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俺と異世界とチャットアプリ  作者: 山田 武
【強者の権利】面倒事対処 その05【最下の義務】

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スレ68 嵐を呼ぶ宣言

皆さん、お待たせしました



 風紀員の方々は、たしかに強かった。

 もともと学園内部だけでなく都市をも巡回し、警備しているのだからその力は子供のそれではない。


 ──鍛え上げられた戦士そのものである。


 連携の取れた動き、それに貴族様ではできなかった前衛後衛が意識された戦い方……これまでの中でもっとも苦戦した。


「──だが、俺には勝てない。俺だって理解しているさ……さすがに雑魚じゃないって」


 卑下はしている。

 だがそれなりに強いことも分かっているんだよ、実は。


 相手が驕っていれば勝てるし、そうでなくとも一つでも隙があればどうとでもなる。

 勝てない者は多いが、それ以上に勝てる者が多い……今はそういう状態だ。


 いつかは負ける、だがそのときではない。

 そうなる前に……お家に帰りたいな。


「ぐっ、これほどだったとは……」


「とても参考になりました。本当の意味で、あまり集団戦を体験したことがなかったもので……勉強させてもらいましたよ」


「あれでかい? 連携の隙を突いた、対集団の戦い方だったのだが」


「所詮は実戦の無い知識でしかありませんでしたので。今回のことで、ようやくそれが実現可能なことだと分かりました」


 地球に居るチートな友達──略してチー友の中には、危機的な状況において一騎当千を強制されることがよくあったらしい。


 そのため話を聞けばよくその生き残り方を教えてくれたのだが、なかなか現実において集団戦に持ち込まれることもなく……試したことがなかった。


「……口調が変わっているぞ」


「言ったじゃありませんか。善意には善意で応え、悪意には悪意で応えると。皆さま方の闘いに、いっさいの悪意はありませんでしたので。純粋に学園のことを思い、秩序を重んじた故の結果です」


「当然だ。君がその善意とやらを持って行った試合も見させてもらっている。そのときの君であれば、教師枠としての採用もあったかもしれないな」


「遠慮しますよ。……これからも上位の序列持ちが何かしてきますので、貴方がたのお世話になることもあるでしょう……ですが、こういったスタンスを取っていることを、予めご了承しておいてください」


 不思議なのだが、どうやら序列持ちである風紀委員長はあまり悪意を持ってこのイジメに参加しているわけではないようだ。

 まあ、細かいことはまた別のときにでも探ることにしよう。


「で、あればあの方に後ろめたいことは何一つ存在しない。好きにしてくれて構わない」


「そうですか……それじゃあ、今日はこれまでにしましょうか。貴方がたは、どうされますか?」


「……一先ず退散しよう。風紀委員として、報告せねばならないこともできたからな」


「そうしてください……ふぅ、今度生徒会と闘うのか? 全然望んでないんだけどな」


 この場から去る風紀委員一同。

 俺への嫌悪感は感じられず、気安く手を振る者いるようで少し涙が出た。




 今日は本当に終わりのようで、生徒たちも自身の寮に帰っていった。

 俺はといえば、静かになった訓練場の中でボソリと呟く。


「さて──レイル、出てこい」


「あっ、やっぱり分かってました?」


「俺と風紀委員が揉めるなんて展開、お前が観察しないわけないだろう」


「さすが師匠、圧勝でしたね!」


 ニコリと笑みを浮かべるイケメンに軽く舌打ちをしてから、気を宥めて話を戻す。


「それで、俺の言いたいことはもう理解しているよな?」


「はい、伝言ですよね?」


「ああ、そうだ。お前が言えば、ある程度伝わるんだろ?」


 序列九位であるレイルは、すでに認められているのだから。

 何か特別な手段があることは分かっていたし、それを使うことも決めていた。


「『まどろっこしい、直接来い』と伝えろ」


「さすが師匠ですね……けど、全員には無理ですよ」


「それは分かっている。あくまで俺の序列入りに反対な奴、もしくはこの企画を行うと決めた奴だけでいい。あとは会えたらそのときに決める」


「了解です!」


 では、伝えてきます。

 そう言ってレイルはどこかへ向かった。


「……さて、これで数人は釣れるな」


 序列持ちは生徒だけでなく、この都市に居る全員が対象となっている。

 故に全員がやっていると言っても、あくまで洗礼として捉えている者もいるのだ。


「だけど、確実に悪意を以ってこれを行っている奴が居る。じゃなきゃ、あんなに貴族たちが反感を持って挑むわけないだろうに」


 一度で諦めるなら、まだ分かる。

 しかし何かに怯えた目をして再度挑むなんて、普通ではない。


「強ければ何でもありな学術都市、来たばかりの勇者以上の戦闘力を持つ序列持ち……謎は多いが、その分希望があるな」


 召喚や異世界に関する資料を漁っていることは前にも言ったが、序列持ちだけが入れる場所にはかなりの文献が存在した。


 一日二日じゃ全然探し終わらず、何度も何度も赴いてイイ資料を探している。


「そして、序列持ちなら免除されることも結構ある。テストも受けなくていいし、税金があればそれも回避できる……そりゃあ誰もが目指したくなるし、蹴落としたくなる。だからって、やり方を考えろよな」


 単独犯が正々堂々と挑むのであれば、俺もこんな態度を取りはしない。

 だが他者を巻き込んでやるのであれば、それ相応の態度で出迎えてやろう。


 ──翌日、訓練場に嵐が吹き荒れた。



では、また一か月後に……誰からも何も来ませんので(涙)

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