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無計画なオレ達は!! ~碌な眼に会わないじゃんかよ異世界ィ~  作者: ノーサリゲ
第三・五章-オレの親友がポンコツなんだよ異世界-
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15.手紙の結果

 * * *


 家に帰ると、シアスタ達が食堂でのへーっとしてテーブルに座っていた。


 分かるよ。夜遅くまで遊んだ次の日ってそうなるよな。遊んだ分のより返しってわけじゃないけど、なんかめちゃくちゃまったりダラダラしたくなるんだよな。


 そんなシアスタ達に、今日の講習は参加しないのかって聞いた。


 そしたら、しないって答えられた。


 理由を聞いてみたところ、何でも今回の講習内容に関してはもう教えて貰ったことと必要のないことらしい。


 平和の旗印と絶・漆黒の影の講習内容は、シアスタ達が前々からよく質問しに行って教えて貰いに行ってた事。


 にゃんにゃんにゃんに関しては剣を扱うものや近接戦闘を行う者が受けるものだから、シアスタ達とは分野が違うとか。


 そしてそれ以上の理由で。「パジャマパーティが楽しみだったので」と楽しそうに答えられた。


 どうやらシアスタ達は講習よりも夜更かしのパジャマパーティをとったようだ。


 ラリルレはシアスタ達のこの意見をちゃんと聴いてから、今回のパジャマパーティを開いたんだろう。


 いいさ、休みの日は皆自由だ。皆が過ごしたい休日を過ごせば良い。そしてあの講習も今回で終わりなわけじゃない。今後も受けられる機会は沢山あるだろう。

 

 今回の講習では初心者へ向けた基礎的な知識を教えるような内容だった。


 クラス毎の教えや応用、発展はこれから教えることになるんだろう。それこそ、講師を引き受けた冒険者によって教えるものは変わって行くだろうから、自分が受けたいと思ったものを受ければ良い。


 そもそも講義とか堅苦しいものを受けたくないオレ達がそのことについてとやかく言うつもりは無いし。そっちはそっちで好きにやってくれ。


 そして、シアスタ達は各々好きに休日を過ごしてくれ。


 ずっと頑張るのもそれはそれで凄いけど、それよりもオレは余暇を楽しむ派だからシアスタ達の休日の過ごし方は推奨派だ。


 オレ達二人はロロをラリルレの頭に乗せた後、テーブルでのへーっとしてるシアスタ達を横目に二階へと上がる。


 目的はナターリアに向けた手紙を書くため。


 その為にオレはソーエンの部屋へと入る。


 ソーエンは元から備え付けられていた机に向かって座る。オレは床に座って壁にもたれかかりながら煙草を吸い、ソーエンの手紙が書きあがるのを待つだけ。


 執筆はあいつが、見直しはオレが。それが無言で決まったそれぞれの役割だ。


 だから、オレはあいつが手紙を書き上げるのを待つだけで良い。


 あいつが困って質問してきたらそれに適当に答えてやるよ。でも、メインはお前だ。お前がまずは――。


「書きあがった。読め」


「早くない?」


 椅子に座ったままソーエンは振り返って一枚の紙を渡してきた。


 こんなに早く書きあがる事ある? って思いながらオレはその紙を座ったまま受け取って眼を通す。


 そこにはこう書かれていた。


『そうかですまん

 今日も騒がしい一日だった』


 と。


「……すげーじゃん。単語縛り止めたのな」


「ああ」


 ……『ああ』じゃねーんだよ!!


 ソーエンの成長に、オレは感動しながらその紙を思いっきり破り捨てたい衝動に駆られる。


 でも、コイツはコイツなりに頑張ったんだ。そんなことしちゃいけない。


「ソーエン、お前はよくやったよ。この一日でよく成長したもんだ」


「……おい。晴れやかな顔しながら何故手紙を破っている」


「あっ……わりぃ、理性と本能乖離してたわ」


 心の強さって怖いわ。頭ではソーエン祝福しながら心ではソーエンの手紙破いてたわ。


「良く考えてみ? お前のポンコツに振り回された挙句、色んな事教えてお前も成長した風の空気出してたのに、最終的に渡されたの紙くずだぞ? オレの回しまくった気は綿アメになってどっかに飛んでっちゃたのかな?」


「良く分からん例えは止めろ。そして殺す」


「はあ!? このクソアホが!! やれるもんならやってみろや!! こちとら朝っぱらから頭痛めながら完全にお前に振り回されたんだぞ!! その結果がこれかよ!! そもそも貪食王戦でオレの腹に穴空けた事は今でも許してねぇんだからな!!」


「表出ろ。あれは良い予行演習になった。今後お前を殺すのを躊躇う必要がなくなったからな」


「やってやんぞコラ!! そんでお前ぶっ殺して死亡回数イーブンにしてやっからな!!」


「ならお前はすっと追いつけないな。お前の回数を+1にする」


「お前がオレを殺すまでに三度殺してやるよ」


「その言葉忘れるな」


「そっちこそな」


 こうしてオレ達は部屋の窓から飛び出した。


 * * *


 後日談。


 あの後全力で戦う為に人目の付かない土地を探し回って走っていたら、ラリルレから『お昼ご飯に皆でグラタン作ったの!! すっごく美味しいから皆で食べよ!!』って言われて全力で家に帰った。


 いやぁ、めっちゃ美味かったわぁ。あの美味しさの前ではオレとソーエンのちっぽけな争いなんてどうでも良くなったわぁ。


 穏やかな心のまま、二人でキャッキャウフフしながらナターリアに手紙をたしなめたよ。そして二人でキャッキャウフフしながら配達ギルドに手紙を持って行って特急で出したよ。


 そういや何でいっぱしの冒険者が王族に手紙を送れるのか聞いたら、ソーエンがカフスに相談したら封蝋の印を貸してくれたそうだ。しかもすんなりと。


 それで何で王族に送れるのって思ったし、それ良いの? って疑問もよぎったけど、この際どうでもいいやー。キャッキャウフフ。


 そして過ごすこと数日。今朝に返事の手紙が届いた。


 朝一で受け取ったオレはソーエンの部屋に持っていって、叩き起こしてそれを読ませた。


 オレはその手紙の内容を知らない。でも、その手紙を読んだソーエンが少し笑ったから、きっと良い内容だったんだ。


 だからその様子を見てオレは部屋を立ち去ろうと扉のノブに手を掛ける。


「イキョウ」


 でも、その行為はソーエンに呼ばれて中断させられた。


 ノブから手を離し、ソーエンを見る。その眼はにやっとしていた。


「ナターリアからだ。『そうか、です』だそうだ」


 それを聞いてオレも思わずニヤッとする。


「仕返しとかやるじゃん。さっさと残り四通分ちゃんと返すぞ」


「ああ。だが、今日は休日ではない。すぐにクエストを終わらせ、手紙を書く」


「内容は?」


「今日も俺の一日にする。クエストも含めてだ。だから付き合え」


「まったく、不器用な奴だよお前は」


 でもお前がそう言うならしゃーないから付き合ってやるよ。


 手紙をボックスへとしまったソーエンはベッドから立ち上がる。だからオレは必然的に扉のノブに手を掛けてその扉を開く。


 そしてオレ達はまたネタを捜す為に、今日という一歩を踏み出した。

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