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プロローグ 信念
常々、思うことがある。
――なぜ人は、逃げようとするのだろうか。
辛いから? 痛いから? 辞めたいから? 怖いから? 失いたくないから? 何をしても無駄だから? どうしようもないから?
たくさん見てきた。
誰もがそうしてきた。
俺もその一人だった。
だが、逃げてどうなる?
逃げた先が安泰だとは、誰が決めた?
能力がない、良心がない、財力がない、自由がない、ないもの全てを環境のせいする奴がいる。
その人に申し上げたい。
――誰よりも胸を張ってやり遂げたと言えることが一つでもあるのかと。
ぬかるんだドブのような逆境から抜け出すために本気で行動を起こしたことがあるのかと。
少なくとも、あの時の俺は、無かった――。
ただ漫然と傍から眺めていただけの存在。
そんな自分が嫌だった。
ただ見ているのではなくて、誰かの役に立ちたかった。
ただ、それだけ。
結局のところ、自分を変えられるのは自分しかいないと、そう気づいた――。




