染みのついた布切れを
握っていた
彼が走っていた先は
ショーンゴではなかった
サルマでもなかった
ミルサだった
- あそこ
彼は息を吐いた
そして
階段の前で膝をついた
ミルサが肩を支えた
- どこ
少年は北の路地を指した
東ではない
南でもない
北だった
- 古い井戸のそば
彼は息を飲んだ
- 誰かに言われた
- 町はもう
- 道だけを見ているのかって
広場から叫びは上がらなかった
ただ凍りついた
今や恐怖には
さらに一つ
場所が増えたからだった
予想していた場所ではない
ショーンゴは
ゆっくり右手を下ろした
指は冷たかった
だが動いた
- ランゼ
- 一緒に行く
命令の前に
ランゼが言った
サルマはデランへ向いた
- 鐘
デランはもう走っていた
ケルトは紙を胸に抱きしめた
エンナは彼の前に立った
セイガは
屋根の上を最初に動いた
レルタは捕虜たちを
壁へ近づけた
ミルサは少年を支えていた
ヴェイラは
最悪のことを
今理解したかのように
北の路地を見ていた
荷車は終わりではなかった
試しだった
ラリオンが
最初の脅威が来た場所だけを
見続けるのかどうかを確かめるための
そして町が
東と南を見ることを学んでいるあいだに
誰かがすでに
北へ触れていた




