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AIオタクは恋をする  作者: 寺田ゆきひろ
最終章 次世代AIチップ
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第ニ十ハ話 クリスマス・イブ

 今年も早く、秋から冬に移り変わろうとしていた。段々、肌寒くなり、街中ではクリスマスソングが流れる季節となった。


 愛斗は、麗花の部屋で麗花と一緒に期末テストの勉強をしていた。

 愛斗は数学と英語は得意だが他の教科は全然、駄目で麗花に教わっていたのだった。


「ほら、愛くん、そこ、間違っているよ」

「あっ、本当だ」

「愛くんって、結構、そそっかしいよね」

「そうかな」

「そうよ」

「そろそろ、休憩にしようか」と麗花は言って、部屋を出て行った。


 愛斗は、麗花がいない間に昨日のことを思い出していた。次世代AIチップの設計方針をマイクと望月から聞いていたのだ。

 聞いた内容について、設計方針の方法が正しいのか考えていた。

 すると、麗花が飲み物を持って戻ってきた。


「ねぇ、愛くん」

「クリスマス・イブは、どうする」

「んー、麗花ちゃんと一緒にいたいな」

「ふふふ、本当」

「本当だよ、へへへ、最近、僕達、キスしていないよね」

「ふふふ、キスしたいの」

「うん。したい」

「どうしようかなぁー」

「キスしたら、勉強もはかどると思うよ」

「うそだぁー」

「ねぇー、麗花ちゃん」と愛斗は甘えた。

「もう。仕方がないなぁー」と麗花は言って、愛斗とキスした。


 麗花とイチャイチャしていると今日一日が終わり、次の日になった。そして、今日から期末試験が始まる。

 愛斗達は、学校に行って試験を受けていた。

 試験問題は、麗花に教えて頂いたところが出て愛斗は、大喜びだった。

 そして、早いもので期末試験の最終日も終わり、帰る時間になった。


「愛くん、やっと終わったね」と麗花が声をかけてきた。

「やっと、終わったね。嬉しい」と愛斗が言うと詩織が愛斗のところに来た。


「愛くん、相談があるの」

「相談って」

「麗花にも、聞いてほしいんだけど」と詩織は、麗花の方を見て話した。

「いいよ、どうしたの」と麗花も言った。


「実は、クリスマスなんだけど、私の両親が、どうしても愛くんを連れてきなさいと言われているの」

 二人は、「えっ」と声を出した。

「付き合っているのだから、絶対、愛くんを連れて来なさいと言われたの」

「本当に」

「うん、無理だよ。と言っても、一日ぐらい、いいだろうと、お前のことが好きなら来れるだろうって」と詩織が話した。


「愛くん、行っていいよ。クリスマスイブの日は私と一緒にいてくれれば」と麗花が言った。

「ありがとう。麗花ちゃん。詩織ちゃん、クリスマスの日でもいい」

「うん、クリスマスの日でも大丈夫だよ。ありがとう。愛くん、麗花ちゃん」と詩織がホッとしていた。

「じゃ、それで」と愛斗が話すと、今度は、美香が来た。


「愛くん、話があるの」

「何、美香ちゃん」

「うちのお父さんが会社に来てほしいって」

「そうなんだ。じゃ、行くよ。麗花ちゃん、詩織ちゃん、そういうことで会社に行ってくる」と愛斗は言って、先に教室を出た。


 愛斗は、駅に向かい電車で会社まで行った。

 会社の前まで行くと、マイクと望月が待っていた。

「あれ、マイク、望月さん、どうしたの」

「愛斗を待っていたんだよ。愛斗が来るのが見えたかならね」とマイクが話した。

「あれ、呼んでいたのは、俊介さんではないの」

「社長ではなく、来てほしかったのは私達なんです」

「そうなんだ」

「とりあえず、中に入ろう」とマイクは言って会社の会議室に入った。


「実は、次世代AIチップのことなんだが一つ問題があるんだ」とマイクが話した。

「問題と言うのは」と愛斗が聞いた。

「ハートランニングチップとメインチップとのバイパスのデータ転送が頻繁に流れて負荷が掛かり過ぎてしまうんだ」

「そうか、バイパスを太くするとスペース的に無理があるね。分散して細い線を複数接続するしかないかな。少し考えよう」と愛斗が答えた。


「あと、もう一つ、設計は日本で出来るけど、試作の次世代AIチップを作るには設備面でアメリカでないと出来ないんだ。それは、愛斗、わかっているよね」とマイクが話した。

