14話 扱い方
「昨日はすまなかったのぉ。久しぶりの戦闘でつい興奮していまった」
「いえ。先生ではなく、防げなかった俺が悪いだけです」
「いろいろと学ばせて頂いて、むしろお礼を言いたいくらいです」
「お前さんは律儀じゃの〜」
「ところで、今日は技を教わりたいのですが。」
「構わんよ」
「それに、儂もいろいろと話そうと思っていたからの」
「まず、お前さんはあの風解放の技は誰から習ったんじゃ?」
「あの技自体は誰からも習っていません」
「ほぅ。なら解放術は?」
「妹から習いました」
剣の特訓は以前からしていたが、解放術などという物は普通の中学校では習うことは無いため、妹が二年生になって解放術を習ったと聞いて俺も教わることにしたのだ。
妹の能力解放は風属性ではなかったのだが、自分に適した属性の能力を解放する方法は教わることができたのだ。
つい去年解放術を習い、独学で風解放の使い方を練習してきたためまだ扱いにこそ慣れていないが、霧隠先生に教わることができるなら俺の技術も飛躍的に上がるだろう。
「それでは、あの技は自分で習得したという訳じゃな?」
「はい。そうです」
「儂は、その年であんな技をあれ程の精度で使った者を見たことはあまりない」
「故に、お前さんには能力解放の才能があると思ったのじゃ」
「………も彗星伝説の通……」
最後に先生は何か呟いたようだが、俺にははっきりとは聞こえなかった。
しかし、 《彗星伝説》 という言葉を口にしたような?
「それでは特訓を始めるとするかの」
「まずは、あの技を撃ってみてくれ」
「わかりました」
剣身に風のエネルギーが集まるのを感じ、剣先を地面に突き立てる。
「護りの型・風陣」
風のエネルギーを周囲に放出する。
「そのままエネルギーを留めることはできるか?」
放出したエネルギーを箱を組み立てるようなイメージで固めるように意識をする。
そして固めた状態を維持……
「こうですか?」
「いい感じじゃの」
「次は、お前さん自身が移動してもその状態を保てるかやってみなさい」
固めた状態を維持することを意識したまま、そっと剣から手を離す。
剣から手を離した瞬間、風の箱は消え去った。
意識は保つことに集中させていたはずなのに。
何故だ?
「やはり消えてしまったか」
「お前さんは今、その剣を中心にしてエネルギーを展開していたじゃろ」
「はい」
「そこが問題なのじゃ」
「剣を中心とすることが……問題?」
「そうじゃ。」
「剣からエネルギーを放出し続けるのではなく、放出したエネルギーをその場に固定するのじゃ」
その場に固定する……か。
確かにそういう意識はなかったな。
「わかりました。やってみます」




