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エピソード56 新しい国境の最初の結び目

ここから新しい章に入ります


ラリオンという名を得た町が

外の世界にどう見られ

どう試されていくのか


物語はここから少しずつ

町の外へ広がっていきます

ラリオンが生まれた朝は

安堵を運んではこなかった


ただ夜を奪っただけだった


太陽は屋根の上へ昇った


まるで町が名を変えていないかのように


同じ狭い通り


同じ木の扉


同じ下の路地へ続く濡れた石


昨日まで本を恐れていた同じ人々が

今日は道を恐れていた


だが役所前の広場は

もう古いオルヴェンの広場ではなかった


中央には長い机が置かれていた


その上には四つの束があった


告白


知らせ


証言


そして嘘をつかされるかもしれない者たちの名


そのあいだには

空いた隙間が残されていた


エンナが自分で木の上に指を走らせ

束と束のあいだの境界をもう一度確かめた


言葉は今

便利な場所に置かれているのではなかった


証人なしには混ざれない場所に置かれていた


ケルトは机のそばに座っていた


彼の前には三本のペンが置かれていた


証言のための一本


訂正のための一本


そして三本目は

町の新しい名を書いた

あの一本だった


そのペンは今

インク皿から離して置かれていた


そのそばには

余白の多い紙が置かれていた


そこには一つの言葉だけが書かれていた


ラリオン


サルマはその紙を長くは持たなかった


高く掲げなかった


旗のように見せもしなかった


聖なるもののように胸へ押し当てもしなかった


ただその言葉を見ていた


それがまだ

どの扉を開くのか知らない鍵になったように


それから彼女は紙を折り

ランゼへ差し出した


ランゼは役所の階段のそばに立っていた


盾は下げていたが

盾の端は石に触れていた


攻めるための立ち方ではない


誰かが自分を通って進もうとするのを待つ時の立ち方だった


ランゼは何も聞かずに紙を受け取った


彼は盾を上げ

折られた紙を内側の革紐に押し込んだ


ラリオンは本の中に入らなかった


机の上でもなかった


書記の手の中でもなかった


盾の下に入った


デランはパン屋へ続く路地のそばに立っていた


そこからはもう声が届いていた


誰かが最初に話したがっていた


誰かが

最初に話すべきなのは年長者だと叫んでいた


誰かが

年長者こそ一番長く黙っていたと返していた


デランは空のポケットに手を入れていた


そこに硬貨はなかった


そのせいで彼は

自分の癖の半分を失ったように見えた


- 真実を話す権利をめぐって殴り合うなら

- それはかなりラリオンらしいな


レルタは机のそばに立ち

暗い布を持っていた


その布の中には

染工場の布紐が入っていた


彼女は人々にそれを長く見せなかった


証拠を恥じていたからではない


町がまだ

目をまっすぐ保つ方法を学んでいないなら

証拠はすぐ見世物になるからだった


リオルは古い井戸のそばの低い石に座っていた


目は半分閉じられていた


彼は人々を聞いていなかった


人が多すぎた


彼は広場を聞いていた


新しい名が町を通る時

まだ石を引っかいているかどうかを聞いていた


セイガは階段の右側に立っていた


背を壁につけていた


そこからなら机も

門も

ショーンゴも

東の道も

二つの倉庫のあいだの細い通路も見えた


少し視線をずらせば

広場の南端も見えた


彼は警戒しているようには見えなかった


整っていた


次の間違いがどこから来るのか

もう知っている人間のように


ショーンゴは東門の前に立っていた


階段の上ではない


机のそばでもない


広場の中心でもない


彼は

世界が新しい名へ初めて答える場所に立っていた


門は半分閉じられていた


包囲に備えるようにではない


まだ町の中へ入る権利を与えられていない言葉へ

向けられているように


若い衛兵が門から駆けてきて

ショーンゴの三歩手前で止まった


彼は膝をつかなかった


朝の命令のあと

人々はまだ

ショーンゴの前でどう立てばいいのか分かっていなかった


だが

膝が最初に落ちてはならないことは

もう知っていた


