出発
前日の夜に準備し、宿舎の外にある、僕だけが知っている場所に隠しておいた、中くらいの布袋を手に取った。
中には必要最低限のもの……というより、僕たちに許された装備である薄い革の胸当てと、ハンドクロスボウ、そして太い矢がぎっしり詰まった嵩張る矢筒が入っていた。
僕はチュニックの下に隠した包みに触れた。短剣を隠している場所だ。
(でも、初めて、完全に無防備ではないと思えた)
(でも、初めて、完全に無防備ではない気がした)
僕は窓から外を覗き、ソランとテオの準備ができているか確認した。実際、彼らも準備を進めているところだった。見ると、彼らは今着ている服以外、何も持っていなかった。おそらく彼らも、自分の荷物や武器をどこか別の場所に隠しているのだろう。
僕は宿舎の外で数分間、彼らを待った。もうすぐ一緒にメインキャンプへ向かい、そこでギルドとミラを待つ手はずになっていた。
道中、忙しそうに行き交う何十人もの使用人たちとすれ違った。彼らは西翼へ向かう荷車に、補給品の木箱や武器、樽を積み込む作業に追われていた。
テオとソランは道の途中でどこかへ立ち寄り、しばらくしてそれぞれが袋を抱えて戻ってきた。
テオはヴィラに厳しく叱られて以来、袋の後ろにかなり粗末な木の杖を隠し持っていた。
僕は微かに微笑んだ。
訓練場に到着すると、冷たい風が頬を打ち据えた。
すでに全員がそこに集まっていた。
ミラは苛立たしげに地面を足で叩いており、ギルドは両手をこすり合わせて温めようとしていた。
ソランは彼ら二人に合流し、ギルドと握手を交わして挨拶をした。
テオは最初、僕の後ろに隠れるように立っていた。横目で彼を見ると、目に見えて緊張しており、虚空を見つめながら木の杖を強く握りしめていた。
少しして、僕たちの正面にカシアンが到着し、彼のグループの全員を連れてきた。
そして広場の中央には、僕たちの運命を決める三人の姿があった。ヴィラ、ガレク、そしてゾルタン隊長だ。
カシアンが合流するのを見るなり、ゾルタンは一歩前に出た。
「全員揃ったな。よく聞け、二度は言わねぇぞ」広場に響き渡る声で彼が切り出した。
「俺とガレクも同行して、直接お前らの試験を監督する予定だった。だが不測の事態が生じ、他で優先すべき急務ができた。よって、お前らはヴィラ一人の監督下に置かれる」
ガレクが一歩前に出た。疲労の色が濃い、厳しい表情で眼鏡の位置を直した。
彼はテオと、向こうのグループの少女を呼び寄せ、ローブの懐から封印された二つの巻物を取り出して彼らに手渡した。
(いつの間に、あっちのグループに女の子がいたんだ? 全員男じゃなかったのか――)
「この巻物には、私が編み出した術式が封じられている。お前たちが魔力を注ぎ込めば、特級の魔物の攻撃を数秒間防ぐことができる即席の障壁が展開される。本当に危機的な状況でのみ使え。臆病風に吹かれて無駄使いすれば、お前たちは死ぬ。……というわけだ」
テオは震える手で巻物を受け取り、必死に何度も頷いた。
(これほど強力な障壁? 外の世界には一体何が待ち受けているんだ?)
