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陰陽師の名家のイケメンなのに霊力ゼロな俺。全部マネージャーの女が祓ってるけど、アイツ全然可愛くない  作者: かにえR
【第二章 視えない男の煩悶】

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第十三話 嬉しかった……?


しばらく歩くと、菅原が立ち止まる。


「通勤ラッシュが過ぎるまで、あそこのスタバで待ちますか?」


「は? あ、あぁ。そうするか」


「何にしますか? 最近奢ってもらってばかりなので、私が払います」


「いい、俺が出す」


「嫌です。私が払います」


「頑固だな。俺が出すって言ってんだろ」


「いえ、私が払います。これがあるんで」


そう言って、スタバのプリペイドカードを出す菅原。“HAPPY BIRTHDAY”と書かれたカード。


「誕生日のやつじゃん」


「はい、これがあるので私が払います」


彼氏か。彼氏に貰ったのか。いや、彼氏ならスタバのカードは渡さねぇ。アクセサリーとかだろ。さすがに。


ドヤ顔でカードを見せつけてくる菅原。


「はぁ、わかったよ」


席に着くと、カバンからパソコンを取り出し、フラペチーノを飲みながら画面を睨みつける菅原。


「さっきのカード、誕生日にもらったのか?」


「はい、店長に。あ、いや、知り合いのおじさんに」


「店長? おじさん? 誰だよ。つーか、誕生日っていつだったわけ?」


「昨日です」


「昨日……昨日!?」


「はい」


「いや、言えよ!」


「言ってどうするんですか」


「いや、別にどうもこうもねぇけど……」


とりあえずスマホを取り出し、スケジュールに菅原の誕生日を入れる。いや、別に意味はないけど。


「いや、さすがにお前には世話になってるし、何もしねぇのは……しかも俺、奢らせてるし……」


「仕事ですから、お気になさらずに。私はあなたのマネージャーなので」


その言葉を聞いて、なぜか少し胸が痛い。ほんの少し。なぜかはわからない。


「いや、そうだけど。仕事のパートナーとしてさ。なんか欲しいものとかねぇの?」


「ありません。お気になさらず」


「炊飯器とか……」


パソコンから目を離し、怪訝な顔で俺を見る菅原。


「なぜ炊飯器……?」


「いや、おにぎり持ってきてるから……」


「上京した時に買ったやつがまだまだ使えるので大丈夫です」


「なんかあるだろ」


「結構です。本当に。大丈夫です」


「頑固だな。欲しいものくらいあんだろ。なんか」


「わかりました。じゃあ、こないだくれたスケッチブック。あれを誕生日プレゼントということにしましょう」


「は? あれは俺がお前の絵を見たいから、あ、いや、どんなのを祓ってんのか見たいから買ったんだよ」


「でも、嬉しかったので」


は……? 嬉しかった? あれが? あんな小せぇスケッチブックが?


「嬉しかった……?」


「はい」


そう言ってまたパソコンに向かう菅原。


嬉しかった……嬉しかったんだ……こいつ……。


「……じゃあ、あと十冊くらい買うか」


「結構です」


可愛くない。まじで可愛くない。この女。


「じゃあ、昼飯は奢ってやるよ。なんか食べたいのあるか?」


「結構です」


「まじで頑固だよなお前。本当に頑固だ。石でできてんのか、お前の頭は」


「はい。石でできてるみたいです。あなたと同じで」


「クッソ。絶対に奢る。引っ張ってでも連れて行く。当ててやるよ。何が食いたいか。焼肉だろ」


「残念、ハズレです! 魚でしたー!」


「クソ!!! まじでなんなんだよお前」


やれやれみたいな顔をしたあと、またパソコンに向かう菅原。


「おい、俺の実力を見せてやるよ。回らない寿司に……」


「わかりました。でも、紫門さんが食べられるところにしましょう。サラダとか、サラダチキンがあるところ」


「は……? いや、別に、俺は何でもいいんだけど……」


「朝早かったし、お腹空いてるんじゃないですか? 探しておきます」


そう言って、スマホを取り出して調べる菅原。


「マネージャーっつーのは、大変だな」


「仕事なので」


また、ほんの少しだけ、胸が痛い。痛かった。


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