- 古い石のそばに印があります


サルマがゆっくり顔を向けた


- どんな


- 灰色の結び目です


広場は爆発しなかった


人々はもう

爆発することに疲れていた


だがざわめきは低くなった


まるで一つひとつの声が

自分が答えにならないよう抑えているように


ケルトはペンを置いた


エンナはラリオンと書かれた紙から手を離した


リオルは目を開けた


ショーンゴはすぐには話さなかった


彼は門の向こうを見ていた


古いオルヴェンから外へ伸びていたはずの道が

新しいラリオンへ

許可なく戻ろうとしているように見えた


- 誰か触れたか


衛兵は首を振った


- いいえ


- 誰が見た


- 私と

- 門のそばの家の老婆です


サルマが彼へ一歩近づいた


- ここへ連れてこない


- 門へ


- 二人目の証人は

- 見た場所に立たせる


衛兵は頷いて走り戻った


ショーンゴはエンナを見た


- お前が行く


エンナはもう別の紙を手に取っていた


- はい


- ケルト


ケルトは立ち上がった


証言用のペンへ手を伸ばしかけ

途中で止まり

別のものを取った


ラリオンを書いたペンではなかった


エンナはそれに気づいた


そしてこの朝初めて

彼を直さなかった


ランゼは右へ一歩進み

広場から門へ向かう道を覆った


セイガは音もなく壁から離れた


レルタは机の左を回った


リオルはゆっくり立ち上がった


歩き出す前に

井戸の石に二本の指で触れた


- 町はまだ聞いている


ケルトが振り返った


- 何を


リオルは視線を東門へ流した


- 私たちが自分から

- 古い答えを迎えに行くかどうかを


古い石は門から二十歩先に立っていた


道の左側だった


昔はそこに短い道標を残した


傷


結び目


町へ入る時間のない者たちのための印


今はその根元に

灰色の結び目が置かれていた


一見すると普通だった


縄が三巻き


一つは締められた端


短い尻尾が一つ

道の方へ向いていた


だがその周囲の埃は

汚れのない円になっていた


風は縄を避けて流れていた


石の影は地面に落ちていたが

結び目には触れていなかった


門のそばの老婆は

道の上ではなく

壁に近い場所に立っていた


背は低く

痩せていて

黒い髪に白い一房があった


片手で頭巾の端を握っていた


もう片方の手は胸に押し当てられていた


見知らぬ印が

それでも自分の指を見つけるのではないかと恐れているように


エンナは結び目から五歩離れて止まった


ケルトは彼女の少し後ろに立った


ランゼは右側

結び目と門のあいだに立った


レルタは左へずれ

道沿いの浅い溝に近づいた


リオルはショーンゴの後ろに残ったが

人々のそばではなかった


門の石に近い場所だった


セイガは結び目を見ていなかった


古い石の向こうの茂みを見ていた


埃に残った車輪の跡を


壊れた道標の下の細い影を


近くの倉庫の屋根に止まっていて

なぜか飛ばない二羽の鳥を


ショーンゴは全員の前で止まった


近すぎない位置だった


彼の影が

縄の周りの汚れのない円に触れない場所だった


- これは手紙ではありません


エンナが言った


- 印章でもありません


ケルトはペンを構えた


エンナが手を上げた


- まだです


結び目がかすかに動いた


風のせいではなかった


その瞬間

風は止まっていた


リオルが首を傾けた


- 目を待っていない


ショーンゴは縄から視線を逸らさなかった


- 何を待っている


- 手です


壁のそばの老婆が頭巾をさらに強く握った


- 私は触っていません


エンナは彼女へ向いた


- 正しい判断です


老婆は安心しなかった


正しい行いは

新しい町ではまだ安全に響かなかった


セイガが手を上げた


ランゼはすぐに盾をずらした


古い石の右の茂みから影が落ちた


最初は本当に影だった


それから

灰色の旅装の男がそこから出てきた


紋章はない


職務の印もない


言葉で掴める色もない


彼の両手は上がっていた


- 私は道の証人です


エンナは答えなかった


ケルトがほとんどペンを動かしかけた


彼女はその手を下ろさせた


二人目の男が

左の溝から現れた


背は低く