僕は唾を飲み込み、テオを見た。
(おそらく、莫大な魔力を消費するはずだ)
「生き残るためのルールだ」ガレクは僕たちを鋭く睨みつけながら説明を再開した。
「お前たちが持ち込めるのは、各自の武器、サイズの合わない革の防具、そして各グループに空の水筒が二つだけだ。食料はなし。回復薬もなし。地図もなし。食べ物も飲み物も、すべて自力で調達しろ。魔術師にのみ、魔力回復薬を一人一本支給する。……だ。言っておくが」
「えっ? 待ってくださいな!」 甲高い声でミラが叫んだ。
彼女の声は、すでに僕の頭の中で耳障りに響いていた。
彼女は慌ててガレクの方へ歩み寄った。
「何ですの? そんなの不可能ですわ! 森の中で狩りをして料理をするなんて、どうやって何も引き寄せずに……」
「黙れ!」彼女の言葉を遮り、ゾルタンが雷鳴のように一喝した。
隊長が前に出ると、隊長が前に出ると、周囲の空気まで重くなったように感じられた。
「お前らはグラムラーの谷に降ろされる。そこからグループごとに分かれ、森へ入れ。最大の目的は、俺が森の奥深くに配置した赤い旗を見つけ出し、無傷で出発地点まで持ち帰ることだ。期限は、森に入った瞬間からちょうど三日間だ」
彼は少し言葉を切り、僕たちを一人ずつ見回した。そして、すぐに笑った。
「だが、ただの布切れを持ち帰るだけじゃ不十分だ。中級の魔物を少なくとも一体仕留めたという証拠を持ち帰れ。もし運良く遭遇できたなら……魔獣を倒し、その死骸から魔石を持ち帰ってこい」
(魔石? 魔獣……? 魔力を使う生物のことか? なら魔石とは……)
その言葉は、訓練生たちの間にざわめきを引き起こした。
(魔物と魔獣の違いは何だ?)
誰もその質問を口にする勇気はなかった。
だから、僕が前に出た。命を懸ける以上、少なくともそれについての知識を持っておくのは当然だ。
僕は手を挙げた。
「質問があります、隊長!」
ゾルタンはすぐには答えなかった。彼は無言のまま腕を組み、わずかに頷いた。
数秒間、誰も口を開かなかった。やがて、彼の視線が僕を捉えた。
「魔物は魔力を持たねぇ。魔獣は魔力を持つ」
「それだ――」
テオが僕の隣に並び、他の連中に聞こえないように声を潜めて囁いた。
「……魔力を持つことで、獣はより強く、速く、頑丈になるんだ。中には特殊な能力を……」
テオの説明は、ゾルタンの笑い声によって遮られた。
「てめぇが戦ったラプランは魔物だ。魔力は持っていなかった。てめぇが見て、感じたものはすべて、奴の肉体そのものから来る力だ。死なないためには、それだけ知っていれば十分だろ?」
僕は目を見開いた。
(なぜそれを言ったんだ? 誰にも知られたくなかったのに……)
突然、その場にいた全員が僕の方を振り返り、グループの間に短いざわめきが広がった。
ソランとギルドが近づいてきて、僕の肩を叩きながら称賛の言葉を口にし始めた。一方、ミラはただそっぽを向くだけだった。
ゾルタンはざわめきが収まるのを待ってから、再び口を開いた。
「もしそいつに遭遇したら、決して甘く見るな。それだけ覚えとけ」
「ヴィラが同行するが」少しして、ゾルタンは巨大な外套の下に身を隠し、微動だにせず僕たちを見つめている彼女を指差して続けた。
(おそらくキャンプの中では、彼女がデンリ族であることはすでに知れ渡っているのだろう)
「彼女はあくまで監視役だ。いかなる場合も介入しねぇ。たとえお前らが生きたままバラバラに引き裂かれようともな」
ゾルタンは最後にもう一度言葉を切った。北の方向、山々の方角を見つめ、やがて視線を僕たちに戻した。彼の目が、ほんの一瞬だけ僕の上に留まった。
「さっさと成長しろ、クソガキ共。外の世界は、お前らの準備が整うのを待ってはくれねぇ。さあ、出発だ」
それ以上何も付け加えることなく、ゾルタンとガレクは僕たちに背を向け、門から出て行った。
カシアンは自分のグループを呼び集め、彼らを外へと誘導した。
直後、ヴィラが両手を叩いた。
「私に続きなさい」
僕たちは彼女の後に続いて広場を出た。外壁の近くにある大きな門に到着すると、そこには馬に引かれた二台の重厚な荷馬車が待機していた。
そのうちの一台は、まさにカエルのところにあったあの馬車だった。
ヴィラは黒い軍馬に軽々とまたがった。
僕は自分のチームと一緒に、最初の馬車に乗り込んだ。
木の背もたれに寄りかかり、袋から支給された胸当てを取り出して身につけた。革紐をしっかりと締めた。
少しして、胃が収縮するのを感じた。
そして、隠しておいた予備の食料のことを思い出した。
(あそこに隠しておいた食料が、三日間もつかどうか分からない 。なぜ先にもっと食べておかなかったんだ?)
