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悪魔討伐の後に 3

「ファベル。彼の様子はどうでしたか?」


 ファベルが急いで歩いていると、廊下の先にベルシャインがいるのが見えた。彼もファベルに気が付いて、彼女に近づいた。彼女は慌てた様子というのは珍しく、彼も彼女の報告に耳を傾けた。


「先ほど龍樹様が目を覚まされて、今の現状を報告したとたんに、凄いプレッシャーを出して、情報を聞いた後は窓から、聖女様を連れ戻しに行ってしまいました。引き留めることはできず、申し訳ありません」


「いや、彼を止めることができるのは、聖女様だけだろうからどうしようもありません。しかし、彼が一人で解決できない可能性の方が高いはずです。騎士たちの中で動ける者だけでも引き連れて、彼の助けに行くことにしよう。ファベルは、二人を連れ戻したときに、迎え入れることができるようにしておいてくれ」


「はい、承知いたしました。どうか、ご無事に戻られますようにお願いします」


 ファベルは彼に綺麗にお辞儀をして、彼女の横を颯爽と早歩きで龍樹は歩いていく。




「すまない。騎士団長。今、動ける者はいるだろうか。付き人様である龍樹様が聖女様の奪還に一人で動かれた。悪魔を倒すほどの力があるのだが、それでも、暗殺者の力量と人数で押されれば、彼が殺される可能性もあるのは騎士団長も予想できることだと思う。そのために、彼の援護に向かいたいのだが、私一人ではどう考えても、足手まといどころか、足手まといになることすらできない。だが、騎士たちは暗殺者にも抵抗できるくらいの訓練はされていると思うのだが、どうにか援助してくれないだろうか?」


 騎士団長は騎士団の訓練所の中の一室に入れて、彼の言葉を聞いていた。彼の言葉は真剣そのもので、騎士団長も彼に多くの騎士を助けられたことには感謝している。しかし、今の騎士団で動くことができるものは、普段前線で活躍している者ではない。あの悪魔と戦っていたのは、最前線でも戦えるほどの実力を持っている者ばかりで、悪魔を囲んでプレッシャーを与えるだけの役をしていた者が今、動ける者だ。敵を囲って、プレッシャーを与える仕事をしていた理由は、単純でまだ実力者と戦えるほどの実力がないからだった。騎士団長はリーダーを務めているだけあり、すぐにでも動けるだろうが、一人だけ熟練者がいても騎士全体の動きはそこまで大きく変わらない。そのことを彼に説明すると、彼は難しい顔をしていた。


「それでも、戦力は多い方がいいと思うのだが、騎士団長はどうお考えか。ハイドの暗殺者、セルスターズとバイフィルが雇っている戦士を相手に戦うことができるかどうか。これらを相手にすることはできるだろうか」


「……それを聞きますか。ここで騎士団長が勝てないとは言えないでしょう。それに受けた恩を知らないと言えるほど恥知らずでもありませんので。我々も援護させていただきましょうか」


 それから、ベルシャインは大きく頷いて、動ける騎士を動員して、打ち合わせに入った。




 王宮から騎士たちが出陣する。その先頭にはベルシャインがいて、その隣に騎士団長がいる。彼らが出るころには既に日が暮れ始めていた。その時間帯には市民も家に帰るころで、騎士団がぞろぞろと出てきても騒動になることはほとんどない。家に入り、外の様子を伺うくらいはするだろうが、わざわざ外に出て騒ぎを起こそうとする馬鹿はいないのだ。夜に騒げば、魔獣が来ることもあるのだから。


「騎士団長。それでは手分けして町の中の捜索を始めてほしい」


「わかりました。……では、皆、付き人様と聖女様の捜索を開始してくれ!」


 彼の言葉と共に騎士たちが鎧を鳴らしながら、町の中に散らばっていった。




 騎士たちが捜索を始めるかなり前、窓から外に出た龍樹は町の中ではなく、町の建物の屋根の上にいた。彼が町の中に入る前に、王宮の入り口にいた騎士に驚かれたのだ。その様子があまりに大きなリアクションだったため、その理由を聞けば、今の自分が尋常ではないほどの魔気を放射していて、そのまま町に出ない方がいいと言われた。彼は魔気を放射する手段は理解しているが、抑えるための技術は持っていなかった。それでも、その方法を少しは理解して、放射していた魔気を抑えていた。それでも、他の人が近づけば恐怖するくらいには魔気が放射されていることを騎士に指摘されて、彼は町の屋根を伝うことにしたのだ。実際に屋根の上に上がれば、屋根の上の方が不審なものを探すことが簡単だった。光の当たっていない暗い路地も上から見ればわかりやすいのだ。しかし、路地を通る人はあまりいない。前に、小鳥のために一つの犯罪者組織を潰した時にはもっといたはずだと彼は考えていた。

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