幅広い


袖は埃に汚れていたが

靴は長く道を歩いた者にしては清潔すぎた


彼はショーンゴへ向かっていなかった


結び目へでもなかった


壁のそばの老婆へ向かっていた


レルタが最初に間に合った


彼女はナイフを抜かなかった


柄で男の手首を跳ね上げ

肩を下へねじ伏せた


男は膝をついた


袖から

細い紐のついた短い木の鉤が飛び出した


鉤は老婆の足元の石に当たった


老婆は悲鳴を上げたが

手は伸ばさなかった


茂みのそばの灰色の男が結び目へ飛び出した


セイガはすでにそこにいた


男の二歩目が通るはずの場所に


正面ではない


横でもない


体が支えを求める

まさにその場所だった


セイガは靴先で小石をずらした


男はつまずいた


ランゼは一歩踏み出し

男と結び目のあいだに盾を置いた


体が盾にぶつかる音は乾いていた


栄光もない


戦いもない


見知らぬ手が縄に届こうとした

ただの失敗だった


- 生かせ


ショーンゴが言った


レルタはもう一人目を押さえていた


セイガは二人目を

壊れた道標へ肘で押しつけていた


ケルトは息を飲んだ


- 彼らは結び目に触れようとした


- 違います


エンナは灰色の結び目を見ていた


- 彼らは

- 彼女に触れさせようとしたんです


老婆は青ざめた


リオルは片耳を覆った


- 結び目が証人という言葉を聞いた


ランゼの盾の下で

灰色の男が笑った


長くはなかった


盾の端が彼の胸へ落ちたからだ


肋骨は折らなかった


ただ呼吸にも境界があることを思い出させた


- オルヴェンにはまだ証人がいる


男は言った


灰色の結び目が震えた


縄のそばの埃が

細い線となって持ち上がった


地面に最初の線が浮かび上がった


オ


エンナが鋭く言った


- 続きを書かせないで


ケルトは半歩下がった


ショーンゴは右手を上げた


結び目へではない


言葉と地面のあいだの空間へ


理由は単純だった


彼が最初に古い名を言ったわけではない


町が答えたわけでもない


証人が触れたわけでもない


見知らぬ声が

手を待っていた場所へ古い名を投げた


そして結び目は

それを答えにしようとした


ショーンゴは縄に境界を置いたのではない


発された言葉と

記録になる権利のあいだに置いた


空気が下へ落ちた


強くはない


だが門のそばにいた全員が

それを膝で感じた


足元の石が重くなった


道の音が鈍った


東そのものが

一瞬だけ地面へ掌で押さえつけられたようだった


埃の線は止まった


オはオルヴェンにはならなかった


オは欠片のまま残った


ショーンゴはゆっくり指を曲げた


右手の親指が一瞬

言うことを聞かなかった


セイガはそれを見た


初めてではなかった


そしてまた何も言わなかった


- その名はここで答えない


ショーンゴが言った


結び目が跳ねた


縄が震えた


まるでとても遠い場所から引かれているように


盾の下の灰色の男が息を吐いた


- あなたたちはもう答えた


ショーンゴは彼を見た


- いいや


彼は一歩近づいた


影は結び目に触れなかった


汚れのない地面の円の

指一本手前で止まった


- 古い名を持ってきたのはお前だ


灰色の男は黙った


- それを空白へ投げ込んだのもお前だ


結び目はさらに強く跳ねた


- 見知らぬ手を

- 町の答えにしようとしたのもお前だ


縄の一巻きが裂けた


ほどけはしなかった


ただ内側にある細い黒い糸を見せた


エンナが鋭く息を吸った


- 灰色じゃない


レルタが二人目の男をさらに低く押さえた


- 中は黒い


ケルトはようやく記録した


手は震えていたが

行は崩れなかった


セイガは道標のそばの男へ身を寄せた


- 誰に送られた


男は歯を食いしばった


セイガは殴らなかった


彼の手首を取り

袖の下の細い皮膚が全員に見えるようにひねった


そこには古い縄の跡があった


レヴェンガルドの印ではない


紋章でもない


つい最近まで印があって

それを外した場所だった


- 色はない


セイガが言った


- だが手がないわけではない


近くの倉庫の屋根から

鳥の一羽が落ちた


飛んだのではない


落ちた


最初に顔を上げたのはセイガだった


