番外編 その⑥ その時、歴史は動いた
其れは偶然か、必然か。
はたまた、天界の誰かの悪ふざけか。
ここにひとりの若者がいる。
名を── 範宴 という。
彼は伝教大師に憧れ、その理想を胸に天台宗を学んでいた。
叡山学習塾ではエリート僧。
なぜなら──
・出生:日野家という貴族の家柄
・修行:エリートコース
・継続:10年以上の苦行を完遂
どう見てもエリートである。
だが、そんな彼にもひとつの悩みがあった。
「……このままだと悟れない……」
いや、知らんがな。
そんなことで悩んでる人類、何人いると思ってんの。
だが範宴は本気で悩んでいた。
エリートだからこそ、悩むのである。
■ 閑話休題
ある日のこと。
叡山学習塾の大師堂・文庫
その中でも 禁書庫 と呼ばれる場所で、
範宴は運命の出会いを果たす。
『焼肉定食完全版』
『倶楽部護摩壇巫女巫女天国』
範宴
「……その考えはなかったッ(電撃)」
悟れないなら、悟らなくていい。
煩悩はゼロにするんじゃなくて、ゼロボンノーにする。
煩悩を抱えたまま、至ればいい。
この思想が、範宴の脳天に落ちた。
■ 範宴、叡山を出る
「叡山では悟れない。ならば──」
そうして彼は、
自分と同じ“エリート闇落ち系僧侶”の先輩、
法然 を頼ることにした。
弟子入りし、名を 善信房 と改める。
■ 法然という男
この男もまた、味がある。
・叡山学習塾のエリート
・しかし悟れない
・だから阿弥陀仏に丸投げ
・「南無阿弥陀仏で救われる」
・既存宗派「は?????」
これが 専修念仏 。
さらに言えば、
法然もまた禁書庫であの二冊を読んでしまい、
天啓を得た人物である。
そりゃあ、悟れないエリート同士、ウマが合う。
■ 浄土宗、爆誕
二人は禁書仲間として意気投合し、
念仏を広めていく。
「念仏となえりゃええんやで?」
「修行? まあ、やりたいならどうぞ?」
「煩悩? あるよね?」
そりゃ人気出る。
既存宗派が
「教えが!」「お布施が!」「天罰が!」「神輿が!」
と騒いでる横で、
法然と善信房は ゆるふわ救済 をやってるんだから。
■ しかし、歴史は動く(今日の一回目)
当時の後鳥羽上皇の女官が、
なんと法然の弟子に感化されて出家。
上皇
「おれの女になにしてんねん(激怒)」
さらに叡山・興福寺が便乗して
「あいつら潰しましょうよ?」
と煽り倒す。
空海と最澄の系列よ、どうしてこうなった。
そして起きたのが──
★ 承元の法難
・吉水道場は破壊
・弟子4名は処刑
・法然(75)→ 土佐へ流罪
・善信房 → 僧籍剥奪、俗人「藤井善信」として越後へ流罪
ここで善信は
「悪人正機」 の思想にたどり着く。
■ 法然 in 土佐
この爺様、ほんとすごい。
・土佐の小さな港町に2年滞在
・村人に慕われる
・念仏をやめない
・どこでも人格者
そりゃ恩赦も出る。
理由は──
・念仏人気が消えない
・法然が人格者すぎる
・老人をいじめると祟られそう
・発端は上皇の私怨
・九条家が「恩赦を?!」と騒ぐ
こうして法然は京へ戻る。
■ 善信房(藤井くん)にも恩赦が届く
「京に戻っていいよ?」
だが、時期が悪い。
越後の冬。
雪。
動けない。
そして運命は残酷だった。
■ 善信、京都に戻る
そこで見たのは──
師・法然の亡骸。
善信
「……師よ……」
悟りとは。
至りとは。
悪人とは。
善人とは。
僧とは。
俗とは。
非僧非俗とは。
誰も教えてくれない。
誰もわかってくれない。
■ 8年間の沈黙
善信は京都で8年間悩み続けた。
・法然の死
・自分の立場
・禁書の記憶
・越後での体験
・人間の煩悩
・阿弥陀仏の本願
そして出た結論。
■ その瞬間 歴史は動いた(2回目)
「人間は煩悩を捨てきれない。
ならば、ありのままを受け入れよう。」
そう、
★ゼロボンノー理論★ である。
煩悩があってもいい。
ありのまま救われる。
至るのは神様の手。
だから念仏を唱えよ。
■ こうして幕が上がる
**浄土真宗。**
食肉OK。
妻帯OK。
煩悩OK。
人間OK。
これがのちに、
信長の時代のアレへとつながっていく。
尾張 違う 終わり のっぶだしね まちがえてもしかたないね
番外編ラッシュ おわりでございま
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本編『空海 ○○○(本編タイトル)』のスピンオフとして、
空海と筆ちゃんが現代に in したお話を別シリーズで連載中です。
本編では描けなかった空海の本音・毒舌・知識量が
現代ネタと混ざってカオスなことになってます。
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