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プロローグ
人は言う。終わりとは、闇の帳が世界を覆う瞬間なのだと。
嘘だ。
僕を迎えたのは闇ではなかった。
純白で、容赦のない光の海。そして、絶対的な静寂。その中では、空間という概念さえとうに消え失せていた。
(僕は……死んだのか?)
僕は自分の手を見つめた。
傷はない。ほんの数瞬前まで僕を窒息させていた血の跡すら、どこにも残っていなかった。
一歩、踏み出してみた。
裸足が沈み込んだのは、一点の汚れもない草原だった。その草の一本一本が、地平の果てに広がる無限の白と溶け合っているように見えた。
この完全な無音。微動だにしない空気。焼けることなく、ただ僕を包み込む光。
(ああ……なぜか、この場所には見覚えがある)
だが、それがどこなのかは思い出せなかった。
僕の周囲で、空間そのものが波打ち始めた。
映像の断片が、水面に揺れる反射のように、空中で舞い始めた……




