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光源高校VS兵部高校 生徒会戦 幕間













全身を襲う激痛と疲労で今にも膝をついてしまいそうだ………





でも、それを補って有り余るほどの、勝利に対する充足感と満足感………



俺がそれに浸っていると今まで張り詰めていた緊張の糸が切れた………それと同時に、俺の耳に入って来たのは周囲の観客の歓声だった。






そうか………見られてたんだった。




正直、視線も歓声も試合が始まると全く気にならなくなった…………否、気にしてる場合では無かった。






けど、まぁ………試合が終わった今は光源高校の生徒会役員として、恥ずかしくない行動。




なんというか、スポーツマンシップに則った行動を。






何が言いたいかというと、そこで伸びている犬飼先輩を放置するか、それでも向こうのベンチまで運んであげるか………である。







……………迷う事は無いか?






そうだ、素直に彼女を運んであげればいい………100%の善意の心で。






そう決めた俺は倒れている犬飼先輩の側に近づくと、彼女をそのまま抱きかかえた。




そして、兵部高校のベンチに歩を進めた。














すげー睨まれてる気がする…………特に不動先輩とかヤクザにしか見えない顔でこちらを凝視している。





さっさと犬飼先輩を引き渡して、俺もベンチに戻ろう。




大丈夫のはずだ………俺のアーツによると、兵部高校の人達から敵意は感じない。






さらに言ってしまうと、この話は会長しか知らないのだが………俺のアーツは相手の感情を感じ取る他に、なんというか………その………







好感度?が上がりやすいと言うか、好かれやすく、嫌われにくくする効果がある。










そう………だから大丈夫のはず…………




迷惑がられる事は無いはずだ。


















結局、俺は体に穴が空くんじゃないか………それほどの視線を体に受けながら犬飼先輩を郵送した。





そして逃げるように自陣のベンチに戻った。














――――――――――――――――――――――――――――











「こーーーーちゃーーん!!良かったよーー!!」





俺が会長達の元に逃げ帰るとそこで待っていたのは、夜々木の熱い抱擁だった。




「ちょっ、あんまりくっ付くなってば………」




当たってんだよ………こいつのこう言う思わせぶりな態度はやめてほしいもんだ。




勘違いしそうになる。



遅れて来た春臣が夜々木を引き剥がし、その後ろにいた副会長も俺に労いの言葉をかけてくれた。





「良くやったな……今の試合、最高にシビれたぜ!」





「見事な逆転勝利だったね」






「2人とも………ありがとう」







ちなみに会長からのコメントはありませんでした。









「よしよし、次は私の番だね?頑張っちゃうよー」




そう言って夜々木は腕をグルグル回してスタジアムに出ようとしていたが、俺は彼女を引き止めた。






「なぁ、夜々木………本当に出るのか?正直に言って俺は棄権した方がいいと思う。」




「……………心配してくれてるの?」






夜々木は上目遣いで聞いてくる………あざとい。






「本当に危険なんだよ………今体験して分かった。大怪我じゃあ済まなくなるかもしれない。」





魔力で肉体強化が出来ない夜々木の場合………本当に死ぬ可能性がある。





それは彼女自身が1番理解しているはずだ………





でも、夜々木の意思は固かった………こいつとは長い付き合いだが、今まで俺がやめろと言ったら素直に聞いてくれた。





「あのねあのね………大した理由じゃないんだよ。ただね、必死に戦っているコーちゃんがカッコよく見えたんだ………」





「私もあんな風になりたい」と、夜々木は手を開いたり閉じたりしながら続けた。







「魔法使いとしての自分を好きになりたいの………もうあの頃とは違うって。それを証明したい」







夜々木………




彼女の過去を知っているからでこそ、今の言葉は俺に響いた。






「行ってきなよ………どうせ棄権するかどうかの判断は本人にしか出来ないんだ。」




「会長………」



「僕達の生徒会の書記は他の誰でもない君だ………君が望むなら誰も止めたりなんかしないさ」





「そうだろう明日葉?」とワザとらしく笑いながら会長は俺には振った。



その通りだな………それに夜々木の願望を聞いて棄権させるなんて、もう俺の中の選択肢には入ってない。







「行ってこい夜々木!!」





「うんうん………任せてよ!!」






そう言ってスタジアムへ向かう夜々木の後ろ姿をみて、昔のあいつはもういないんだ………とそう思った。







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