「そうなんだよねぇ。わかっているよ」と愛斗が答えた。


 愛斗とマイク、望月は、問題点を洗い出し一緒に解決方法を模索して話し合った。

 話が終わる頃には、もう夜になっていた。


「愛斗さん、マイクさん、車で送って行きますよ」と望月が言った。

 二人は、「ありがとう」と答え、望月の車に乗り込んだ。


 愛斗は、車に揺られながら悩んでいた。

「本格的に開発をするには、アメリカに帰る必要がある。そうすると、麗花ちゃんとしばらく、離れ離れになってしまう。離れたくないなぁ」

「しばらく会えないとマイクとアンナみたいに別れてしまうこともあるかも」

「麗花ちゃんと別れたくないよ」

「どうしたらいいんだ」と考えていた。


 愛斗が悩んでいる間に家に着いてしまった。

「愛斗さん、着きましたよ」と望月が話した。

「ありがとう、望月さん」とお礼を言って、二人は降りて家に帰ったのだった。

 愛斗は、時間があれば会社に行って次世代AIチップの開発を一緒にやっていたため、学校以外では麗花と話す時間がなかった。

 愛斗が麗花のことを考えながら歩くと会社の近くに可愛いアクセサリーの店があったのを見つけた。

 

 愛斗は、アクセサリーの店に寄ってみた。

 店の中に入ると可愛いハート形のネックレスを見つけた。可愛い指輪とセットになったものだった。

 愛斗は、定員に言って、クリスマスプレゼント用として、包んでもらって購入したのだった。

 少し前にクリスマスイブの日に行く店も予約していたので準備は、できたと愛斗は思ったのだった。

 そして、いつのまにか月日が経ちクリスマスイブの日となった。


 朝、目が覚めると外は、曇っていた。テレビをつけて天気予報を見ると雪が降るかもしれないと話していた。

「今日は、ホワイトクリスマスになるかもしれないなぁ」とつぶやいていると「愛くん、入るよ」と麗花が入ってきた。


「おはよう、麗花ちゃん」

「おはよう、愛くん」とお互い挨拶をした。

「愛くん、最近、忙しいみたいで、一緒にいることができないね。少し、寂しかったよ」

「ごめん。次世代AIチップのことで忙しくて」

「少しは、かまってほしいよ」

「面目ない。だけど、今日は、クリスマスイブだから一緒に食事しよう。店も予約してあるんだ」

「本当、嬉しい」

「麗花ちゃんとクリスマスイブの夜は一緒に過ごしたくて」

「愛くん、ありがとう」

「じゃ、麗花ちゃん、学校が終わったら、制服デートしよう」

「うん、今日は終業式だから学校も早いしね」と二人は、話をしてから学校に登校した。


二人が学校の教室に入ると美香が寄ってきた。

「ねぇ、麗花、愛くん、今日はクリスマスイブだよね。クリスマスパーティーに行かない」と美香が聞いた。

「ごめん。美香ちゃん。僕達、デートするんだ」と愛斗が言った。

「そうだよね。二人は恋人同士だもんね」

「ごめんね。美香、だけど、明日は、私の方が大丈夫だよ」と麗花が言った。

「ほんと、麗花、じゃあ、明日ね。愛くんは」

「僕は、明日は、詩織ちゃんと用があるんだ」

「そう。わかった」と美香が返事をすると今度は、詩織が愛斗のところにきた。


「愛くん。クリスマスの日だけど、朝八時に迎えに来るね」と話した。

「詩織ちゃん。わかりました」と愛斗が返事をした。


 詩織が席に戻ると先生が教室に入ってきた。

 先生は「皆んな、終業式があるから全員、体育館に行ってくれ」と叫んだ。

 皆んなで、体育館に行ってから終業式が始まった。


 そして、学校も終わり、愛斗と麗花は急いで帰りの支度として教室を出たのだった。

