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的外れな催眠チート ~面倒臭がりが召喚されました~  作者: 山田 武
大きな戦いに挑もう

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間者か問われよう

皆さん、大変お待たせしました!



「冗談。冗談だよ……ツミキさん?」


「ツルネよ! 一文字しか合ってないじゃないの! ったく、これだからイムは……」


「えっと、何をしに来たんだ?」


「何を、ですって? アンタ、いったい何をやらかしたのよ! 心配した……心配なんてしてないんだからね!」


 どっちだよ、そう言いたかったのだがここはグッと飲み込む。

 ツッコミ一つで揉め事にはしたくなかったので、深呼吸をして黙殺した。


「何をと言われても……派遣された先の国でまったりやっていただけだけど。そりゃあ頼まれて、別の国でクラスメイトと再会することもあったけど」


「そうじゃなくて……ええい、私は遠回しな問いなんかできないのよ! イム、アンタは魔族の間者なの?」


 おっと、こりゃまたストレートに。

 しかしまあ、魔族の間者ねぇ……俺はいったい、誰に情報を報告するんだろうか?


「違う」


「!」


「しいて言うなら、俺は…………まあ、自分が派遣された国の間者になった。お前だって分かっているだろう? この国が、外じゃ全然評判が良くないことぐらい。ああ、誰も聞いてないから本音で大丈夫だぞ」


「……ええ、たしかに。けど、アユミたちはそれを気にしていないわよ。あのユウキも」


 ユウキからかと思ったが、同じ女子であるあのヒ……ヒライ君のヒロインっぽい女から先に言うのか。


 割とどうでもいいっぽいが、誰に意識を向けているのか分かる言い方だ。

 まあ、傍から見れば悲劇のヒロインだったから、気にかけていたのだろう。


「ねえ、イム。アンタは魔王に会ったの?」


「まあな。いちおうこの国が行っていることは、根本的な部分を除けば当たっている。俺は魔族に接触したし、情報の横流しも経験している。もちろん、利益も得てな」


「なんでそんなことを……」


「分かっているだろう? ユウキ、そしてお前たちがこのままこの国の思惑通りに進んだ結果がどうなるかぐらい。リーダーが洗脳を受けたままの以上、どうしようもならない」


 和弓女子はどうやら精神がかなり丈夫なようで、この国の精神誘導魔法の影響下に入っていない。


 弓は精神統一が云々とか、そういえば言っていたような気もするな。

 まあ、面倒だしうまく無効化できたということだ。


 最初さえどうにかできれば、レベルを上げてさらに抵抗(レジスト)率を上げられるし。

 催眠魔法はともかく、精神魔法は相当効きづらいんだろうな……。


「やっぱり、ユウキも……おかしいと思っていたのよ。アイツにしては、妙に物分かり良く王様の話を聞くから」


「それはもともとな気もするけど」


「アンタの話を聞いたとき、クラスメイトのことなんだからもう少し食らいつくと思ったのよ。けど、結果は違った……そういう理由があったのね」


「ふーん。まあ、俺はこのまま死ぬ気はないから気にするな。それより、これからどうするつもりだ?」


 事情を聴いただけで満足するかと思ったのだが……うん、何かしたそうな眼だ。

 面倒ごとを察知する、地球の時から妹に鍛えられた才能が警鐘を鳴らしている。


「イム……その魔法ってどうにかできないのかしら?」


「なんで、それを分かると思う?」


「勘よ。あんたなら、きっと知っている……どうなの?」


「はあ……絶対に解けないわけじゃない。ただ、念入りに準備していた魔法だから時間があればあるほど解きづらくなる」


 水に絵の具を垂らすとき、量が少なければ水は濁らない。

 だが、垂らせば垂らすほど染まり……ただ水を注ぐよりも元に戻すのは難しくなる。


「ふっふーん。私には、精神に関する異常を治すことができる武技があるのよ。だからそれを使って、治せる人だけでも治す」


「ふーん、じゃあ頑張れば? 俺は命が危うい状況だから、手伝わないで逃げるけど」


「分かっているわよ。けど、できるなら足止めをしてほしいの。少し時間の掛かる武技だから、その時間だけ」


「……まあ、治せるか知りたいか。方法を問わない、俺をどうにかしたいとか言う奴らを留めておいてくれるなら別にいいぞ」


 足止めはもともとやる気だったし、そのやり方を変えるだけでいい。

 おまけに和弓女子の助力も得られるし、一石二鳥だ……武技も見ておきたいな。


「契約成立。じゃあ、とりあえずそろそろここから離れた方がいい……面倒事が来る」


「分かったわ。けど、死なないでよ」


「死にたくないから逃げるんだろ? わざわざ死ぬわけないだろう」


「……そうよね。アンタはそういう人だったわ、忘れていたわね」


 そう言って小さく笑い和弓女子が去る。

 楽しい話はなかったと思うが、それで作戦の成功率が上がるならいいか。


「マスター、それでどうするの?」


「話した通り。サンプルが欲しかったし、ここで見ておこう。ハーレムパーティーに選ばれた奴が、どれくらい成長しているかを見る機会でもあるか」


「……いや、そうじゃなくて。というか、どうしてぼくが分かるのに、マスターが分からないのさ」


 何を分かったのか、そして何が分からないのかは……まあ、面倒だしどうでもいい。

 そろそろ来るだろう客人を、招き入れる準備を始めなければ。



それでは、また一月後に!


最後まで読んでいただきありがとうございます。


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誤字脱字報告、また質問疑問なども大歓迎です。

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