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幸運値ー99999?!異世界で出会った彼は『最凶不幸転生者アラタくん』  作者: ひととせ そら


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03.聖堂と聖女

ひなた「よっと…。」

転移魔法によって、一瞬で例の聖堂の中へ舞い降り、

空中からふわりと着地をする。


周りをすぐに見回すが、人は誰もいなくて閑散としていた。


ひなた(誰もいない…。あの2人もいない、か。)


考えてみたら、私は転移魔法によって一瞬で到着したし、

2人よりも早く着いちゃったのかもしれない。


そう思い、聖堂の祭壇前の左右に並んだ長椅子に腰掛け、

2人を待ってみることにした。


しばらくすると、入り口とは正反対の奥にある扉が開き、

そこから、綺麗な長い銀色の髪を揺らし、

女性がこちらへと歩いてきた。


銀色の髪の女性「あら、いらっしゃい。

もしかして、あなたがあの掲示板のアラタさんでしょうか?」

小首を傾げ、柔らかな笑みを浮かべる。


ひなた「あ…いえ…その…違います…。」

なんか気まずくなって戸惑い気味に返事をした。


銀色の髪の女性「あらまぁ、そうだったんですね。

それはすみません。変な勘違いをしてしまって。」

恥ずかしそうに頬に片手を当て、苦笑いを浮かべた。


ひなた「いえ…そんな。」

首をブンブンと横に振って、大丈夫だと伝える。


銀色の髪の女性「今日、この後に、

ここで会う約束をしていた方がいたので、

その方が、もういらしたのかと思ってしまったんです。

この時間、ここの聖堂には誰も来ませんし。」

ちらりと、視線を聖堂の入り口の方へと移す。


ひなた「なるほど…。」

何となく、同じように入り口の方を見る。


銀色の髪の女性「でも、まだしばらくは来られないかもしれませんね。

あの方はご事情がご事情でしたので、

道中で何かあったかもしれませんから。」


ひなた「そう、なんですか…。」

とりあえず曖昧な相槌を打つ。


銀色の髪の女性「では、ゆっくりしてらしてくださいね、旅の方。」

私ににこりと微笑み、女性はまた、

奥の扉を開けて入っていってしまった。


ひなた「…。」

また、誰もいなくなった聖堂の中を軽く見回した後、

私は長椅子に座ったまま、自分もしばらく待ってみようかと思った。


………


……



あれから数時間…。


とりあえず、瞑想やら魔力コントロールやらをして時間潰しをし、

2人を待った。


また、あの女性が奥の扉を開けてこちらへと歩いてきた。


そして辺りを見回すも、その目的の人が見当たらないのか、

軽く小首を傾げた。


その後、私に気づき…


銀色の髪の女性「あら、まだこちらにいらしたのですね。

敬虔な信者なのですね、あなたは。」

私にクスッと微笑む。


ひなた「あ、いえ…その…。」

気まずくなって目を逸らす。


銀色の髪の女性「それにしても、まだ来られないようですね…。」

また、聖堂の入り口の方を見つめる。


女性とともに、また一緒になって入り口の方を見た。


銀色の髪の女性「やはり、何かあったのでしょうか…。」

困った表情をすると、今度はあの、

青い半透明のウィンドウ画面を出したかと思うと、

何やら操作をしている。


どうやら、ユーザー掲示板の閲覧をしているようだ。


少しその様子を窺うことにした。


銀色の髪の女性「う~ん…。」

ユーザー掲示板を眺め、悩ましそうに小首を傾げている。


ひなた(たぶん、あのアラタって人の連絡とか、

確認してるんだろうなぁ…。)


しばらくユーザー掲示板を眺めると、

その女性は、青い半透明のウィンドウ画面を閉じた。


不思議そうに私がその様子を眺めていると、こちらを見て…

銀色の髪の女性「あ…すみません、私ったら…。

今日、待ち合わせをしている方がいると、

先ほどお話をしたかとは思いますが…。

あれから、その方から何も連絡もなく、困りまして…。」

不安そうに頬に手を当てて話す。


ひなた「あ、なるほど…。」


銀色の髪の女性「やはり、何かあったのかもしれませんね。

今日はもう、会うのも難しいのかもしれないですし…。」


ひなた(多分、待ち合わせ相手…

あの、ユーザー掲示板のアラタって人だよね。)


ひなた「あの、その待ち合わせ相手…『アラタ』って人でしたよね?」

銀色の髪の女性「はい、そうです。アラタさんです。」


ひなた「あの、『何度も死に戻りする』って、

ユーザー掲示板に書き込んでいた。」

銀色の髪の女性「はい。そのアラタさんです。

…あら? もしかして、あなたも、

あのユーザー掲示板を見てらしたんですか?」

私を見て、不思議そうに小首を傾げる。


ひなた「実は…お二人のやり取りを見ていて、

気になりまして…つい、ここまで…。」

気まずそうに目を逸らして、躊躇いがちに告白する。


銀色の髪の女性「まぁ!

あなたも、アラタさんを心配してらしたんですね。

しかもここまで来るなんて、なんてお優しい…。」

胸元で手を組み、キラキラした目で見つめられた。


ひなた「いえ…ただの好奇心といいますか…。

野次馬がすぎて申し訳ないです…。」

銀色の髪の女性「いえいえ、そんなことないですよ!

特にあの掲示板では、みなさん、批判的でしたし。

そんな中、こうして行動を伴えるだなんて、

とても素晴らしいことだと、私は思います。」

首を振って必死に褒めてくれる。


ひなた「あはは…ありがとうございます。

ところで、ほんと来ませんね。」

また聖堂の入り口を見つめる。


銀色の髪の女性「そうですね。…ふぅ、どうしましょう。」

同じように聖堂の入り口を見つめると、軽くため息をついた。


ひなた「う~ん…

そのアラタさんの現在位置を特定できればいいんですけど…。」


ユーザー掲示板でも見てみようかと開いた時、

最新の投稿に気になることが書かれていた。


501:冒険者A

【緊急速報】キーノ村で魔物が突然大量発生した

1時間前くらいにキーノ村から、

「突然魔物が大量発生した」って、

その村にたまたま行ってた冒険者仲間のやつから知らせが入った。

もうギルドには知らせたらしいが、

キーノ村の近くにいるやつら、注意しろよ。


ひなた(『キーノ村の魔物大量発生』?)


魔物が大量発生すること自体は、さほど珍しいことじゃない。

でも、このタイミングともなると…。


銀色の髪の女性「ええ?! 魔物が大量発生したですって?

そのキーノ村って、ここのすぐ近くの村ですよ?!」

女性がそのユーザー掲示板の内容を見て驚く。


ひなた「ここの『すぐ近く』?」

銀色の髪の女性「はい。歩いて2時間くらいで着きます。

…え。まさか…。…アラタさん、そこにいるのでは…。」

ふと、不安そうな顔をした。


ひなた「…あり得なくないですね。ここに向かっていたのなら…。」

銀色の髪の女性「急いでキーノ村へ向かいましょう!!」

ひなた「はい!」


その女性とともにキーノ村へ向かうことにし、

足早に2人で聖堂を後にした。

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