各ジャンルにおける短編小説や連載小説の状態
今回はジャンル単位でお話をしたいと思います。表の画像が多い上に細かいので、必要なところだけさらっと見てもらえればいいかと思います。
ジャンルは全部で20もあって見るのが大変だと思いますが、実数と割合の表をどちらも掲載します。お話しするところは一部ですが、皆さんも表を眺めていると何か新しい発見があるかもしれません。その前に力尽きてしまいそうですが。
また、全体とノンジャンルの表は省略しました。これは大ジャンルと全く同じだからです。あと、基本的に説明は割合の表を見て書いています。
それでは、最初は約45万件全体の大ジャンルから見ていきます。大まかな様子は大ジャンルで見ましたが、更に細かい単位であるジャンルで見るとまた違った側面が見えてきます。
さすがに全てを話すといつまでたっても終わらないので、特徴的なところだけお話したいと思います。
ジャンル単位で色々と数値が変化していますのでどれも興味深いですが、やはり最初に見てしまうのが短編小説についてでしょう。小説数の多さもさることながら、総合得点以下の項目にも大きな差が出ています。小説数だけを見ますと、純文学、ホラー、童話、詩、エッセイ、その他というジャンルが多いです。『小説家になろう』をよく利用されている方でしたら想像できるかと思いますが、いずれも短編と相性の良いジャンルですよね。それに対する読者の評価ですが、ホラーとその他が伸び悩んでいるようです。ただ、共通して言えることは、ブックマーク数の割合が低いということですね。
一方、連載小説に目を向けますと、完結の小説はどのジャンルも全体に占める割合が低いです。しかし、それに対する評価の割合はほとんどどのジャンルも高いようです。特に、
推理とパニックは評価の半分以上を完結の小説が独占しています。他にも、異世界、現実世界、純文学、ホラー、エッセイ、その他は、小説数の割合の2倍以上も割合が高いです。
では次に見ていただくのは、ジャンル再編があった2016年5月24日以後に初投稿された小説に関する表です。
全ジャンルを眺めていますと、どこのジャンルであれ、更新停止の小説に対する評価の割合がかなり低くなっています。小説数の割合は結構あるんですけど、やはり最後まで読むことができないというのは読者に避けられているようですね。同じように完結していない連載中の小説には総合得点以下の項目が集中しているのを見ますと、もしかしたら更新が停止したとわかった瞬間にブックマークを外したりするのかもしれません。
一方、短編小説が盛んに投稿されているジャンルでは、それに対する評価が積極的に行われているようになっているようです。純文学、ホラー、童話、詩、エッセイ、その他は短編小説が多いですけど、総合得点以下の割合も同様に高いです。こういうのを見ますと作者としてはとても安心します。
では次に、異世界転生と異世界転移の小説について見ていきます。
異世界転生と異世界転移ですから割と偏った形になるとのではと考えていましたが、確かに結構ありますね。最初に目に付いたのがヒューマンドラマで、総合得点以下の項目が連載中の小説に集中しています。どうして完結小説の評価まで低いのかわかりませんが、皆さん終わりなきお話が好きということなのでしょうか。
お次は推理です。完結した小説は全体の4分の1しかありませんが、総合得点以下は実に8割近くもあります。推理小説は最後の謎解きまで見終わらないと特にもやもやとしたものが残りますから、この結果には納得しています。ただ、短編小説の評価はもっとしてあげてもいいんじゃないかなとは思いますが。
その次はホラーとパニックですが、これはブックマーク数だけが突出している例ですね。実に8割近くも集めています。ホラー小説も最後まで見ないと落ち着かないジャンルですから、この結果も順当と言えるでしょう。
そして残念な結果なのがVRゲームです。悲しいことに評価の7割が更新停止に集中してしまっています。一体どうしてこんな結果になってしまったのかわからないですが、是非ひとつでも多くの小説が連載を再開してくれることを望みます。
では次ですが、今度は異世界転生と異世界転移のキーワードチェックがされていて、尚かつ2016年5月24日以後に初投稿された小説に焦点を当てます。これは一体どうなっているでしょう。
異世界転生と異世界転移の小説はジャンル再編後にどうなっているのかと見てみますと、全体的に連載中の小説が多いですね。投稿されてからの期間が短いですからこれは仕方のないことです。そして、更新停止の小説も少ないですね。宇宙のように少し更新停止の小説に対してポイントが集まっているところもありますけど、このジャンルはむしろ例外とも言えます。
では、それ以外の部分で特徴的なことはないかと見回してみましたら、ありました。詩です。投稿件数が少ないために起きている現象とも言えますが、短編小説にしか評価が付いていません。100%なんて初めて見ました。ただし、ブックマークは皆無ですけどね。更に、リプレイも極端な結果になっています。短編小説と連載中の小説がありません。おまけに評価点と評価者数もなしです。これも投稿小説が少ないせいですね。
いかがでしたでしょうか。ジャンル再編後も更新停止の小説はありますが、以前よりも評価されなくなっている傾向があります。これは、読者が連載途中で話が停止するのを避ける傾向が強くなっているからと推測されます。これからもこの傾向が強くなって、完結した小説や短編小説が評価されるといいですね。
本当はまだ調べたいことはいくつかありますし、一応図表を作るところまでしたものもあるのですが、今回の『『小説家になろう』をデータ分析 2017年度版』は終了にしたいと思います。といいますのも、実生活の方が激変しておりまして、これ以上時間を取れなくなってしまったからです。とりあえず最低限調べたかったことはできましたから、ここで区切りたいと思います。
前回と同様に、小説を書くことに直接役立つわけではありません。しかし、自分の書いた小説を投稿している場が、この1年でどう変化したのかということがわかって私は嬉しいです。
それでは皆さん、最後まで読んでいただきありがとうございました。