- 屋根


レルタはすでに

捕らえた男の肩から片手を離し

短いナイフを投げていた


人へではない


屋根の端から垂れる縄へ


縄が切れた


煙突の後ろから

小さな土器が転がり出た


それは屋根瓦に落ちて割れた


青みがかった煙が屋根を滑った


上へではない


下へ


門へ向かって


ランゼが盾を上げた


- 下がれ


ケルトは紙を胸に抱えた


エンナは壁へ下がったが

走らなかった


門のそばの老婆は凍りついた


リオルは歯を食いしばった


- 吸うな


煙は結び目のそばの汚れのない円へ這っていった


鋭い匂いはなかった


それこそが悪かった


レルタはもう倉庫の階段へ走っていた


セイガは反対側から動いた


彼女を追ったのではない


遮るために


屋根から三人目の影が飛び降りた


細い体だった


短い灰色の外套をまとっていた


顔は布で覆われていた


手にはもう一つの土器があった


ランゼは結び目から離れられなかった


レルタは遠い


セイガは最初の一歩には間に合わない


ショーンゴは掌を返した


右の指はまだ完全には動かなかった


だから空間を押さなかった


広い境界は置かなかった


彼はもっと小さくした


土器と落下のあいだに

短い禁止を置いた


印は光らなかった


輪も外へ出なかった


だが襲撃者の手の下の空気が重くなった


土器が落ちた


そして襲撃者の膝のそばで

一瞬止まった


その一瞬で十分だった


セイガが襲撃者の脇へ肩からぶつかった


相手は倉庫の壁に叩きつけられた


土器は埃の上に落ち

割れなかった


ショーンゴは手を下ろした


今度は指だけではなかった


右の掌全体が痺れていた


まるで短いあいだ

他人の石へ預けられ

完全には戻されなかったように


レルタは屋根へたどり着き

煙突の後ろに消えた


一瞬後

鈍い音がした


次にもう一つ


その後

体が屋根の端まで転がり

腹を下にして引っかかった


レルタはその上に身をかがめた


- 生きている


- 煙です


エンナが言った


リオルは顔の前で手を動かした


- 肺のためじゃない


- 何のためだ


- 誰かを咳き込ませるため


ケルトが青ざめた


- 声


エンナが頷いた


- 私たちの誰かに

- 結び目のそばで古い名か命令を言わせたかったんです


サルマは古い石のそばにはいなかった


だが一行が三人の捕虜を連れて門へ戻ると

彼女はすでに門の内側に立っていた


人を待っていたのではない


世界が初めて

どうやってオルヴェンを取り戻そうとするのかを

待っていたかのようだった


彼女は二人の男を見た


次にレルタが屋根から連れてきた三人目を見た


それから老婆を


それから

ケルトが木の板に載せて運んでいる結び目を見た


縄には触れていなかった


- 広場へは持っていかない


彼女が言った


エンナが頷いた


- 隣の部屋へ


- 証人を二人


- 記録は二つ別に


ランゼは盾を少し上げた


- こいつらは


サルマはショーンゴを見た


部下としてではない


権力は敵をどう保つかにも責任を持つのだと

もう知っている人間として


ショーンゴが言った


- 殴るな


灰色の男がほとんど笑いかけた


- 慈悲ですか


ショーンゴは首を傾けた


- 違う


彼は男の横を通り過ぎ

門へ向かった


- お前の血で戦争を始めれば


彼は通路のそばで止まった


- レヴェンガルドが

- 最初の行を俺たちの代わりに書く


笑みは消えた


サルマが低く言った


- 別々に


- 群衆なし


- 叫びなし


- そして古い名なし


広場の方からデランが手を上げた


- そいつらが自分から古い名を叫び始めたら


サルマの代わりにレルタが答えた


- その時はあなたがようやく役に立つ

- 繰り返したがる者を全員黙らせて


デランは彼女を見た


- それは正式な役職か


- 一時的な罰


- もっと悪い


- 今は仕事よ


広場で誰かが神経質に笑った


楽しくなったからではない


恐怖に

耐えられる形が与えられたからだった


捕虜たちを別々の部屋へ連れていくあいだに

北の倉庫で小さな手鈴が鳴った


一度


次にもう一度


火事の警報ではない


