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クソボケ激メロ術師の現代伝奇バトルでハーレム構築スローライフ希求譚  作者: 所羅門ヒトリモン


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第14話「底知れぬ強者の力」



 白木蓮が咲き誇る。

 春風が薫り、ウグイスやメジロ、ヒバリといった小鳥たちが活発に囀り出す。

 枝で舞い、のどかな樹冠の天蓋を形作り。

 その足元では、秋の稲穂が黄金の波濤を広げていた。

 壁には栗が実り、葡萄が垂れ、肥えたウサギを追いかけキツネが尾を回す。


 炎上していたはずの公会堂が、春と秋の原風景に浸蝕されていく。


 ステージホールは瞬く間に物語領域と化し、貴き女神の神聖さが厳粛な帳を下ろす。


 豊葉と依穂は神巫(かんなぎ)となった。

 蟻道の術式によって暗示をかけられ、意識が無いまま巫術を行使している。


 その姿は長大な狐耳と、五本の狐尾を生やした艶麗な巫女姿。


 神聖にして豪華なる伝奇正装を身にまとい、しゃらん、しゃらん、と舞踊を奉じ始めている。

 里山公園で千景が演じたものと、同じ詩と振り付け。

 式神であるハルミもまた、大蛇の下半身に六臂の異形、豊葉や依穂より巨きい狐耳の女神へ変じている。


「……露出が減ったのは、いいことなんだが」

「 LA() 」

「炎を消されるのは困るな」


 神楽舞に興じるかのような、極上の笑みとともに鳴らされる女神の喉。

 秋水はハルミから繰り出される斬撃を、手を使わない側転で回避する。

 変化は公会堂の異界化だけに留まらない。


 豊葉と依穂は二段階目に到達したことで、式神のパワーアップと進化を促した。


 舞踊が続けば続くだけ。

 詩の詠唱が続けば続くだけ。

 ハルミは本来の神格を取り戻していき、その一挙手一投足には春と秋の権能が付きまとう。


 現に斬撃の通り過ぎた跡には、さらなる()()()がもたらされていた。


 万物を強制的に《春》か《秋》に固定・変換する事象の書き換え。


 最終的には、ハルミの視線や声を聞くだけで霊的干渉を避けられなくなるだろう。

 秋水は契約によって主人であるはずだが、現状、蟻道の術式によって、そのあたりは裏技を使われたと見るべきだった。


 恐らく、いまの彼女たちに秋水は秋水だと認識されていない。


「さぁ、どうです。豊穣の女神。これなる神威。果たして青墨秋水に通用するものか否か。いざ尋常に、尋常に」


 蟻道は依然、ステージから動こうとしなかった。

 炎が消え、代わりに土や草花が辺りに広がって、逃げ道が復活しても。

 野良術師は己が仮説の立証を見定めんとし、秋水を観察している。


 秋水は極わずかに眉を顰めた。

 極めて、不愉快だった。


 そのため、秋水はどちらがマシかを考える。

 このまま様子を見続け、蟻道の底を暴き立てるか。

 それとも、力でねじ伏せこの状況を終わりにしてしまうか。


 前者を選択すれば、智慧の利剣を研げる。


 蟻道の術は解体され、秋水の周りでは二度と蟻道の手によって誰も誘拐されたり、暗示をかけられたりはしなくなるだろう。協会の意向も汲める。


 では、後者を選択すれば?


