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下級兵塩川の日常  作者: 塩ソルト塩
2章 『女王アリ』と『ゲウム第七部隊』
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12話 お互い頑張ろうね

──────



────────────


「あわわ、本物の戦車と兵隊さんが、こんなにたくさん・・・!」


「どうした、緊張しているのか?」


「先輩。私ずっと訓練場で研修してたから、戦場指揮って初めてで。新米オペレーターの私に上手くできるか・・・。」


「なぁに、君の役目は無線通信の受け取り補助と伝達だから、直接指示を出すようなことはない。私がミスをすれば数百人死ぬが、君のミスの一つや二つなら、みんな笑って許してくれるさ。私たち『カランコエ』は笑顔を届ける階級だろ?ほら、君も焦らず笑っていればいいんだ。」


「先輩・・・!!はい!!」


「それじゃ、お互い頑張ろうね。・・・・・・カランコエから全部隊に告ぐ!!量産アント型古代兵器接近、セーフティボーダー突破!!各部隊防衛ラインを意識して戦闘態勢!」


〔〔〔了解!!〕〕〕


「さぁカランコエのみんな、声量で兵を担うぞ!!・・・『蟻の行列殲滅作戦』、開始だ!!」


「かっ・・・こいー・・・!!私も、頑張らないと!!」


「砲兵第一波、てぇっ!!」



──────



「嘘だろ・・・アレ全部アント型か!?俺たちで食い止められるものなのか・・・!?」


「ゲウム上がりの新兵か。安心しろ、我々一般兵には正確な戦術計算式を組む指揮官がついている。だから必ず食い止められる。全員が歯車として正常に動き続ける限りはな。くれぐれもオペレーターの指示は聞き逃さないようにな。」


「分かっ、いや、了解!!」


〔ローテーション戦術指揮を開始します。隊員は二名ず攻撃班と装填班に分かれ、隊長は補佐を行ってください。撃ち方始め!〕


「「「了解!!」」」


「一匹も近づけさせるな、撃てえええ!!」



──────



「うわわ!アリさんがいっぱいだ・・・!黒くて、うーん、黒い・・・。」


「ヘリの上から見れば『黒色大河』、その実全て敵兵の群れか。これは骨が折れそうだな。個体同士が密集して、地面の赤土がまるで見えん。あれだけの数が揃うと、たかが蟻ごときと言ってはおれんのだろうな。」


「だから、私たちの出番。」


「ああ。今回のはちょっと数が多いが、なればこそ要は我々突撃編隊だ。皆々が食い止めている間、私たちが空から巣の根元に直行して『巣』を叩く。急ぐぞ。」


「あいわかった!!」


「おうさ!!」


「ん。アリの巣はハチの巣にする。」


「ありのすわはちのす?」


「蟻の巣を、蜂の巣みたく穴だらけにするという事だ。」


「ふーん、うまいこと言ったねぇシアねーちゃん。」


「その通り、シア殿は上手いことを言ったのだ。」


「二人ともそれぐらいにしておけよ、シアが微妙なお顔をなすっている。」


「うぇ、にーのおいたが過ぎたなら『はんせー』する」


「ん、別に困ってない。」


「ほんと!?」


「・・・でも、少し分からない。ツナミ、私はどう反応するのが正解だった?」


「はは、自然体でいればいいさ。戦場の団欒なぞに無理して付き合う必要はないし、君は自分の思う通りに振舞えばいい。私らはその意思を尊重するよ。」


「ん。・・・それは良かった。」



そして、ツナミ=スクラテリアは黙考する。穏やかな笑みの中に、ひとさじのやるせなさを交えて。



(そうだ。今のこんな私では、君を尊重することしかできないんだよ、シア。たとえ君が自分自身を『人形』として見ているとしても・・・ね。)



──────



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