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生徒会戦と聖人と四天王 その1










思えば入学式の日に副会長と勝負して生徒会に入ったり、その次の日に三年生たちとこれまた勝負になり………結果としてアーツに目覚めた。




更には美鈴先生が過去に世界を救った聖人だった…………だとか。







まだ先週の事だが懐かしくもある。



あの日、聖人の話をした後……来週の生徒会戦の話をしてすぐに解散となった。



日程は今週の土曜日………というか明日だ。





まだ新しいクラスにも馴染めてないのにそんなビッグイベントの練習で、正直困っていた。






だが…………それは杞憂に終わった。




何故なら今の俺は



「これ職員室に持って行くの?半分持つよ」



「本当に?ありがとう!!」




「おーい、明日葉!!今日この後カラオケ行くけど一緒に来るか?」



「すまん、今日はパスだ。生徒会の仕事があるんだよ……また今度な」




完全にクラスに馴染んでいるからだ!!



完璧だ………


最初はこの生徒会の腕章のせいで敬遠されていた。



が、小さな事からコツコツと…………だ。



他の人がやりたくない事を積極的にやる、困っている人には親切にする。



周囲の人の顔色を伺って機嫌を損ねないように……


今ならコミュニケーションの本が書けそうだぜ。


タイトルは「キョロ充のすヽめ」だな。





くだらない事を考えながらクラスの女子と職員室に全員分のノートを運ぶ。



半分持つと言ったが実際は7割くらい俺が持っている。



クラスの女子と他愛のない会話をしながら並んで歩く





よしよし、いい感じだ。


俺に対する好感度的なやつが上がっているのがわかる



そう、わかるのだ。




俺のアーツ………感情を操る魔法のおかげで。



感情を操るっていうのは言い過ぎか…………せいぜい相手の喜怒哀楽を把握出来る程度だ。





ちなみの自分の感情ならば、それを燃料にして魔力を飛躍的に上昇させる事が出来る。



会長は精神系のアーツは強力なものなら洗脳もできると言っていた。





だが、俺はそんな事はしない。


だって、なんか嫌だし。




それにこのアーツは結構便利だ。


相手の喜ぶ事や怒る事が何なのか、相手が自分の事をどう思っているのか。



それだけじゃない。


相手が俺に敵意を持っているか、そして嘘をついているかもわかる。





それを駆使する事で俺はクラスの中において


「気さくで頼み事を何でも聞いてくれるいい奴」


的な評価に落ち着いている………はず。







女子生徒と共に職員室にノートを運ぶと、彼女に軽く会釈をしてそのまま生徒会室に向かう。









聖人の話をした次の日から俺達3人は猛特訓を始めた。





もちろん明日の生徒会戦に向けて……だ。




どうやら今回の試合は負けられないものらしい。




対戦相手は千葉の魔法学校………兵部高校(ひょうぶこうこう)で、現在の生徒会戦の総合成績は魔法学校全体で4番目に良いらしい。





「これくらいは覚えときなよ」と会長は生徒会戦の戦績上位4校を………いわゆる四天王という奴を教えてくれた。





第1位 東京都の魔法学校…………明石高校(あかしこうこう)

魔法学校が出来てから不動のNo. 1らしい。



第2位 神奈川県の光源高校

俺達の高校だ…………まさかとは思っていたがここまで上位にいるとは思わなかった。




第3位 埼玉県の魔法学校…………桐壺高校(きりつぼこうこう)

最近メキメキと順位を上げているらしい。

一昨年までは、何と女子高だったが今は共学だ。




第4位 明日の対戦校である兵部高校。

ここには会長と同じ魔法界の御三家である、月光ヶ原の御息女様が生徒会にいるらしい。





会長は四天王的にも御三家的にも、千葉の兵部高校には負けたくないらしい。





しかも生徒会が新体制になって初めての生徒会戦、色々な人に俺達の実力をアピールする絶好のチャンスにもなる様で……




でもなぁ………そんな事言われても勝てるのか?



順位的には俺達の2つ下の学校ではあるが……不安しかない。





けど彼女が言うには兵部高の会長と副会長、その2人とウチの会長と副会長は相性が良いらしくて……



「僕と副会長が勝つのはほぼ確定だ、後は君達3人の内誰か1人が勝てばいいんだよ」





と自信満々に言った。









それなら大丈夫なのか?


いや大丈夫だ…………俺達に出来るのは会長を信じて特訓するだけなんだから。





でも特訓っていうのがなぁ…………



アレは特訓なのか?