「……」


 蟻道は再起不能になる。


 ああ、殺しはしない。

 人を殺せば寝覚めが悪い。

 そうとも。秋水が何故こんな輩のために、今後の人生、折々で人殺しの罪悪感に駆られなくちゃならないのか。


 自由とは、贅沢とは、快楽とは。


 憂鬱な気がかりがある状態では満喫できない。


「ハァ」


 溜め息。

 少し考え、秋水はもう後者でいいかと思った。

 こうして選択肢を悩む時間さえも、人生を無駄に浪費している気分になったからだ。


 生殺与奪の権を握り、最初から最後まで余裕がある状況というのは。

 選択肢が豊富にありすぎるせいで、無駄な思考を挟んでしまうのが玉にキズだった。


 とりあえず、蟻道を斬ってから考えれば良い。


「 LAA(ラァァ) 」

「美声だな」


 空中をさらに三連続で回転して、不可視の斬撃を躱す。

 躱し、すぐさま上下背後からも格子状の斬撃が来たので、爪の動きはもはや関係ないのだと悟り。


「〝カン〟」


 伝奇詠唱で以って、それらを圧砕した。

 不動明王の炎は魔性特攻。

 神性には効きづらいが、ハルミとは異なる神格(ルール)である事実は変わらない。


「ようやく詠いましたか」

「ああ。そんでもって、終わりだ」

「なに……?」


 まだ異界化しきっていない天井。

 辛うじて残されていた公会堂ステージホールの空を踏んで、秋水は()()()()()()()()


「な……え?」


 蟻道には何が起こったかも分からないだろう。

 そのくらい隔絶した実力差を以って、秋水は跳躍したのだ。

 通常は下から上へ行われる動きを、上から下へ。


 倶利伽羅剣は蟻道も言ったように、退魔の煩悩祓滅剣。


 術師が望まなければ、人間は斬られても斬られない。

 ただその内側の、悪心や邪念のみを断たれて焼却される。

 胴体を正面から掻っ捌かれた感触があるのに、腹がまだ繋がっていて命があるのは、果たしてどんな気持ちだろうか?


 何にしても、蟻道はもう終わりだった。


 どんな目的。

 どんな理念。

 どんな思想。


 すべて関係なく。


「強制改心剣とでも言えば、分かりやすいか?」

「ぐっ、まさか……そこまで術式の応用を……!?」

「オマエが二段階目に到達してたとしても、キャリアが短すぎるんだよ」


 秋水に斬られ、それでもなお未だに意識を失わずに済んでいるのは、やはり蟻道が二段階目に到達している術師だからだろうか。

 一秒ごとに改心が進み、内面を文字通り作り変えられる変化の最中。

 蟻道はそれでも、猶予を作るだけの抵抗を示していた。


「まだですッ、やつがれはまだッ」

「自分自身に術式を使ったか」


 秋水は再度、ステージにうずくまる蟻道を背中から斬り裂く。


「ぐぁッ……!」

「終わりだって言っただろう」


 くたびれたスーツ姿が抵抗虚しく、ついに倒れ伏す。

 蟻道は虫の息になった蟻のように、もがくが。

 肉体的な傷は無くとも、錯覚した激痛による精神的なショックは避けられない。


 秋水は「心底分からないな」と無表情で見下ろした。


 そこに、ハルミが長い尻尾を使って横薙ぎの一撃を寄越す。

 蛇のカラダは強靭な筋肉の塊だ。

 食らえば人間など容易にひしゃげてしまうので、秋水は仕方なく棒高飛びの要領で対処する。


 蟻道は何故? と困惑した。


 仮にも敵対状況にあるというのに、その振る舞いには〝労っている〟様子すらあったからだ。


 一言で言えば、手加減をして攻撃をいなしている。


 蟻道には分からなかった。


「っ、何故です……同じ二段階目同士なのに……!」


 なぜ青墨秋水は、こうも圧倒的なのか。

 蟻道の目算では、いまのハルミは秋水と互角の霊力を持っている。


 神巫二名によるバフ。


 神格の顕現は時間経過によって今も持続的に霊的圧力を強めているし、せめて互角とまでは言わないまでも、何かしらの動揺や焦燥の類いは秋水から引き出せるものだと考えていた。


 だが結果は、無表情(これ)だ。


 蟻道は目算が外れ、何故かと思考する。

 コンマ一秒単位。

 刻一刻と『己』が失われていくなか、恋焦がれた強者の底を見抜かんとして四肢末端にまで力を入れて。


 自分自身の敗北は最初から想定していたため、仮説の正誤だけにこだわる。


 鳶瀬山家の巫女頭と副巫女頭。

 両者の二段階化は、本人たちの意思ではない。

 蟻道が暗示をかけ、強制的に覚醒へ導いた。


 ならばこれは、不完全ゆえの"差"なのか?


