表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
じじばばニャンコと異世界奇譚  作者: こいたろ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/139

『渓谷崩落戦』

『じじばばにゃんこと異世界奇譚』


第一部『レヴァナスタシア』






ドゴォォォォン!!


二発目の爆音が、

ガルディア全域を揺らした。


橋が軋む。


飛竜便が悲鳴みたいな鳴き声を上げ、

一斉に旋回する。


市場は、

完全に混乱していた。


「逃げろぉぉ!!」


「渓谷側が崩れた!!」


「境界異常だ!!」


ユキが、

思わずミツコの腕を掴く。


空がおかしかった。


黒い。


いや。


黒い亀裂。


空間そのものへ、

裂け目が走っている。


しかも。


そこから、

何かが落ちて来ていた。



ミーコが、

即座に叫ぶ。


「全員動く!!」


その声で、

空気が切り替わった。


タマが、

周囲を確認する。


崩落は、

渓谷外縁橋付近。


まだ人が多い。


しかも。


空中回廊が、

半分崩れている。


フィルニアが、

牙を見せて笑った。


「やっと暴れられるな!!」


タマが、

即座に怒鳴る。


「調子乗んな!!」



次の瞬間。


黒裂け目から、

巨大影が落ちた。


ズドォォォン!!


着地。


橋陥没。


悲鳴。


現れたのは。


獣だった。


だが。


普通じゃない。


四足。


漆黒外殻。


身体中へ、

紫亀裂が走っている。


目が無い。


代わりに。


顔中央が、

裂けていた。


そこから、

黒霧が漏れている。


周囲が、

一瞬静まる。


黒衣男が、

低く呟く。


「侵食獣……!」


次の瞬間。


獣が吠えた。


ギャアァァァァァ!!


衝撃波。


窓ガラス爆散。


市場崩壊。



タマが、

即座に前へ出た。


「ユキ!!

ばーちゃん達守れ!!」


フィルニアは、

もう飛び出している。


「うおぉぉぉ!!」


地面爆砕。


一直線。


侵食獣へ突撃。


獣も、

即座に反応した。


巨大腕振り下ろし。


フィルニア、

正面から迎撃。


 ド ゴ ォ !!


衝突音が、

渓谷へ響いた。


橋全体が揺れる。


周囲絶叫。


フィルニアが、

歯を剥く。


「重っ!!」


侵食獣の腕が、

異常に硬い。


しかも。


ぶつかった場所から、

黒い霧が漏れ出した。


フィルニアが、

即座に距離を取る。


「なんだコイツ!?」



タマが、

横から飛び込む。


低姿勢。


速い。


腰の短剣を抜く。


銀刃。


そのまま。


侵食獣脚部へ斬撃。


ザギィィ!!


だが。


浅い。


黒外殻が、

火花を散らしただけだった。


タマが、

舌打ちする。


「硬ぇ!!」


次の瞬間。


侵食獣の尾が来た。


速い。


タマ、

反射回避。


直後。


後方屋台群が吹き飛ぶ。


ドゴォォ!!


市場崩壊。


フィルニアが、

目を剥いた。


「ヤベェな!!」



その時。


別方向で、

さらに悲鳴が上がった。


「まだ居るぞ!!」


渓谷裂け目から、

追加個体が這い出していた。


二体。


三体。


全部違う形。


人型。


蜘蛛型。


鳥型。


黒衣男達が、

武器を抜く。


「数が多過ぎる!」


ミーコの瞳が、

鋭く細まる。


「境界が開いてる……!」



次の瞬間。


鳥型侵食獣が飛んだ。


一直線に、

避難民へ突っ込む。


ユキが、

息を呑む。


だが。


その前へ、

トシオが出た。


鳥型が、

高速突撃。


鋭い黒翼が、

トシオへ迫る。


その瞬間。


トシオが、

踏み込んだ。


 ゴ ッ !!


拳。


たった一発。


侵食獣の顔面が、

完全に潰れた。


衝撃で、

黒翼が千切れ飛ぶ。


そのまま。


巨体ごと、

渓谷壁へ叩き付けられた。


ドゴォォォォォ!!


岩壁陥没。


誰も声が出ない。


フィルニアが、

目を輝かせる。


「じーちゃん最高!!」


タマが、

叫ぶ。


「見惚れてる場合か!!」



蜘蛛型が、

建物壁面を高速移動する。


速い。


しかも。


糸みたいな黒霧を吐く。


触れた建材が、

腐食していた。


ミツコが、

即座に叫ぶ。


「ユキ!!」


ユキが、

反射で術式展開。


白光。


水霊防壁。


バギィィ!!


黒糸衝突。


防壁が軋む。


ユキが、

歯を食いしばる。


「これ……!」


重い。


しかも。


侵食される。


普通の魔力じゃない。



その時。


ミーコが動いた。


水流術式展開。


空中へ、

巨大水刃が走る。


蒼光一閃。


ズガァァ!!


蜘蛛型侵食獣、

脚部切断。


黒液噴出。


ミーコが、

即座に叫ぶ。


「核を狙って!!」


タマが、

反応した。


「了解!!」


地面蹴り。


一気に加速。


侵食獣背後へ回る。


そこにあった。


胸中央。


紫色の核。


タマが、

牙を剥く。


「そこか!!」


短剣突撃。


だが。


直前。


侵食獣が振り向く。


速い。


黒腕が、

タマを吹き飛ばした。


ドゴォ!!


橋欄干激突。


タマが、

血を吐く。


「がっ……!」



フィルニアの目が変わった。


「タマ!!」


次の瞬間。


竜人魔力が爆発する。


赤熱。


角発光。


空気震動。


フィルニアが、

真正面から突っ込んだ。


侵食獣が、

迎撃腕を振る。


だが。


止まらない。


フィルニアが、

そのまま腕を掴む。


筋肉膨張。


地面陥没。


そして――


 ド ォ ォ ォ ン !!


一本背負い。


巨大侵食獣が、

橋ごと宙へ浮いた。


周囲絶叫。


そのまま。


渓谷下へ投げ飛ばす。


侵食獣落下。


岩壁激突。


さらに。


フィルニアが飛んだ。


空中追撃。


「終われぇぇぇ!!」


竜拳直撃。


ズガァァァァン!!


紫核粉砕。


黒霧爆散。


侵食獣、

完全崩壊。



だが。


終わらない。


裂け目が、

さらに広がっていた。


空が軋む。


ミーコが、

顔色を変える。


「マズい……!」


黒衣男が、

叫ぶ。


「門化するぞ!!」


タマが、

血を拭きながら立つ。


「門化?」


「このままだと、

境界そのものが開く!!」


その瞬間。


裂け目内部で、

巨大な“目”が開いた。


全員凍る。


デカい。


街よりデカい。


空の向こう側から、

こちらを見ている。


ユキが、

震える。


「……なに、

あれ」


誰も答えられない。


だが。


ミーコだけは、

その存在を知っていた。


銀青の瞳が、

鋭く揺れる。


「閉じる者……」


次の瞬間。


巨大な黒腕が、

裂け目から現れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