第94話 ドラン生還
ガウガウ!
遠くでポチの声がした。やっとドランが追いついてきたか。
遠くに見えたドランはなんか汚かった。まさかゾンビと対決していたか?
「ドラン臭いぞ」
「ああ、ゾンビの腐った肉のせいだろ」
そうだろうが、みんなが不快になるからどうにかしてくれよ。ドランが自分でどうにかしないなら、レオンに頼んで真っ白に浄化してもらうぞ。
「私が浄化をかけましょう」
アシュレイが腐った肉に塗れたドランをみかねて浄化をかけてくれた。
「それでドランはやっぱり途中で迷っちゃったの〜?」
ドランを見つけてきたポチを偉い偉いと撫で回しながらレオンが言った。
「いや、王都の近くの6階層の時に使って以来使っていなかった光の剣を使いたくなってな。光が届かない場所まで行って少し試し切りをしていた」
「は? 勝手な行動するなよ! 俺らはパーティーなんだぞ!」
ドランがバトルジャンキーなのは知っているが、パーティーなんだから勝手な行動は困る。ここには長女を連れてきていないんだから、ドランを引き摺って回収してくれる奴がいないんだ。
これからもこんな勝手な行動をされたら困る。
「アデルそんなに怒らないであげて〜、俺も気持ちは分かる。バルムンクが今にも暴れ出しそうになっててさ、次の階層では索敵で魔物探して引き摺り出してでも戦わないと、勝手にいなくなりそうなんだよね」
「すまんアデル、みんなも。勝手な行動はしないようにする」
ドランは反省した様子だったし、まさか俺が怒るとは思っていなかったんだろう。次からは気を付けてくれればいいい。
「君たちなら逸れても大丈夫でしょうが、ダンジョンは何があるか分からないので、できるだけ離れないよう気を付けていただきたいです。魔物にやられなくても、永遠に迷い続けるようなトラップがあったりするので」
アシュレイの言葉に、そんなものがあるのかと驚いた。そんなのに引っ掛かったらドランは死ぬまで出られなくなりそうだな。いや、力技で無理やり突破するんだろうか?
分からんが、みんなが心配するからやめてほしい。
「俺も栗のジャムが食いたい」
「いいよ〜、ドランもう栗の虜じゃ〜ん」
ドランは夢中でパンにジャムを塗って口にどんどん運んでいた。次やったら栗ジャムをお預けってのがいいかもな。暴れるなとは言わん。時と場所を考えろということだ。
「アシュレイ、次の8階層は楽しめる感じ〜?」
「次は火山地帯なんだが、君たちは装備を持っているのか?」
装備が必要なのか? そんなものはたぶん誰も持っていない。
「装備〜? そんなのないよね。どんなやつ? 魔法でなんとかなったりする〜?」
「火山地帯はとにかく暑い。空気も暑いし、マグマが流れたり火が出たりするから、防熱難燃素材の革を使った装備をしないと火傷してしまうんだ。潜る前に装備の話をしておくべきだったな」
「それなら私が結界かけられると思う。その代わり結界に集中すると戦えない」
ココがなんとかできそうだと発言した。外からの熱を阻む結界か。それならもしかしたら俺も教えてもらえばできるかもしれない。ココは前衛で戦いたい派だから、戦えないのは残念だろうが、その結界の腕を見せてもらいたいと思った。
それにここはまだ一桁の階層だから、マグマを避けて通れば、暑さには耐えなければならないし軽い火傷はするが、抜けられなくもないのだとか。
25階層も火山地帯が広がっているんだが、そっちはもっとヤバいから、そこに挑む時までに装備を揃えようということになった。
ドランが満足するまで栗のジャムを堪能すると、8階層に進むことになった。
「このさ、浄化しちゃったピカピカな場所はそのままでもいいと思う?」
「それは問題ない。ダンジョンは修復機能があるから、ダンジョンが直す必要があると思ったら勝手に直るだろう。そのまま残ったとしても何かに支障があるわけじゃない」
支障はないな。ダンジョンは修復機能があるのか、便利だな。
それに、レオンやドランが壊しても修復されるなら全力で暴れてもいいということだ。
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