 秋水が言ったように、キャリアが短いがゆえの"差"なのか?


 否。


「こっちも、そろそろ終わりだ」


 鎮静化されていた不動明王の炎が、再びメラメラと燃え上がり始める。


 不完全?

 キャリア?


 否。


 否否否、否!


 それだけでは説明がつかない程の、この乖離(かいり)


 青墨秋水は神格を相手にし、なおも余裕を保ち続けている。

 汗ひとつ流さずに、例のヒナギクなる式神さえ召喚しないまま単身で物語領域を奪還し始め、まるで、これでは……まるで……


「次元が、違いすぎる──まさか」

「まだ起きてるのかよ」


 薄れゆく意識。

 重くなる目蓋。

 蟻道は必死に抗いながら、『己』が最後に眼にした。


 青墨秋水の姿が、人から異形のそれへ変化していくところを。


 盗み取った記録には無い。

 二段階目の証である伝奇正装ではない。

 姦姦蛇螺調伏の際、秋水は赤と黒の和装に身を包んだと情報にはあったが、それではない。


 龍。


 黒き龍。


 人型になった倶利伽羅が、原初の自然(秩序)に近い女神の法則をも踏みつけ、絶対的な命令を現世へ下す。


 鳶瀬山家の術式効果が破壊される。

 ハルミの術式効果が破壊される。

 蟻道の術式効果も破壊される。


 純粋なる混沌その重力によって、覆い被さられ。


 百や千どころではないA.N.O.M.A.L.Y.が、黒龍剣士の式神として同時に顕現。


 衝突、堆積、流動、廻天。


 法則が入り乱れ、物語が氾濫し、秩序が狂奔して。

 何もかもが、意味を為せずに破綻して崩れ落ちる。


 蟻道は思い出した。

 青墨秋水にはそう言えば、百鬼夜行を討ち倒した噂もあったと。


「ハハ、ハ……やはり貴方は最高です……最高の現代の術師だ……!」


 ()()()()

 青墨秋水は恐らく、そこへ到達している。


「伝奇正装ならざる、人外魔装……!」


 いったいどれだけの物語を喰らい、取り込めば、人間が龍の鎧を得るに至るのか。

 単純に三つ目の物語を用意したとかではない。

 二段階目から先は、また違うメソッドが存在する。


 それを、蟻道は確信した。


 仮面が割れる。

 ごくありふれた男の素顔が、そこにはある。

 男は最後に、それを手で覆い隠しながら。


 指の隙間から見えたモノに感動していた。


 己が目論見が完全に失敗に終わりながらも。

 思ってもみない最上の結果をもたらした事実。

 それを決して忘れないよう、心に刻み込んだ。


 ああ、しかし。


 ──こんなやつがれにも、まだマトモに人間らしい心があったとは。


 強制改心剣?