襲撃でもない


倉庫の合図だった


サルマが鋭く振り返った


- どこ


階段のそばの若い衛兵はすぐには答えなかった


二度目の鈴を聞き

それが古い秩序なのか新しい秩序なのか

判断しようとしていた


- 染料倉庫です


レルタは屋根の上の煙を見た


- 結び目だけを狙ったわけじゃない


セイガはもう東の道を見ていた


- 結び目は手を取るため


- 煙は声を取るため


- 倉庫は広場から人を引き離すため


ショーンゴはゆっくり右手を曲げた


掌はまだ重かった


- 倉庫には誰がいる


サルマが答えた


- 衛兵が二人


- それと老いた倉庫の勘定係


- 人を入れるな


- 証人は二人


- ランゼ


ランゼが一歩出た


ショーンゴは彼の盾を見た


- 紙はお前と一緒に残る


ランゼは頷いた


- なら遠くへは離れない


- だからお前が行く


サルマは彼の視線を受け止めた


- 私が広場を保つ


- そしてお前は

- 今日この広場が失ってはならないものを保つ


ランゼは倉庫へ向かった


速くはなかった


だが人々は

彼の盾がもう新しい門の一部であるかのように

道を開けた


遠い東


レヴェンガルドの小官房で


机の上の薄い板が震えた


夜から眠っていなかった書記が顔を上げた


地図のそばには

東路の上級監督官が立っていた


その隣で

王国境界の印章師が

黒い結び目の上に掌をかざしていた


暗い旅装の女は窓のそばに立っていた


彼女には職務の印がなかった


だからこそ誰も

なぜここにいるのかを聞かなかった


板が二度目に震えた


書記が身をかがめた


- 手は取れませんでした


印章師が指を握りしめた


- 結び目は証人を返さなかった


上級監督官はすぐには答えなかった


彼は地図の上の小さな点を見ていた


そこにはまだオルヴェンと書かれていた


オの字のそばのインクが滲んでいた


まるで言葉が口にされかけ

最後まで言うことを許されなかったように


- 彼らはただ拒んだのではない


外套の女が言った


- 結び目が手を探していたことを理解したのです


書記が囁いた


- 反乱です


上級監督官は彼を見もしなかった


- 反乱は門の前で叫ぶ


印章師が手を下ろした


- これは

- 町が答えないことを学んでいる


部屋は静かになった


それはさらに恐ろしかった


奥の机には封じられた書類束が置かれていた


その端には二つの印があった


一つは黒


一つは緑


そのあいだには細い金の糸があった


書記はそれを見なかった


印章師も見なかった


だが上級監督官は

まさにそこを見ていた


- 準備卓


彼が言った


外套の女はゆっくり窓から振り返った


- もう卓ではありません


- 我々には引き渡す対象がない


書記はさらに目を下げた


聞く権利はなかった


だが部屋は

聞かずにいられるほど広くなかった


印章師が低く言った


- 金は渡らない


上級監督官は地図の端を握った


- 金は後で交渉できる


外套の女は喜びのない笑みを浮かべた


- では国境の静けさは


誰も答えなかった


金より高かったのは

まさにその国境の静けさだったからだ


戦争の後の和平ではない


今は戦争ではなかった


だが抜かれた剣より悪いものがあった


見張り塔


閉じた道


空の約束


水を飲み

酒には触れない使節


一つの動きがすべて侮辱として数えられる国境


オルヴェンは

金と

緊張を終わらせると名づけられた紙のための

支払いになるはずだった


今

オルヴェンはもうなかった


そしてラリオンは

誰にも約束されていなかった


暗い外套の女は地図に触れた


町の点ではない


そこへ続く道に


- なら彼らの代わりに答える者を探す必要があります


上級監督官は彼女を見た


- 町の内側で


- 恐怖の内側で


彼女は窓から離れた


- 本より飢えを恐れる者がいる


- 門の外に家族を持つ者がいる


- 新しい名が倉庫を開かなかったことを

- すでに悔やんでいる者がいる


印章師が低く言った


- 手紙は


- 手紙は行く


監督官が答えた


- だが手紙はもう最初の刃ではない


外套の女が地図の端に触れた


