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AIオタクは恋をする  作者: 寺田ゆきひろ
第四章 婚約者と彼女
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第十九話 新規製品発表

 温泉旅行に来た翌日、清々しい朝であった。

 愛斗は、鳥の鳴き声で目が覚めた。

「えっ」と声が出てしまった。愛斗は仰向けで、右側は麗花が左側は詩織が自分に抱きついて寝ていだからだ。

 二人の柔らかい胸が当たって気持ちがいいと思ったが愛斗の腕は、二人の腕枕になっていた。

 腕が痺れていたので腕を動かすことも出来なかったので、「どうしよう。動けない」と固まっていた。

「ううん」と麗花が動くと更に強く抱きしめてきた。麗花の大きな胸が強く押しつけてきた。

 愛斗は、「ああ、柔らかい」と思うと今度は、詩織が強く抱きしめてきた。

 詩織の胸も押しつけてきた。


 愛斗が「やばい」と思うと麗花が目を覚ました。

 愛斗と目があって「おはよう。愛くん」と麗花が言った。

「おはよう。麗花ちゃん」と麗花に声をかけると詩織も目が覚めた。

 そして、詩織も「おはよう。愛くん」と言った。

「おはよう。詩織ちゃん」と愛斗も返事をした。


「あの、麗花ちゃん、詩織ちゃん、浴衣がはだけているから見えそうだよ」と愛斗が言うと詩織が「ふふふ、見てもいいよ」と答えた。

「えっ」と愛斗が赤くなると「ふふふ、じゃ、私も」と麗花も言った。

 愛斗は、赤くなって固まってしまった。


 すると「コンコン」どドアをノックする音がした。

「ねぇ、起きた」と美香の声がした。

「起きたよ」と愛斗が答えると「もう、もう少し、くっついていたかったのに」と詩織がつぶやいた。

 仕方がなく二人は布団から出た。

「あれ、愛くん、どうしたの」

「腕が痺れて動けない」と愛斗が言うと麗花と詩織が手を引っ張って起こしてくれた。


「じゃ、僕、顔を洗ってくるから二人は、着替えてよ」と言うと二人は「はーい」と返事をした。

 愛斗が顔を洗って、トイレに行ってから戻ってくると二人は着替えが終わっていた。

「今度は、交代ね」と麗花が言うと二人は、顔を洗いに行った。

 愛斗は着替えてから二人を待っていた。


 麗花と詩織が戻って来ると愛斗は、「じゃ、朝ご飯を食べに行こう」と言って、三人は部屋を出ると部屋の前には、美香と花蓮が待っていた。

「遅いよ。お兄ちゃん。両手に花でお楽しみのところ悪いけど」と花蓮がいうと「別に」と愛斗は答えて三人は赤くなった。


 五人は、朝食を食べてから今日の予定を話し合った。

「昨日、言っていた昔ながらの街を散歩しようよ」と麗花が言うと皆んなが「オッケー」と言って昔ながらの街に行くことになった。

 食事が終わり、五人はチックアウトして、街へ向かった。


 現地に着くと昭和時代の街並みだった。

「ねぇ、美香、お土産を見ようよ」

「いいね。麗花」と話し、麗花と美香は、お土産屋さんを見に行った。

「ねぇ、詩織さん、あっち行ってみようよ」と花蓮が詩織を誘った。

 詩織も「いいね」と言って、意気投合して街並みを見て回った。


 愛斗は、皆んなが楽しんでいる様子を見ながら考えていた。

「帰ったら、新製品発表だ。そして、次に続く次世代のAIチップ構想を考えて行かないとな。日本に来て麗花ちゃんと詩織ちゃんと会ってヒントをもらえたしな」と考えていた。