僕はため息をついた。
僕たちは狩りをし、音を立て、最悪の場合、得体の知れない生物の皮を剥いで食べなければならないのだ。水の問題は言うまでもない。
(ミラが正しい。あの中で料理をするのは絶対に賢明じゃない。彼女がまともに考えるのを見るのは珍しいな)
(普段なら、言葉が彼女の思考の代わりをしているようなものなのに)
出発の直前、ヴィラはこの旅が五時間にも及ぶ果てしない道のりになることを告げていた。
張り詰めた沈黙が破られるまでに、そう時間はかからなかった。
テオとソランが突然、僕の両隣に腰を下ろした。
「なぁ、ルティアン! お前、いつラプランと戦ったんだよ!」
ソランが笑いながら、僕の首に腕を回してきた。
「あんな魔物と戦ったのに、俺たちに何も言わなかったのかよ!」
僕は目を閉じてため息をついた。
「それは……秘密にしておくべきことだったんだ」
「チッ! あんたがラプランと戦ったですって? 冗談はおやめなさい」ミラが吐き捨てるように言った。
それまでずっと黙っていたギルドが、いつもより真剣な眼差しで僕を見た。
「叔父上……」ヴィラの方を見て、わざと咳払いをしてから続けた。
「ヴォルガト卿なら知っていたはずだ。卿の目はどこにでも届く。なぜお前はまだここに残されているんだ?」
(父上……?)
「まさかあんな話を信じているわけじゃありませんわよね! ギルド!」ミラが彼をたしなめた。
「ゾルタン隊長がそう言ったのなら……俺は信じる。いつのことなんだ、従弟殿?」
ミラは腕を組み、横を向いて苛立たしげに鼻を鳴らした。
(なぜ僕がそのことを話さなきゃいけないんだ?)
ソランが後ろから僕を軽く揺さぶり、哀願するような目を向けた。
(僕に選択の余地はないのか?)
僕はため息をついた。
僕は、ティアから遠く離れたガルガルドの峰の荒涼とした大地で、あの地獄のような寒さの中、どうやってラプランと対峙したのかを話した。腕を折ったことや、その後あのおじいさんのもとでリハビリをしたことも、すべて話した。
もちろん、「あの声」のことや、その声が僕に可能にさせた動きについては慎重に伏せた。単なる幸運だったとだけ伝えた。そんな話を不用意に漏らすわけにはいかなかったからだ。
「おお! すげぇな、お前!」ソランが感嘆の声を上げ、隣でテオも深く頷いていた。
「実はね、君が戻ってこないって気づいた時、僕とテオで君をあちこち探したんだ! 結局、ゾルタンからは『訓練中に怪我をして、厩務員のジジイが面倒を見てる』って言われただけだった。何度かお見舞いに行ったんだけど、あのジジイ、一度も中に入れてくれなくてさ!」
彼は両手をバタバタと振った。
「それが、魔物と戦った後の怪我だったなんてな!」
僕は少し目を見開き、視線を下げた。
(そうか……あの時の少年は君たちだったのか)
「これは重要な情報だ。外の世界で魔物と対峙した経験がある者がいるというのは、俺たちの生存確率を大いに高めてくれる」
ギルドの口調が急に変わった。顔を上げると、彼は身を乗り出し、両肘を膝について、顎の下で指を組んでいた。その眼差しは真剣そのものだった。
「俺は……いや、実は俺たちは、一度も魔物と戦ったことがないんだ……」
彼は、それまでずっと黙っていたミラを指差した。
「だからこそ、すでに魔物と戦った経験がある者が一緒にいてくれると分かって……とても心強い」
最後に、彼は微笑んだ。
「僕は……」口を開いて何かを言おうとしたが、言葉が出てこなかった。
これまでに経験したすべてのことが頭をよぎった。どうやってここへ来たのか。どうやって、何とか生き延びてきたのか。
「すげぇ、って言ったよね?」僕はソランを見た。
(実際は、最悪だった。怖かった。今でも怖い。死にたくなかった。僕は……)
みんなの目には、僕はいつも厄介払いされるべき存在で、屈辱を与えられ、無能扱いされる存在だった。逆に、こんな風に頼られる状況は今まで一度も経験したことがなかった。
僕は視線を落とし、馬車の後部へ移動して、荷台の縁から脚をぶら下げて座った。
目の前を流れていく景色を眺めながら、黙って座り続けた。
(父上……あなたは本当に卑劣な人間だ)
僕は微笑んだ。
(あなたが切り捨てた『落ちこぼれ』が、わずか六歳で魔物を殺すなんて、本当に予想していただろうか?)