- 最初の刃は灰色の結び目のはずでした


彼女は目を上げた


- 次の刃を

- ラリオンで誰が自分から取るのか

- 見てみましょう


書記が固まった


- 今

- その名で呼びました


女は彼を見た


- 何を


- ラリオンと


部屋はさらに静かになった


上級監督官はゆっくり地図へ振り返った


そこにはまだオルヴェンと書かれていた


だが部屋の中では

もう別の名が響いていた


暗い外套の女は表情を変えなかった


- なら

- それは書記の誤りだったと記録しなさい


書記は青ざめた


- ですが

- 言ったのはあなたです


- だから早く記録しなさい


南では


ヴェルシャインの国境塔で


石の広間はもっと明るかった


古い本の匂いはしなかった


鉄と乾いた薬草と

温まった革の匂いがした


暗緑色の外套をまとった背の高い男が

地図のそばに立っていた


右手の指には

光の下で時おり鱗のような輝きが浮かんだ


彼はそれを隠してはいなかった


だが見せびらかしてもいなかった


そばには

白い髪を後ろできつくまとめた若い参謀が立っていた


彼女は薄い木札を読んでいた


- 灰色の結び目は作動しませんでした


男は驚かなかった


- 早いな


- 早すぎます


彼女は机の反対側へ目を移した


そこにはレヴェンガルドの地図があった


公式のものではない


公式の地図は

扉からこれほど遠い場所には置かない


地図の上で

古いオルヴェンは細い緑の円で囲まれていた


そばには小さな金の板が置かれていた


硬貨ではない


量の印だった


- レヴェンガルドは

- 約束したものをもう持っていません


参謀が言った


暗緑色の外套の男はすぐには答えなかった


彼は二つの国の境界を指でなぞった


- 金は我々の箱に

- もう少し長く残る


- 条約は


- 条約は静けさを買うはずだった


- では彼らにはまず

- 引き渡そうとした町に声を返してもらいましょう


参謀は数呼吸黙った


- 私たちは喜ぶべきですか


- 喜ばない


彼は顔を向けた


目は静かだった


だからこそその言葉は

否定のようには聞こえなかった


- 喜びは愚かにする


- 私たちは時間を得ました


- そして明瞭さを失った


彼女は理解した


- 誰かが

- 私たちへ渡るはずだった町を奪った


- 誰かが

- 準備された卓から国境の町を奪った


- 戦場からではなく


- 包囲の後でもなく


- 卓から


彼は地図上のラリオンの点に触れた


- それが重要だ


参謀は木札を上げた


- 支援を送りますか


彼は彼女を見た


- 見える支援を送るのか


- いいえ


彼女は答えを理解した


それでも続きを待った


- 商人


彼が言った


- 医師


- 紋章のない二人


- そしてラリオンへ

- 友好的だと示せる言葉


参謀は数呼吸黙った


- もしラリオンが本当に

- レヴェンガルドの圧力を簡単に折ったなら


そこで男はようやく地図から目を離した


声は柔らかくなった


その分危険になった


- その時

- 我々が持つのは隣人ではない


- 王冠の許可なしに国境を生み出すことを覚えた

- 未来の力だ


参謀は木札を握りしめた


- 同盟を


- 静かに


彼は古いオルヴェンのそばの点に触れた


- ラリオンの前では

- 我々が最初にそれを過ちと呼ばなかった者になる


それから彼の指は

他の国境へ滑った


- その背後では

- もし彼があまりにもきれいに勝った時

- 何か国が恐れるかを数える


参謀はゆっくり頷いた


- 前では友


- 背後では輪


- その通りだ


彼女は木札をもう一度見た


- もし彼が勝たなければ


- その時は

- 正しい墓へ花を持っていく


ラリオンで

染料倉庫は燃えていなかった


それが最初の安堵だった


そして次に人々は扉を見た


そこに火はなかった


血もなかった


壊された錠もなかった


ただ下の板に細い灰色の線があった


誰かが爪で引き

印を完成させる前にやめたような線だった


ランゼは扉の前に立った


ラリオンの紙は

盾の内側の革紐の下に残っていた


その隣には老いた倉庫の勘定係が立っていた


指が震えていた