 ネーミングセンスは絶望的だったが、蟻道には意外だった。


 圧倒的強者の前では、弱者の意思は通らない。


 それは構わないが、言い換えればこの状況、蟻道は秋水の手で邪念や悪心を立証されたワケでもあって。

 邪念、悪心と自覚できるだけの善性が、反証されたワケでもあって。


 次に目を覚ました時、果たして自分がどんな人間になっているのか。


 蟻道はそれだけが、想像できずに無念だった。




 ◇◆◇◆◇◆◇




「さて」


 誘拐騒動は終わった。

 秋水は犯人である蟻道の身柄を手錠で拘束する。


 協会から事前に借りておいた術式封じの簡易拘束具。


 目を覚ました蟻道がなおも悪事を働こうとするかは疑問だったが、罪には相応の罰則が必要である。


 公会堂のステージホールは、軽い火事に見舞われた程度で済んだ。

 途中で女神の法則が敷かれたため、()が癒されたのだろう。


 豊葉も依穂もハルミも、少し強引な手段ではあったが正常な状態に戻っている。


「……手間をかけたの、ご主人様」

「いや、謝るのは俺だ。オマエがいれば安心だと思って、ふたりを任せすぎた」


 豊葉と依穂は気絶している。

 先ほどまでの変身は解除され、ふたりは下着姿に戻っていた。

 それを今度こそ分厚い布で包んで隠してやり、秋水はハルミへ謝る。


「もっと早く、オマエたちの二段階化について話をしておくべきだった」

「無理じゃろ」


 ハルミは「フン」と鼻を鳴らし、そっぽを向いた。

 こちらもすでに、初回召喚時の姿に戻っている。


「妾が調伏されてから、まだ三日かそこいらじゃぞ? こやつらの心身も落ち着いてはおらなんだし、失敗すれば取り返しがつかんかった」

「なんだ。意外と優しいんだな」

「たわけ。事実じゃ」


 ハルミは拗ねているのか、それだけ言うと実体化を解いて姿を消した。

 神に連なるモノとして、今回の件には不覚を取ったと悔しく感じているのだろう。


 また、意思に反した二段階化によって、少なくない負担を負ったのかもしれない。


 結果的にさらなる力を取り戻したとはいえ、蟻道のような人間にいいように操られた屈辱は大きいのだろう。


 豊葉と依穂に目立った霊的ダメージが無いのは、ハルミがふたりの分の負担を引き受けた可能性が高かった。


 せめてそのくらいはして、神の矜持を保ったというところだろうか。


「助かる」


 特に返事は無いが、秋水は短く礼を告げた。

 そして携帯端末を取り出して、協会に事態の収束を連絡する。


 鳶瀬山家の巫女娘たちは、その特性から蟻道の術式影響を受ける可能性が高かったため、協会の結界内で保護させていた。


 彼女たちの解放も頼み、いつものように後片付け等の事後対応も任せながら、秋水は豊葉と依穂を無事な観客席に移動させる。


 協会の人間が来るまで、しばらくはここで安静にさせておこう。


 と、思っていたのだが。


「……ぅん、あれ、秋水くん?」

「ここは……えっと?」

「気がつきましたか。ああ、あまり動かないでください」

「「え?」」

「おふたりとも、服を剥かれているので」


 身じろぎをすると、いろいろマズい格好になってしまう。

 ふたりは互いの状況を確認すると、「きゃ!?」とミノムシ状態を維持した。


「そ、そうだったわ……」

「なんか、だんだん思い出してきたわね……」

「操られてるあいだの記憶を?」

「ええ。うっすらとだけど」

「……秋水くんに、また助けてもらっちゃったのね?」

「すみませんでした」

「「え?」」


 突然頭を下げる秋水に、ふたりが困惑する。


「守ると宣言しておきながら、今回のような事態を招いたことをお詫びします」

「そっ、そんなっ!」

「秋水くんが謝るコトじゃないわ!」

「依穂ちゃんの言う通りよっ」

「ですが、おふたりは今回、俺のせいで事件に巻き込まれました」


 蟻道鈴昌の犯行動機は、秋水を中心にしている。

 それを思えば、豊葉と依穂は完全な被害者だった。

 しかし、ふたりは「ううん」と同時に首を振る。


「私たちも緊張感が足りなかったわ」

「年甲斐もなくハシャいで、浮き足立っていたせいで注意力が散漫だったのよ」

「これでも術師なのに」

「まさかスーパーの試食コーナーで、術をかけられるなんて……」

「本当に恥ずかしいわ……」

「…………」


 きび団子、まさか本当に経口摂取だったのだろうか?

