1章-4
ようやく続きを載せました。少しですが・・・。次頑張ります。
「あ~もう!気持ちの底にタッチしたんだから、浮上するだけよ!」
瑠璃は突然声を発した。
(一体私はここで何やってるの?この3年間を思い出してたからって、私なりに頑張ったんじゃないの?)
体調が少し上向いたと思って、声を上げてみたものの、声が廊下に少々反響しただけである。
本人は大きな声を上げたつもりだったが、最後の言葉はかすれ、言い終わった後は、息使いも荒くなってハアハア言っている。
気持ちは落ち込まない様に出来ても、身体が付いてこないという事らしい。
それに、声を上げても、自分も、周りも、なんの変化も無かった。
それにしても?監視カメラとか何処にあるんだろうと廊下を見回しても、それらしい物は見当たらない。
(普通に監視カメラがあれば、すぐに連絡とか入って警備の人とか来るんじゃ無い?)
誰か来たら、どう説明するべきかと考えていたのに、廊下に座って30分以上経っても、なんのアプローチも無い。
(監視カメラがあるのか、無いのか判らないけど、総務の人達が来たら恥ずかしいかも・・・)
碧君が、もしかしてマー君じゃない他の人を呼んでくる可能性も、無きにしもあらず?と瑠璃は考えていた。
このビル51階は大小多数の会議室があり、その中には防音タイプの部屋もあり、小さいながらも資料保管室もある。
会議室を使用して無いからといって、監視カメラが作動して無いはずは無い?。
55階より上のフロアになると役職付きの個室が多くなるので、監視カメラと社員カードでフロアへの入退室管理がきっちりされている。
(忘れ物届けとかで、何度か行った事があるけど、その度にやたら厳しいんだなって思ったものね)
(それに警備ロボットも見当たらない、5階か3階?毎に1台稼働させてるんだっけ、今は何階を回っているのかなぁ)
(でも、小学生の碧君が出入りできると言うことは何かしらの申請してるはず?)
(ただ、廊下に座っているだけの人は監視対象にならないとか?)瑠璃はなぜか監視カメラに固執している。
マー君を呼んで来ると、行ってしまった碧君を信じて無いわけでは無かったが、監視カメラというシステムにも不信感が湧き上がってきた。
(それとも何かメンテナンス中とか?)と思ったところで、ようやく、これ以上、監視カメラの事は考えるのをやめようと思った。
それより、(このまま意識が飛んで倒れたら・・・んっ、だとしても、今日の午後のお掃除ロボットには発見される?)
だと、どうなるんだろうと、口角を上げてニタと笑ったつもりで、気持ちを持ち上げようとしている瑠璃。
(今は監視カメラの事より、再度、上司の挨拶のアポ取り忘れないようにしなくちゃ)
そう思ったら、なんとなく、肩の力が抜けた気がして、廊下の壁にもたれたまま目を閉じた。
瑠璃は入社してから、水無瀬部長の経歴を知った。
日本の有名大学卒業後、海外に2年ばかり留学してから入社、20代後半で部長代理に就いた仕事デキの人。
会社の方向性・新規事業とかを決める経営戦略室に席を置き、その他、社内の責任者の肩書きを多数持たされている。
コミュ力が高く周りからも慕われ、そのせいか色々な部署に顔がきくタイプと、社内で言われている高い評価。
なので、もうすぐ部長代理の代理が、取れるんじゃ無いかとも、身長も高くもちろん顔もイケてる面。
瑠璃の配属先の直属の上司になった内藤リーダーが、水無瀬部長との仕事の関係を話してくれた。
「水無瀬部長代理からすると、私のような、年上の部下になる者は沢山いるが、若いのに、うるさい年寄りを上手く使えているよ」の言い方が好印象に聞こえた。
だからこそ、瑠璃を会社に押し込む事が出来たと思うが、部長の叔父の副嶋医師に聞くと、まだまだ若くて未熟なところが多いだろと言う。
副嶋医師は瑠璃に水無瀬部長の子供時代の思い出話をしてくれるが、野々宮部長と幼なじみだったとかで、二人とも元気が良すぎて、よく振り回されていたらしい。
なので、甥っ子の今の出世を喜んでいるのか?それとも癪に障っているのか?瑠璃はどっちなのか判断が付かなかった。
けれど、瑠璃を会社で働く事が出来るようにして、実際働き始めた頃、
「この甥っ子は、ようやく仕事が出来るようになった」と、つぶやくのを聞いて、喜んでいるのだと思った。
瑠璃は、今から約3年前の春、会社側の受け入れ準備が整ったからと入社事前面接を受け、その時初めて水無瀬部長代理と会った。
人事担当の偉い人?数人と、水無瀬部長代理を紹介されたが、緊張で何を聞かれ、どう返事をしたか、その時のことをほとんど覚えていない。
あの緊張のせいで、終わったあとの疲労感がすごかったが、次の日の体調は思ったほど自律神経失調に振り回されはしなかった。
不思議に思った記憶が残っていて、それは会社の印象は悪くなかったって事かなと、前向きな気持ちで新しい環境に踏み出せると思った事は覚えている。
瑠璃の入社のきっかけは、水無瀬の叔父の副嶋医師からの仲介だが、社内外的に「国の施策を引き受けた」と言う責任が水無瀬部長について回る。
国の施策の試策なので、評価を図るという名目もあり、定期的に総務から瑠璃に近況を聞くというスケジュールが取られていた。
が、そのときの瑠璃は、そんな責任問題も合わせて計られてるなどと、全然気づいてはいなかったので、水無瀬部長本人に直接聞いてしまった。
「総務から定期的に面談するって言われたのですけど、なんて言えば良いですか?」と。
水無瀬部長も一瞬、無表情になったけど、すぐに笑顔になって、
「総務に何を聞かれても、君の思ったことをそのまま話せば良いよ」という答えが返ってきた。
そのときは、水無瀬部長代理の表情の変化に、ひっかる物を感じた瑠璃だったが、それが何かは判別できなかった。
ただ、その何かが判らないなりに、頭のどこかにはひっかかっていたので総務の人との定期面談の折りには、当たり障りの無い、良い方の感想を述べた事は覚えている。
瑠璃の叔父にあたる、皆藤 瑛は副嶋医師と同じ大学を卒業し、副嶋医師より2年先輩になる。
先輩後輩の関係で知り合っていたのと、副嶋医師はたまたま、瑠璃の家の近くで心療内科を開業したこともあり、瑛の紹介で瑠璃の主治医となった。
皆藤 瑛は瑠璃の母親の葵の弟で、皆藤家の事情により、瑛が高校生くらいから、葵の家に住む様になり、瑠璃が生まれて3歳になる頃までには完全同居となった。
それで、瑠璃が生まれた時の、ぽちゃぽちゃの赤ちゃんの可愛さにメロメロで、シスコンならぬ姪コンと自称するくらい瑠璃を可愛がっていた。
瑠璃の両親は瑠璃が高校生の頃から、海外で仕事を初めていたので、瑠璃は瑛と家事を分担しながらの同居生活を送っていた。
瑛の仕事も、出張等が多く瑠璃が実質一人暮らし?と思える状況によくなっていたが、それに対応する環境は整えてもらっていたし、何ら不都合無く高校生活を送っていた。
この廊下編を早く終わりたいと思ったのですが、文章の下手さと遅さで、分ける事にしました。
1-6くらいまでになるかもです。
この一章は廊下編とした方が良かった?物書き初心者は後から後から思いつくことが多過ぎですね。




