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success!  作者: kimberlite
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episode8・練習試合(2)

「ヘイヘイ、ピッチャーシスコンだよ」

「シスコン! シスコン!」


 マウンドに向かった早瀬に対して、シスコンというヤジが飛んでくる。 

「うるせえ!俺は妹が好きなんだ! 何の問題があるんというんだ!」


 ビュッ!ズバァァン!

 もう8回だというのに、球威が上がる早瀬。早くも2者連続三振で2アウトをとる。若菜は早瀬の完投を願いつつ、やっぱりピッチャーなんだから投げたいという気持ちにで葛藤していた。

 若菜はそう思いながらマウントで躍動する早瀬(シスコン)を見ていた。

 しかし、そんな投げたいという若菜の欲望にも近い感情は皮肉にもかなえられることとなってしまうのだった。


 カキン!バチッ!

 ピッチャーライナーが早瀬の右手を弾いたのだ。早瀬はマウンドでうずくまっており、内野陣が集まる

「あ、ああ……。なんとかな」

 そういって早瀬は、落ちた帽子をかぶり直そうとするが、早瀬は帽子を落としてしまう。

 その様子を見た柏木はグラウンドを見渡した。早瀬の投球続行が困難となった今、若菜にリリーフするしかない。予選まで若菜は秘密兵器として隠しておきたいのが、柏木の本音であったが、スタンドに偵察がいないことを確認してから、ベンチを出て、マウンドに向かう。

「タイム!早瀬、無理はするな」

「い、いけますよ」

 早瀬は強気に反論するが、柏木は早瀬を諭す。

「帽子を落とすくらい握力が落ちてるのに、強がるな、やむを得ないが出すぞ」

 柏木はそう言って若菜を見る。


 ーー投げろーー


 柏木の目はそう語っている。グラブを左手にはめて若菜がマウンドに向かった……。

「ピッチャー交代!早瀬から氷室へ!」

 柏木が審判に告げた後、若菜はマウンドへ向かい、早瀬からボールを受けとる。

「すまないな、完投する気でいたのに」

 早瀬は悔しそうにマウンドを降りる。その早瀬に舞が労いの言葉をかける。

「お兄ちゃん、ナイスピッチング!すごい闘志だね、あのライナーを素手で止めようとするなんて」

 早瀬の頬が思わず緩んでいた。


「お、おいあのリリーフ女だぞ」

「どんな球投げるんだろうな」

 祥村のベンチはリリーフに出てきた若菜にざわついている。


ビシュッ!ズバァァン!

「ちょ、待てよ!さっきのシスコンより速いんじゃないのか!?」

「しかも、速いだけじゃなくてノビもありそうだぞ」

 若菜の投球練習を見た祥村のベンチが再びざわついた。

「プレイ」

 プレイ再開を告げる審判の声が響くと若菜はセットポジションから第1球を投じる。初球はストレートだった。


ズバァァン!、ストライーク!

「若菜、ナイスボール!」

 前の回から守備に入っている真弓から若菜へとボールが返ってくる。若菜の肩が暖まりきっておらず100%のボールではないが、ボールに気圧されたのか相手打者の表情は完全に死んでおり、若菜はその打者を三振に打ち取った。


「よーし、この回だ!前の回と同じ戦法で点を取るぞ!」

「オー!!」

 チームの反撃ムードは最高潮へと達する。





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