♧… : just mEt ▓▓...
サァァァー…
木々が揺れ、葉の踊る音
近くで流れる小川は今日も鳥が集まる
森の画家は今日もアトリエで絵を描くのだ
夢を見ながら、夢を焼く
そして筆を滑らせる
その繰り返しだ
》………あ、もう飯ねぇじゃん…面倒くせぇ…《
画家は筆を置いて、パーカーを着た
棚から靴を取り出して履く
帽子を手に取り、深く被った
キィ…
木の軋む音とともに、
扉の隙間から陽緑色の光が覗いた
┈┈┈┈┈ 森の画家 2/10 ┈┈┈┈┈
長くて白い耳を揺らしながら街中を歩く
森を出ると、すぐに街へ続く煉瓦橋がある
そこを行くと、王都のような煉瓦街が広がる
》森に街に海…良い所だな、相変わらず《
オレはこの国が好きだった
化け物の国だ
人間に嫌われる化け物の国
人間も、オレら化け物も…
互いに近付こうなんざ思わねぇ
良いことなんか…ねぇからな
食うか食われる、だ
『ブロッコリー!!』
友人の声がした
振り向くと見知らぬ顔の奴が困惑するように
オレを二度見した
当たり前だな…
普通…友人を、その前に相手を「ブロッコリー」
なんて呼ぶ阿呆が何処にいるか…って話だ
『ブロッコリー!?ウ、ウサギだよ!?』
見知らぬ奴はとても心配そうだ
》…ん?あぁ…何処ぞのボンボンかと思ったら…カイトか《
イヌの化け物…カイト
俺の友人の1人だ
『何処ぞのって酷いじゃないか!
あ、紹介が遅れたね、この子はボクの友人の
リャシカだよ』
『ど、どうもぉ〜…』
リャシカと呼ばれた少年が尾を揺らす
イヌ…か…
》どうも、オレは……皆ブロッコリーって呼ぶんだ、そう呼んでくれ
ただのあだ名だぜ?よろしくさん…《
『ブロッコリーはまた食料探しか〜?
ボクらは可愛いメス探しに♡』
『ち、違うよ…っ』
》おぉー…随分と気持ちわりぃなぁ、お前《
『ブロッコリーの毒舌ッ』
》事実だろ、リャシカが可哀想だぜ《
┈┈┈┈┈ 2/11 ┈┈┈┈┈
乾いた笑い…帽子を深く被り直す
飯探し…あながち間違いではねぇな
ただ…
》無くなった命綱を買いに来ただけだ《
『えぇ…?ブ、ブロッコリーさん、?は…縄を…?』
》…………………………………………あぁ、《
『リャシカー、こいつの命綱は食料のことだよ〜、気にすんな気にすんな〜』
『そ、そう…?』
》あぁ、まぁな…買いに行くのが面倒くせぇんだ……ま、殆どは狩りでどうにかしてたがなぁ《
『気を付けろよ〜?』
カイトがそう言ってオレの背を叩く
イヌの力はウサギに比べて圧倒的だ
オレはため息をつく、いつものことだ
オレは背を向けて、市場へと向かった
ガラガラガラガラ…
コツコツ…コツコツ…
ドドドドドドド…
馬車の車輪の音や、竜車の竜獣の重たい足音
金持ちの軽い足音
子供の軽快な足音と笑い声
音がする度に耳が鳴る方を向く
色々な音を聞く
目を瞑るとまぶたの裏で、
キャンバスに絵の具が垂れ落ちていく
(…帰ったら描こ……)
オレは野菜の入った紙袋を持ち直して
さっさと帰路に着いた
もちろん、帽子も被り直した
アトリエに着く
……もう家だな、こりゃ…
また木の軋む音とともにオレは足を踏み入れる
陽緑色の光はもう覗かない
代わりに、陽緑色の筋が大きな窓からオレの絵を見つめていた
カタッ…
スケッチブックを持つ
そして小さなバケツに絵の具、筆、鉛筆を入れ
ズボンのベルトに付いている斜めベルトにかける
歩く度に中身がバケツに当たる音が好きだった
キィ…パタン
カサ…カサ…
カラ…カラカラ…カランッ…カラ…
》……ここで良いか…《
オレはエメラルドブルーの川の前で止まった
花々が咲き、
木々が額縁のように丸みを帯びて伸びる
川に沿って木々は開け、
その先に草原が広がっていた
オレは草原に座り、帽子をいじる
しばらくしてスケッチブックを開いた
シャ…
鉛筆を適当に滑らせる
一本の線が薄く浮き上がる
それに合わせて線を書き足していく
若干川の形が見えてくる
サッサッ…ササッ…シャ……
》川は良いよなぁ…オレは好きだぜ?
あんたは…?《
振り返ると、1人の少女がいた
……人間だ
すぐにスケッチブックに向き直す
》おっと…人間サマだったか…なんか用か《
『……うさぎ…さん…』
》……早く逃げねぇと、喰っちまうぜ?《
絵を描く手は止めない
帽子をさらに深くかぶる
》化け物の国に何の用だ?
他の人間サマに売り渡すってか、まぁ、オレの肉は高ぇからなぁ《
(早く消えてくんねぇかなぁ…邪魔だ…)
少女は動かない
ただジッと…オレのことを見つめていた
『…まいご』
》あ?…あぁ……なら来た道戻れば帰れるだろ《
そう言ってオレは背にある葉に覆われた大きな壁を親指で指す
そこには扉がある
『あそこで…帰れるの…?』
》帰れるんじゃねぇの?知らね《
『……あ、ありがと…っ』
足音が離れていく
ギギ…と音が鳴って……何も聞こえなくなる
元の、川と葉の音だけだ
》もう戻って来んなよ…人間…………死ぬぞ……《
誰も居ない扉に向かってオレはそう呟く
まぁ…二度と戻ってくることはないだろう
人間の子供が来なくなるくれぇの脅しは…
できたと思う
オレは日が落ちてからアトリエに戻った
スケッチブックをまた、既に積み重なっていたところに一冊高く積み重ねる
》飯食うの面倒くせぇな…今日はいっか…《
オレはタオルと部屋着、そして石鹸をカゴに入れて、裏口から水浴びに向かった
石鹸っつっても…オレがつくったもので
別に自然を怪我したりはしないものだ
自然はオレの庭のようなもんだからな
あ?飯は食うのに水浴びはするんだ、ってか?
あたりめぇだ
飯より水浴びだ、汚ぇと寝れねぇし絵も描けねぇだろ?
》冷てぇな…山の雪が溶けだしたのか《
ᖴOᖇᗴՏTカーター…略して、フォレカタっ!(多分)
こんにちは!また新しく書くことにしましたっ!
ONEマイライフ!とは別作の、新しいものですっ
いつ出そうか迷ったりしてましたが…今日暇だったので……w
フォレカタもONEマイもよろしくお願いしますっ




