08.アークベルの大聖堂へ…
ひなた「それで、これからどうしましょうか?
アリシア様の神聖力が効かないなら、別の方法を試すとか…。」
何度か2人で謝るループを見守った後、
とりあえず、私が話題変更して流れを変えた方がいいかなと思い、
2人に声をかける。
アラタ「あ…そうだったな。他の方法を試してみるか。」
アリシア「はい、そうですね。別の手立てを考えないといけませんね。
それなら、ここより南の街にある大聖堂へ行きませんか?」
ひなた「南…アークベルの大聖堂ですか?」
アリシア「はい。あの大聖堂には、
神聖なアイテムもたくさん保管されています。
それに、優秀な神官も大勢いますから、頼りになるかと思います。
ここからもそう遠くないですし、行ってみるにはよろしいかと。」
ひなた「なるほど、確かに。」
頷いてから、アラタを見やる。
アラタ「あぁ、俺も賛成だ。2人がいいなら行ってみたい。」
ひなた「なら、明日出発しようか。」
その日は3人でこの村の宿屋に1泊し、
翌朝、改めて一路、南の街『アークベル』へと向かった。
…
アラタ「なぁ。普通に話してくれないか?」
ひなた「え?」
馬車の中で3人まとまって座り、
のんびりと馬車に揺られながら、窓の外の流れる景色を眺めていると、
アラタがそんなことを言ってきた。
アラタ「いや…俺さ、あんまり堅苦しい話し方は苦手っていうか…。
2人には、もうちょっと気軽に話して欲しいって思ってさ…。」
気まずそうに頭を軽く掻く。
アリシア「私はみなさんにこういった話し方をしてますので…
申し訳ありません。」
アラタ「あ…そうなんだ? そっか…わかった。」
ひなた(確かに、アリシア様っていつもあんな感じだよね。)
アリシアがはっきりそう言うと、
アラタが今度はちらっとこっちを見た。
ひなた「ん?」
アラタ「お前は?」
ひなた「あ~…うん。じゃあ…アラタ、くん?」
アラタ「あぁ。そっちの方がいい。」
私が躊躇いがちに言うと、満足そうに頷くアラタ。
その後も3人で時々雑談をして、馬車での退屈な時間を過ごした。
………
……
…
馬車に揺られること5時間ーー。
南の大きな街『アークベル』へ到着する。
ひなた「大聖堂って、あれですか?アリシア様。」
街の中央にそびえる、白くて綺麗な建物を指差す。
アリシア「はい。そうなのですが…。
なんでしょうか…なにか、不吉な気配がします。」
ひなた「不吉?」
アリシア「神聖な気の満ちているはずの大聖堂から、
淀んだ気を感じるんです。」
ひなた「う~ん…なにか起きてるんでしょうか…。」
アラタ「とりあえず行ってみるか。」
ひなた「そうだね。行ってみよう。」
3人で大聖堂へと向かう。
大きな扉のある、大聖堂の入り口前に到着するも、
静かで、特に変わった様子は感じられない。
ひなた(ただ…お昼時なのに、
人の出入りがないっていうのは、ちょっと引っかかるところかな…。)
アリシア「行きましょう。」
アリシアが、扉をゆっくりと開けて、大聖堂へと入っていく。




