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幸運値ー99999?!異世界で出会った彼は『最凶不幸転生者アラタくん』  作者: ひととせ そら


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22/29

22.魔王降臨、そして…


アラタ「いっそさ~、俺の幸運値ー99999なら

この不幸体質で魔王とか呼べそうな感じもしないか?

俺、一度も魔王なんて見たことないんだけど。」


ひなた「アラタくん…そういうこと言うと、『フラグ』立つよ?」

冗談半分に言う。


アラタ「あはは、なんだよフラグって。

魔王イベントのフラグか何かか?

こんなんでさすがに立つわけないだろ~」

面白いのかケラケラと笑うアラタ。


しかし突如…

宿屋の窓の外の景色が一瞬にして

紫色の瘴気に覆われ、

禍々しい気が辺りを包み込んだ。


???「ふはははは…我が魔王ガリオンだ!

脆弱な人間ども。」

辺りに響くような低い声とともに空中に闇の気が渦を巻き、

そこから黒いマントを羽織った

威圧的な態度の魔王が姿を見せた。


ひなた「ほらぁ…フラグ立ったじゃん…アラタくん」

アラタ「いや…フラグ回収、早くね?」

呆れる私、苦笑いするアラタ。


ひなた「う~ん…いっそのこと、魔王無視してみる?」

アラタ「それはさすがにまずくないか?」

宿屋の部屋の中で冗談半分にそんなことを言ってると、

聞き覚えのある声が聞こえてきた。


???「魔王、そこまでだ!!僕が相手になってやる!!」


ひなた「…? この声…」

アラタと2人で窓の外を覗き込み、声のした方を見つめる。


夜道のど真ん中に、あのアークベルで会った勇者と

その仲間たちが立っている姿が見えた。


ひなた「勇者様だね~」

アラタ「…そうだな。あいつもこの町に来てたのかよ…」

アラタがあからさまに嫌そうな顔をしている。


勇者「この僕、勇者フィオがお前を倒す!!」

高らかに声を上げ、聖剣を魔王に向ける。


魔王「面白い。ならその『勇者』とやらから葬ってくれるわ」

不敵な笑みを浮かべると、手から邪悪なオーラが渦巻き、

勇者たちに黒い鋭利な闇の刃が雨あられと降り注ぐ。


勇者「…くっ!」

勇者は聖剣で防ぎ、仲間のヒーラーが防壁魔法を展開する。


…が、それも束の間。


勇者「うわぁぁ!!!」

僅か数秒で防壁魔法が破壊され、

勇者たちが闇魔法の前にバタバタと倒れた。


ひなた「…秒だったねぇ~」

アラタ「秒だったな…」

2人で同じことを呟いて呆れ顔をする。


ひなた「勇者だし、もうちょっと粘れるかと思ったよ」

アラタ「でも、『あいつ』だしなぁ…」

宿屋の部屋でのんびりとそんな感想を2人で言う。


魔王「フハハハハ!!その程度か? 骨のないやつらだ。

このまま全て葬ってくれる」

高笑いし、今度は両手から邪悪なオーラが渦巻く。


勇者「ひぃ…っ!!!」

その魔王の姿に、勇者一行が尻尾を巻いて慌てて逃げだす。


ひなた「あらら…逃げちゃった。」

アラタ「うゎ…あれで勇者かよ…」

アラタが呆れたようにため息をつく。


魔王「滅びよ」

魔王の両手から先ほどよりも遥かに広範囲の闇の刃が降り注ぐ。


ひなた「おお…っと。」

アラタ「うお…っ!!」

宿屋にまでその攻撃が降り注ぎ、宿屋の一部が破壊され、

その衝撃で部屋が大きく揺れた。


途端、宿屋からも町からも悲鳴が聞こえ始める。


宿屋の主人「みなさん、急いで避難してください!!」

部屋のドアを開けて叫ぶ。


アラタ「あ、はい。ひなた。」

宿屋の主人の後を追い、私の手を引いて部屋から出ていく。


宿屋の中も騒然とし、部屋から人々が飛び出しては

慌ててみんな1階へ降りていく。


ひなた(う~ん…)

アラタに引っ張られるまま、

ただ平然とそんな周りの様子をのんびり観察する。


そうしていると、あっという間に宿屋の外へと出てきていた。


魔王の闇魔法により辺り一帯は崩壊し、

人々が逃げ惑っていた。


アラタ「うわ…なんだよ、これ…」

止まって私の手を離すと、その光景に呆然とする。


ひなた(まぁ、『魔王』だからね~)

そんなことを思い、ゆっくりと辺りを見渡す。


魔王「全て消し飛ぶがいい」

不敵な笑みを浮かべ、魔王が両手を手前に構える。

そこからさらに大きな闇のオーラが集まり始める。


アラタ「お、おい…さすがにあれはやばいだろ…」

そんな魔王の姿を見て怯えだすアラタ。


ひなた「…う~ん…そうだね。町が全部吹っ飛んじゃうかも?」

魔王を見てコテンと小首を傾げる。


アラタ「シャレにならないだろ、それは…。

…つか、なんでそんなに冷静なんだよ、ひなた。」

ひなた「え?魔王なんて何度も倒したことあるし。」

今度はアラタを見てコテンと小首を傾げる。


アラタ「あぁ…うん。この騒ぎですっかり失念してたわ…。

そういや、お前、そうだったな…」


魔王「滅びよ、人間ども!」

魔王が不敵な笑みとともに両手を振り上げる。


ひなた「全てを無に還せ…

無差別(インディスクリミ)なる(ナート)消滅(・アニヒレーション)!!」

その瞬間、魔王に向けて片手を勢いよく振りかざす。


パリンッーー!!


まるで何かが弾けるように、

魔王の両手に集まった闇のオーラが音を立てて霧散した。


魔王「なっ…」

アラタ「…え?」

魔王もアラタも、今何が起きたのかと…

信じられない光景に目を見開いて止まってしまった。


魔王「今…何が起きたというのだ…。我の力が…消滅した?」

信じられないといった様子で自分の両手を見つめる魔王。


アラタ「そんなのアリかよ…。規格外すぎるだろ…ひなた」

ポカンとした表情でこっちを見つめるアラタ。


ひなた「罪人つみびとを捕らえよ…

光の(ルミナス・)煉獄(プルガトリウム)

アラタの様子も気にせず、両手を開き、

胸元に両手の甲を向け、指の先端を合わせて静かに詠唱する。


すると、魔王の周囲に眩い光を放つ檻が出現し、

あっという間にその中に魔王を閉じ込めた。


魔王「な、なんだこれは…?!」

あきらかに動揺して焦る魔王。


ひなた「その中で己の罪を悔いるといい…」

目を閉じて静かに言うと…

ひなた「断罪せよ」

目を開くとともに、その光の檻が強烈な光を放ち、

周囲を白く染め上げた。


魔王「ぎゃぁぁぁあああ!!!!」

断末魔の叫び声を上げ、

魔王の体がその光によって灰へと還っていく…。


魔王「こんな…はずでは…。我は…魔王…ぞ…。

貴様ら…人間など…に…っ…」

ほとんど消えかかったその体で、こちらを見つめて声を絞り出す。


ひなた「…」

ただ黙って見つめ、魔法を使い続ける。


そして魔王は灰となり、完全に消滅した…。


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