今まで、そんな視点で物事を見たことはなかった。
そしてなぜか、自分の中に奇妙な何かが芽生えるのを感じた。
ギルドが僕の隣に座り、僕と同じように脚をぶら下げた。
「お前はどう思う? お前は、俺たちが見たこともないものを見てきた。それにヴィラ師範も、この一週間は実質的にお前だけに特別な指導をしていた。俺の考えでは、森の中でお前が俺たちを指揮するべきだと思う」
僕は信じられないというように、目を見開いた。
全身に震えが走った。
(僕が……彼らを指揮する?)
僕が答える間もなく、背後から突然大きな物音がした。
僕とギルドは同時に振り返った。
ミラが勢いよく立ち上がり、両手を腰に当てていた。
彼女の青い瞳が僕を射抜いたが、僕は奇妙なほど冷めた気持ちで彼女を見つめていた。
それは、雨の中でレイナルドと対峙した時に感じた、あの絶対的な冷たさと同じだった。
僕は数秒間、彼女を見つめ返した。
「僕にはそんな気はないし、誰も導いたりしない。そういう柄じゃないんだ」
僕は再び、荷馬車の外の世界に視線を戻した。
「指揮はミラに任せるよ……彼女の方が前線に立ちたがっているみたいだしね」
(少し直接的すぎただろうか……? 僕はどうしたんだ?)
ミラは軽蔑するように鼻を鳴らした。
「落ちこぼれが自分の身の程をわきまえたようね」彼女は毒づいた。
「妹よ!」
宮殿にいた頃、自分の価値を証明しようとしたことは何度もあったが、うまくいったことなど一度もなかった。僕は身をもってその教訓を学んでいた。ここでも、そしてあの下層階でも。
(勝手に優越感という幻想に浸っていればいい)
(いざという時、君が最初の標的になるんだ)
僕は歯を食いしばり、背後で小さくなっていくアイゼンハルトの宮殿とガルガルドの峰々を見つめた。
進むにつれて、ウィストリアの景色が目の前に広がっていった。
わらぶき屋根と粗削りの石でできた農村を通り抜けた。畑で腰をかがめる農民たち、痩せこけた家畜の群れを追う牧畜民、そして疲労に顔を刻まれた商人たちの姿が見えた。
(この新しい世界には、何が待ち受けているんだ?)
これまでに学んだことのすべて、自分にできると思っていたことのすべてが、突然あまりにも小さなものに思えた。
それでも、僕は背中のハンドクロスボウの柄に触れた。
僕はもう、月の間で震えていたあの怯えた少年ではない。僕には目的があり、ゾルタンのあの言葉が胸の中でこだましている。
永遠にも思えるほど長い時間が過ぎ、ようやく荷馬車は速度を落とし、完全に停止した。
蹄の音と木が軋む音が止んだ。
ヴィラが馬から飛び降り、大きく背伸びをするのが見えた。
「到着よ」
僕が最初に馬車を降りた。テオとソランは道中で眠り込んでしまっていたため、ギルドが彼らを起こしに行かなければならなかった。
少しして、ミラも馬車から飛び降り、両腕を頭上に伸ばした。
「やっと着きましたわ! もう限界でしたのよ!」
空気が違っていた。湿った苔と樹脂の匂いがした。ガルガルドでさえ嗅いだことのない、野生の強烈な匂いだ。
僕たちの目の前には、グラムラーの谷が広がっていた。鋭い岩々によって切り裂かれた、灰色の草で覆われた盆地だ。
そしてそこから、百メートルも離れていない場所に、そびえ立つ越えられない壁のように、黒く密集した『グラムラーの森』の境界線が立ち塞がっていた。
木々はあまりにも古く、複雑に絡み合っていて、太陽の光は最初の枝葉を越えて、森の奥まで差し込むことさえなかった。
本当の試練が、今まさに始まろうとしていた。