ここ1週間の特訓の光景を思い出していると、いつの間にか生徒会室についていた。




生徒会室の扉を開けるとボロ雑巾の様になった夜々木が床に張り付いていた。










―――――――――――――――――――――――――――









「コレが特訓なんですか?」




1週間…………黙って言われた通りにやって来た。

だけど思わず口から出てしまった。


それを聞いた会長は微笑みながら俺に体を密着させた………














そして右手で俺の左肘をガッチリ掴み、右腕を俺の脇に差し込んだ。




「もちろん……だ!」



そのセリフを掛け声の様にして俺を背負う様にして地面に叩きつけた…………… 見事な一本背負いだ。



「ぐぇっ」



マヌケな声を出してしまったがちゃんと受け身はとっているし、魔力で肉体を強化しているからそこまで痛くはない。





俺と夜々木は会長にひたすらボコボコにされている。



会長は空手と柔道の有段者らしい…………本人曰く、もう1つ得意としている格闘術があるらしい。








が、そんな事はどうでも良い。





コレは俺達の特訓なのか?


会長が俺達に好き勝手ワザをかけている様にしか見えない。



まるで会長の特訓じゃないか?




俺が寝転がったまま動かないでいると会長が手を差し出して来た。


「まず、君には決め手になる技を覚えて欲しい」



「決め手…………ですか?」



「正直に言って君の魔法は非常に平均的だ。感情を代償にして魔力を高めれば話は別だが……それはあくまで最後の手段だ。」




「それとコレに何の関係があるんですか?」



「馬鹿だな、体に技を叩き込んでやってるんだよ。受け身の練習にもなるだろう?君は副会長の真似っ子パンチの他にも物理技を覚えるべきだからね」





体に叩き込む(物理)って事ですか……


ていうか副会長の真似っ子パンチって………アレもただのガゼルパンチじゃないですか。








「じゃあ私は関係なくないですか?」




夜々木は頬っぺたを膨らませながら不満ありげに呟いた。






確かに、夜々木の魔法は一撃が必殺の威力を持っている。

通常攻撃が連射可能なマダンテみたいなもんだ。




夜々木の愚痴を聞いた会長が顔をしかめながら



「君が1番の問題児だよ…………ここまで魔力のコントロールが出来ない人間を見たのは初めてだよ。魔力の量は無尽蔵だけど、豚に真珠状態だよ」





「女の子に豚とか言わないで下さい」




「魔力壁も展開出来ないし、肉体強化も出来ない。オマケに全力で放射魔法を放つと反作用で自分が吹き飛ぶ」



「女の子に豚とか言わないで下さい」




「……………猫に小判状態だな」





「だって出来ない事はしょうがないじゃないですか」



「君メンドくさいな」





さぁ次は君の番だ、と会長は夜々木に手招きする。






そして近づいて来た夜々木のみぞおちをアッパー気味に突いた。



「ぐぅぇぇぇぇぇ」



夜々木の断末魔が響く。

女子高生が出してはいけない声を出している。



それにしても綺麗な突きだったな…………



脇を締め、腰の回転を使い必要最小限のコンパクトな動きだった…………アレをくらったらしばらく動けそうにない。



実際、夜々木は一発でダウンした。



会長はしゃがみ込んだ夜々木を見下ろしながら




「魔法使いっていうのは日常の生活の中で無意識に魔法を使っている…………自分の身に危険が迫った時は肉体を勝手に強化して身を守るし、スポーツとかやっている時も夢中になると無意識に肉体を強化するはずなんだ。」





確かに…………肉体の強化は誰かに教わって覚えるものではない。


いつの間にかできる様になっている感じだ。



「君はそれが全く出来ていない。魔法使い同士の勝負に置いてそれは致命的だ………防具無しで戦場に行く様なものだからね」








「うぅ………だから体に叩き込んでるって事ですか?なら空手じゃなくて、コーちゃんみたいに柔道で教えて欲しいです」





会長はそれを聞くとノータイムで「無理だ」と言った






夜々木は泣きそうな声で理由を聞いた………すると会長は渋々といった様子で答えた。









「いや……その………君、胸が大きいだろ?」



「胸が邪魔で技をかけ難い……って事ですか?」
















「いや……技をかける時にぶつかって、なんかイライラする」




会長は自分の平原に手を当てそう言った。


















結局…………俺は投げ続けられ、夜々木は殴られ続けた。






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