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第一幕

初心者なので文章も下手ですが、温かい目で見守ってくれると有り難いです。

全てを失った。


家族も愛する者も。


何も残っていない。


得たものはこの禍々しい力だけ。


どうしてこんなことになったのだろう。


俺から全てを奪ったのは誰だ。


ここの奴等か…。


殺そう。


全てを奪ってやろう。


俺は殺し、壊し続けた。

狂ったように。


その時目の前に少女がいるのに気付いた。


白い髪に紫色した禍々しい目。


狂いかけていた俺を正気に戻すほどの殺気と苦しみと哀しみを紫の目に浮かべていた。


「あなた…誰?」


少女が問いかけてきた。

「…炎磨隼人」


「そ…」


何も反応がない。


まったくもって感情が表情に現れない。


人形と話しているようだ。

俺は彼女に近付いてみた。

しかし、途中にあった見えない壁に遮られてしまった。


「無理…結界…ある」


どうしてだろう。


この少女は自分と同じな気がした。


「俺と一緒に来ないか?」


全てを失った日、俺は白い死神と呼ばれる少女と出会った。









私の名前は下村氷華。


高校二年生の見た目はどこにでもいる女子高生。

しかし、魔獣を倒す使命をかせられた祓魔師でもある。


「氷華!氷華!」


「えっ?なに?」


「何ボッーとしてんの?氷華らしくない」


この子は親友であり、同業者でもある佐々木花。

「ねぇ聞いた?」


深刻そうな顔で聞いてきた。

「何が?」


「教団から連絡があって指名手配犯がこのまわりにいるっていう事だよ」

「へー誰?」


指名手配犯と言ってもピンからキリまでいる。


だからたいした緊張感もなしに次の言葉を待った。

「それが…金色の悪魔と白い死神…」


それを聞いた途端驚愕した。

「それって特Sランク級の指名手配犯じゃないか!」

「そう…『虚無』の第一研究所をたった二人で滅ぼしたっていう…」


虚無というのは我々が所属している教団と敵対している魔の組織だ。


その第一研究所を滅ぼしたというニュースは教団中を驚かせた。


実質こちら側にはなんの被害も受けてないが、危険レベルが高いとされて指名手配された。


「そんな化物私達だけで大丈夫かしら…」


花がボソッと呟いた。


「大丈夫だ。二人で力を合わせればね」


「…そーだね。応援も来るって言ってたし!」


「そう、心配しすぎだ」

私達はそのまま他愛の無い世間話をしながら学校に向かった。







「着いたぜ」


二つの影が高層ビルの上にあった。


「やっと…ついた…の?」


「あぁ。行くぞ、刹那」

次の瞬間には二つの影は消えていた。


これから始まるのは復讐を果たそうとする少年と神に選ばれた少女の物語







夕方、私と花は一緒に帰っていた。


「ねぇ、今日氷華の家に遊びに行って良いかな?」

花が上目遣いで聞いてきた。


「かまわないよ」


そう言った時、花が不満そうな顔を浮かべていた。

「どうした?」


「氷華って冷たいって言うか、男っぽいていうか、変わってるよね…」


それを言われた瞬間にちょっとショックを受けた。


男っぽいは、やだな。


その時、黒フードを被った人が二人、目の前にいる事に気付いた。


「あいつら…」


「あぁ、そのようだ」


こいつらが指名手配犯の二人だと体が感じた。


殺気が剣のように体を突き刺す。


「お前ら、教団の奴等だな?」


大きい方が問い掛けてきた。


「そうだが…」


チラッと花の方を見る。恐怖の色で顔が染まっていた。


「黒野学という男を知らねぇか?」


黒野学…聞いた事がない名だ。


「いや知らない…」


「そうか、ならいいや。行くぜ、刹那。」


刹那と呼ばれた小さい方に話しかける。


「…殺さなくて…いい…の?」


その瞬間刀を時空から取り出した。


花も同時に槍を取り出した。

「何故そんな奴を探すの?」


花が問い掛けた。


「テメェらに話すつもりはねぇよ」


男はぶっきらぼうに答えた。


「…どうする」


小さい声で花が話しかけてきた。


「応援は?」


「もうすぐ着くと思う」

「なら倒すといかないまでも足止めぐらいしよう」

「分かったわ」


私達は覚悟を決めた。


相手は特Sランク級の指名手配犯。


勝てる可能性は低い。


だけど、闘うしかない。

次の瞬間、私達は二人の後ろに回った。


そして武器を振り抜いた。しかし、手応えがなかった。

二人は目の前の離れた所にいた。


「…殺しちゃお…」


可愛い声で残虐な事を言った時、彼女はすでに後ろにいた。


手に持っていた大きな鎌で二人に切りかかった。

間一髪自分たちの武器で防いだ。

しかし、華奢な体とは裏腹にものすごい力で二人とも吹き飛ばされてしまった。

「くっ…」

頭から血が流れ出す。


花は当たりどころが悪かったのか気を失っている。

「くそっ!」


私は意識を集中した。


辺りの気温が下がり始めた。


「やぁぁぁ!」

刀を振ると氷と水の塊が少女を襲う。


彼女は鎌で防ぐが、多少体が凍り付いてしまった。

その次の瞬間、今までの殺気と比べ物にならないくらいの重い殺気を感じた。


そして気がつくと鎌を振りかぶった少女の姿がいた。

(反応出来ない!殺られる!)

目をつぶって鎌が振り落とされるのを待った。


だが、いつまで経っても鎌が振り落とされる事はなかった。


恐る恐る目を開けると、彼女は右の方を不満気に見ていた。


私もそちらに目を向けると、もう一人の男のほうが遠く離れた所で彼女の鎌を持ちながら立っていた。


「もう行くぜ、応援が来たらダルいだろ」

そう言うとフードを外した。

その男の姿は髪は綺麗な金色、目は禍々しいほどの赤眼。

怖い、初めてそう感じた。

「お前名前は?」


「下村氷華…」


「下村…ふーん」


「貴様の名前は!?」


「炎磨隼人」


「なっ!?」


炎磨、この名前を教団の者で知らない者は居ない。

名門炎磨家、今は滅んだがかつては下村家、光坂家などの十大貴族の一つだった。


しかも、炎磨隼人とは千年に一人の天才と言われていた。


「何故貴様が指名手配されているのだ!?」


「さあな?ちっ!もうすぐ来ちまうな…刹那!」

彼の姿が消えた。


「ち…ぇ…」


彼女も姿を消した。


ふぅと一息ついた。


「そうだ!花!」


気を失っている親友の元に駆け付けた。


「大丈夫?花!花!」


「うっ…痛い…」


花が目を覚ました。


「良かった…」


「あいつらは?」


「もういないよ…」


全てを花に説明した。


「そっか…」


その後、応援が来るまで沈黙が続いた。


力の差を見せつけられた。

あの少女の方、私なんて簡単に殺せただろう。


そして、炎磨隼人。


あの距離から少女の手から鎌を奪うなんて…


私達は見逃されたんだ。

悔しい…。






その夜、たくさんの魔獣が空を埋めつくした。

「おもしれぇ…全部喰ってやるぜ」



五分後、あれだけ居た魔獣も全部滅されていた。

そして、隼人の体に吸収されていく。


「こいつらを召喚したのは奴だな…」


そう言うと隼人は闇に消えた。

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