 愛斗が考え事をしていると麗花が愛斗のところに戻ってきた。

「愛くん、楽しくないの」

「ううん、楽しいよ。少し、考えごとしてた」

「そうなの、ねぇ、こっちに来て、一緒にお土産を見ようよ」と麗花が愛斗の手を握って一緒にお土産を見たのだった。

 麗花は、お土産を見ている間、ずっと愛斗と手を繋いでいた。

 詩織達が来ると「あっ、麗花ズルい」と言って詩織も愛斗と手を繋いだ。

 お土産を買ったり、街並みを散歩していたらお昼の時間になった。

 五人は、お蕎麦屋さんに入り食事をするとそろそろ帰る時間になった。

 五人は帰るため、電車に乗るため駅に向かった。

「ねぇ、楽しかったね」と麗花が言うと詩織も花蓮も「うん」と返事をした。

 美香は、麗花の耳元で「少しは、愛くんと親密になったの」と聞くと麗花は首を横に振った。

「仕方がないか、詩織も一緒だから」と美香が言った。


 そして、地元に着く頃には夕方になっていた。  

 地元に帰ってきた五人は「じゃあ、また」と言って皆んなと別れた。


 愛斗と花蓮は自宅に帰ると紫乃とアンナが「お帰り」と声をかけてきた。

「ただいま、マミー、アンナ。これ、お土産」と言って、愛斗は渡した。

「ありがとう」と紫乃とアンナは答えた。


「愛斗、新製品の発表が終わったら私はアメリカに戻るから、花蓮は、どうするの」と紫乃は聞いた。

「私は、もう少し日本にいたいな」と花蓮は答えた。


 色々と話し、夕食を食べてから愛斗と花蓮は部屋に入った。

「明後日は、製品発表の日だ。日本で新製品を発表するのは初めてだな。どれぐらい反響があるか」と愛斗は、気になっていた。

 そして、旅行の疲れで愛斗は、いつのまにか寝ていた。


 その頃、堂島の本家では、詩織の父正義が探偵事務所の男から詩織と愛斗の報告を受けていた。

「詩織様とアイトー様は、温泉旅行で部屋を共にしていました」

「ほんとうか」

「はい、そして、散歩してキスをしていました」と報告を受けていた。

「そうかそうか」と正義は喜んでいたのだった。

「詩織と愛斗くんとの結婚も近いな。あのアイトー・フランクスが息子になる日も近いか」と正義は思っていたのだった。


 そして、翌日の朝「どっどっど」と音が鳴り響き愛斗は、「なんだなんだ」と目が覚めた。

「ガチャ」といきなり部屋のドアが開いた。

「愛くん」と叫んで、布団をむしり取られた。

「愛夏姉ちゃん」と叫んで愛斗は、びっくりした。

「愛くん、私、新製品発表の日にスタッフのメンバーとして出席させてもらえることになったの」と愛夏が大声で言った。

「そ、そうなんだ。良かったね」と愛斗が目を丸くして答えた。

「ええ、嬉しい。当日は、やっぱり、愛くんはお忍びでくるの」

「そうだよ。僕がでたら大騒ぎになるから」

「そうだよね。仕方がないか」

「じゃあね、愛くん」

「えー、それだけ言いにきたの」

「そうよ」と言って愛夏は部屋を出て行った。


 愛斗は、「まじっ、まだ七時だよ、夏休みなのに朝早くからおこされたよ」とつぶやいた。

 愛斗は、二度寝しようとしたが眠れなかったため、仕方がなく起きた。

 愛斗は、起きて次世代AIチップのことを考えていたのだった。


 愛夏は、その後、会社に出社して新製品発表の準備をしていた。

 すると「愛夏ちゃん、頑張っているね」と望月が声をかけた。

「あっ、はい」

「愛夏ちゃん、明日は、司会進行を頼むね」

「はい。望月さん、私、凄く緊張しています」

「僕もだよ。新製品発表を日本でやるのは初めてだから、どれぐらい反響があるか心配だよ」

「多分、反響はあると思いますよ」

「そうかな、ありがとう」と言って望月は、愛夏の元を去った。


 その頃、詩織の自宅には詩織の父正義が訪れた。

「お父様、今日は急にどうしたの」

「あぁ、明日、エイアイケーの新製品発表があるんだ。それに行くから」と正義が答えた。

「そうなんだ」