数えるものが何もない時でさえ

数える癖は指から抜けていなかった


サルマはランゼの数呼吸後に到着した


彼女には二人の証人がいた


一人は若い衛兵


もう一人は

つい少し前まで

自分が最初に話すべきだと叫んでいたパン屋の女だった


今の彼女は固く黙っていた


間違った場所で最初になることを恐れているように


エンナは線の前にしゃがんだ


ケルトは別の紙を持って彼女の後ろに立った


- 形を書かないで


エンナが言った


- 動きを書いて


ケルトは頷いた


- 倉庫の扉に灰色の線が付けられている


- ただの灰色じゃない


リオルが言った


彼は少し離れた場所

空の樽のそばに立っていた


手は耳に押し当てられていた


- 同じ結び目を聞いている


サルマは腰の鍵を握りしめた


鍵は鳴らなかった


布で包まれていたからだ


- 石のそばの結び目


- 違う


リオルはゆっくり首を振った


- 結び目の向こうにいる者


全員が黙った


ショーンゴは最後に近づいた


右手はまだ完全には動かなかった


彼は扉に触れなかった


ただその前で止まった


- 俺たちを分けようとした


セイガは倉庫の側壁のそばに立っていた


そこからは屋根も

裏口も

倉庫と隣の建物の細い隙間も見えた


- 違う


彼が言った


- 町の名を持たせて

- 誰を送るのか見たかったんだ


ランゼはゆっくり自分の盾を見た


サルマが最初に理解した


- 紙


エンナも目を上げた


扉の灰色の線が震えていた


強くはない


鍵を待っているのではなかった


盾の下にある言葉を待っているようだった


ランゼは下がらなかった


- 必要なら俺が離れる


ショーンゴは顔を向けた


- いや


- なら


- お前こそが答えだ


灰色の線が跳ねた


ランゼは盾を上げた


ゆっくりと


攻撃のためではない


今どこにラリオンがあるのかを

全員に見せるためだった


サルマは一歩下がった


ケルトは書くのを止めた


エンナは息を止めた


ショーンゴが言った


- 町が古い線へ来たのではない


彼は左手を上げた


右手がまだ重かったからだ


- 古い線が

- 町の盾へ来た


扉の前の空気が濃くなった


結び目の時とは違った


もっと静かで


もっと狭かった


灰色の線が震え

形を失った


消えたのではない


細かな灰として木へ崩れた


扉には跡が残った


証拠


権利ではない


ランゼは息を吐いた


老いた勘定係は壁際の長椅子へ腰を落とした


パン屋の女が囁いた


- じゃあ倉庫は私たちのもの


サルマは彼女へ振り返った


- 二人の証人と

- 恐怖をパンと引き換えに売らない者たちが保つ限りは


女は唇を噛んだ


それが倉庫だけへの答えではないと

彼女は理解した


東門の方から

また衛兵の声が聞こえた


悲鳴ではない


職務の声だった


ショーンゴは顔を向けた


サルマは路地の端へ出た


セイガはもうそちらを見ていた


遠い東の道に埃が上がっていた


大きくはない


軍のものではない


一人の騎馬


その後ろに遅い荷車


さらに二人の人影が歩いていた


旗を忘れたから持っていないのではなく


そう命じられたから持っていないような歩き方だった


荷車には暗い布がかかった何かが載っていた


布は動いていなかった


だがリオルが震えた


- あれは荷ではない


レルタが目を細めた


- 人か


- 違う


リオルはもう一度耳を澄ませた


- 人のための場所だ


サルマがとても低く言った


- 始まった


ショーンゴは倉庫の影から光の中へ出た


二度の境界の後で

右手は重いままだった


左手の指にも冷えが返っていた


彼はどちらの手も握らなかった


隠しもしなかった


ただ体に

新しい国境の最初の代価を覚えさせた


- 違う


彼は東の道を見ていた


- これは名の後に来た

- 最初の言葉にすぎない

ここまで読んでくださり、ありがとうございます


ラリオンは名前を得ました


けれど、その名前に世界がどう答えるのかは

ここから始まります


次回も読んでいただけると嬉しいです

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