「麗花ちゃん。今日はずっと、一緒にいようね」

「うん、愛くん」と二人は大きい公園にきた。この公園は、大きな池があり、二人はボートに乗った。

 愛斗は、ボートを漕ぐのが下手だったので麗花が見かねて「愛くん、私も漕ぐよ」と言って、二人で漕いだ。

「少し、寒いけど気持ちがいいね」と麗花が話していると空から雪が降ってきた。

「雪が降ってきたね。寒いはずだよ」

「ふふふ、私たち、バカみたいね。雪が降る日にボートに乗っているんだから」

「こういうのも、いいんじゃない」と愛斗も話した。


 二人は、ボートから降りて、公園の中を散歩した。すると、麗花が立ち止まって話した。

「愛くん、食事をするときに渡そうと思ったんだけど、寒いから、今、渡すね」と麗花が言った。

「なに」と愛斗が声を出すと麗花がカバンの中からプレゼントを出した。

「愛くん、これ、クリスマスプレゼント」と言って愛斗に渡した。


「麗花ちゃん、ありがとう。中を開けていい」

「うん」と麗花が返事をすると愛斗は、プレゼントを開けた。

 プレゼントを開けてみると、青い手編みのマフラーと手袋が入っていた。

「麗花ちゃん、ありがとう。大事にするよ」と愛斗が言って喜んだ。

 麗花は、愛斗の喜ぶ顔を見て、微笑んだ。


「麗花ちゃん、あそこのベンチに座ろう」と愛斗は言って二人はベンチに座った。

 愛斗は、マフラーを巻いて、麗花にも巻いた。

「二人で、マフラーを巻くと暖かいよ」と愛斗が言って麗花の手を握った。

「ほんと、暖かいね」と麗花も話した。


「麗花ちゃん、僕も、今、クリスマスプレゼントを渡すよ」と愛斗はカバンの中からプレゼントを出した。

「愛くん、ありがとう。中を開けていい」と麗花は言って中を開けた。

 プレゼントを開けてみると、可愛いハート形のネックレスと指輪が入っていた。

「可愛い、愛くん、ありがとう。大事にするね」と麗花は喜んだ。

 愛斗は、ネックレスを取り出し、麗花に付けてあげた。そして、指輪も麗花の左薬指に付けてあげた。

「良かった、少しゆるいけど指輪が付けられたね、サイズが合わなかったら直してもらうつもりだったから」と愛斗が話した。

「うれしいよ。愛くん」と麗花は涙目で喜んだ。

「まだ、結婚ができないから、今は、これで我慢してね」と愛斗が言うと麗花は顔を横に振った。

「大丈夫だよ」と麗花は愛斗を見て、そっとキスをした。


 しばらく、ベンチで寄り添ってから予約した店に二人は向かったのだった。

 店は、エイアイケー本社ビルの上にある四十八階の展望台レストランだった。

 二人が店に入るとウェイターが「お待ちしていました。アイトー様」と話し、窓際の席に案内した。

「きれい。会社にこんなところがあったのね」と麗花は感動した。

「そうだよ、夜景がきれいでしょ」

「うん。きれい、愛くんと二人で、こんな食事をできるなんて、幸せ」と麗花は感動した。


 二人は色々な話をして、楽しく食事をしていたが愛斗は、話さなければいけないことがあった。

 来年、アメリカに帰ることを考えていたからだ。だが、愛斗は、麗花に話せずにいたのだ。

 愛斗は、「今日は、クリスマスイブだ。楽しいひと時に、こんな話をしないほうがいいだろう」と思って話すのをやめたのだった。


 楽しい食事をして、デザートも食べて、帰る時間になった。二人は、手を繋ぎ寄り添って店を出った。

 楽しいクリスマス・イブの夜を過ごした二人は、忘れられない思い出として残るなと思いながら家に帰ったのだった。

 

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