 秋水は若干気になったが、蟻道の店員姿が想像できず「違う」と結論づけた。

 いくらなんでも、それはシュールすぎるだろう。

 いや、今はそんなコトどうでもいいのだが。


「ありがとうございます。今後は二度と、おふたりを危険な目には遭わせません。誓います」

「ち、誓い?」

「嬉しいけど、ちょっと大袈裟じゃない?」

「いいえ。俺には力があります。その力は何のための力なのか」


 今一度、秋水はそれを肝に銘じておくべきだった。

 これからも今の生き方を続けるなら、それは絶対に不可欠な誓いだ。


 前世のせいで、凝り固まった価値観。

 老爺によって押し固められた傍若無人への嫌悪。


 コイツが足を引っ張ることも多々あるだろうが、もっと暴力を実利的に行使することにカラダを慣らしておこうと秋水は決めた。


 必要とあらば、我意を押し通して周囲を黙らせる。


「俺は祖父が嫌いでしたが、今回の件で奇しくも祖父のやり方にも理があったんだとわかりました」

「そ、そう……」

「秋蔵さんの……?」

「ええ。俺なりのやり方で、まずはそこから始めて行こうと思います」


 秋水の宣言に、ふたりは互いの顔を見合わせ「?」と首を傾げた。

 具体的には、この少年は何をどうするつもりなのだろうか?

 分からなかったが、ふたりはこのとき質問の機会を逸してしまった。


 協会の霊医官がちょうど到着したのだ。


 秋水も蟻道の引き渡しや事情聴取などで忙しくなり、その日は夜までバタバタすることになった。


 よって翌日。


 その答えは、朝になって判明する。


 汐坐の協会に所属する全伝奇術師は、携帯端末を通して驚愕するハメになった。

 協会に所属しない非正規の野良術師たちも、日頃から情報の感度を高めている者はすぐに戦慄した。


 ──当代筆頭、青墨秋水より周知連絡。


〝今後、以下の者に危害を加えた者・加えんとした者は私刑執行対象とする〟


 青墨夏乃。

 鳶瀬山豊葉。

 鳶瀬山依穂。

 鳶瀬山千歳。

 鳶瀬山千景。

 鳶瀬山八千代。

 鳶瀬山八千花。


〝法の庇護は期待されないように〟


 止められる者がいるなら、止めて見せろと言わんばかりのそれは脅しだった。

 朝のドライヤーの時間。

 夏乃が髪を乾かしてもらいながら、「まぁ」と口元に手を当てる。


「お兄様、これ本気ですの?」

「さてな。少なくとも、ハッタリにはなるだろう」

「本気くっさいですわね! やりますわねお兄様! 最近のトレンドでは、乙女は"私にだけ優しい殺人鬼"が大好きなんですのよ!」

「え、そうなのか? ってか、誰が殺人鬼だ」


 乙女、こわぁ。

 秋水は自宅で呟いた。



 ────────────────────


 tips

 

 ◆青墨秋水のコンプラ的に問題のある横暴発言を受けての協会の反応集

「これ、どうするの?」

「どうするって、あんた……」

「我々に拒否権があるとでも?」

「幸い、筆頭は脅し文句に過ぎないって言ってましたが」

「いやぁ、いやぁ」

「本部に乗り込まれたとき、目がガチだったって上層部がビビってたらしいっすね」

「よっぽど腹が立ったのか、普通に姿を晒したそうよ」

「なお、倶利伽羅剣を携えたままだった模様」

「そりゃチビる」

「怖すぎる」

「まぁ、しょうがないよなぁ……」

「先代も似たような事件のせいで、最終的にああだったって言うし」

「うちらとしては、再発防止に向けてどうにかするしかないよねぇ」

「どうにかできるかなぁ……?」

「しばらくは騒ぎが続くでしょう」

「各方面には、それとなく情報をいい感じに回して」

「筆頭をますます抑止力化する方向にはなっちゃうけど……」

「大義名分はそれで通すしかないし、変な正義感に駆られたバカが筆頭に悪感情を持って突っ掛からないようにしないと」

「戦闘狂気取りのバカの対策もね!」

「野良狩りの予算も、増やさないとダメねー!」

「蟻道鈴昌め」

「マジで余計なことしてくれたわ」

「でも、正直にいいですかぁ?」

「なんだおまえ」

「私も筆頭に、名指しで聖域宣言されたい!」

「アタシの名前もリストに追加して欲しい!」

「え、ええぃっ! 盛るなメスども! 仕事に集中しなさい!」

「夏乃ちゃん様が一番上にあるの推せる」



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