「詩織、愛斗くんとは順調みたいだな。随分、親しくなったじゃないか」

「えっ、なんで、あっ、まさか監視していたの」

「ちょっとな」

「ひどい。私達、ちゃんと付き合っています」

「そうか。明日、一緒に行かないか、愛斗くんもお忍びでくるはずだから」

「明日、んー、じゃあ一緒に行くわ」と詩織は答えた。


 その頃、愛斗は次世代AIチップの構想が出来つつあった。

 麗花と恋をして、お互いの思いやり知った。

 詩織ちゃんの一途に好きだという気持ちも知った。

 好きだからこそ思いやるという感情をAIのサブチップとして持たせることを考えていた。

 そして、新製品発表の日が訪れたのだった。


 エイアイケー新製品発表の会場には、世界中の報道陣が続々と集まっていた。

 会場は、報道陣と取引会社で一杯になっていた。その中には、詩織の父正義と詩織も来ていた。


 愛斗も報道陣に混ざってお忍びで会場に来ていた。

 詩織の父正義は、愛斗を見つけて頭を下げていた。

 愛斗も頭を下げて挨拶をした。そこには、詩織がいたので、「えっ、詩織ちゃん、なんで、まさか詩織のお父さんかな」と思った。

 愛斗は、詩織の父とは取引先パーティーの時に顔をあわせていたからだ。


 そして、俊介、紫乃、望月、アンナ、愛夏が壇上に上がった。

「じゃ、愛夏ちゃん」と望月が声をかけた。

「今日は、忙しいところお集まり頂きありがとうございます」と愛夏が挨拶をした。

 愛斗は、「愛夏姉ちゃんが司会進行するのか、だから喜んだのか」と思った。


 愛夏は、挨拶の後に俊介を紹介した後、俊介は話しをした。

「それでは、新製品の発表を望月が紹介します」と愛夏が話し、望月が新製品の全容を話した。

 ベンチマークテストで性能が向上したこと、内部と外部のダブルAIチップ化で故障チェックが強化されたことなど説明した。

 望月の話しが終わると愛夏が話した。

「それでは、当社のCEOであるアイトー・フランクスからの言葉を流します」と愛夏が話して愛斗のスピーチ録音を流した。

 愛斗のスピーチは、今回の製品、そして次世代AIチップを出す計画がある事が話された。

 そして、今回の新製品であるAIチップ価格も据え置きにして今まで通りの価格にすると発表したため、大反響となった。

 新製品の発表は大成功で終わって、後に世界中のメディアに取り上げられる事になったのだった。


 大成功に終わって、愛夏はホッとした。俊介と望月が愛夏ちゃんのところにきて話しかけた。

「愛夏ちゃん、ご苦労様」と俊介が声をかけた。

「はい、社長、うまくいって良かったです」

「凄く良かったよ。今、たしか大学三年生だったよね」

「はい」

「大学を卒業したら、うちの会社に来るといい」と俊介が話した。

「ほんとうですか」

「あぁ、人事から採用通知を出すように言っておくよ」

「凄く、嬉しいです」

「良かったね。愛夏ちゃん」と望月も話した。


 その頃、愛斗が会場から帰ろうとすると詩織と父正義が愛斗のところにきた。

「愛くん、お父様が少しお話しがしたいと言っているの」

「詩織ちゃん、ここではちょっと、報道陣もいるし」と愛斗は答えた。

「じゃ、どうしたらいい」

「これから会社の方に行くから、ニ時間後に会社に来てくれるかな」と愛斗は答えた。

「わかったわ」と詩織は返事した。

「じゃ、失礼します」と愛斗は言って、ここを去った。


 愛斗は、俊介達と合流して一緒に会社に向かった。

「愛夏姉ちゃん、司会良かったよ」

「ほんと、ありがとう。愛くん」

「俊介さんも、望月さんもお疲れ様」

「愛斗さん、僕は嬉しいです。こんなに反響があって。これも、愛斗さんのお陰です」と望月が言った。

「いいや、望月さんが頑張ったからだよ」

「愛斗、良かったよ」と俊介も話した。

「あれ、マミーは」

「あぁ、紫乃さんは先に帰ったよ。アメリカに帰る準備をするからと言っていたよ」

「そうか」と話しながら会社に向かった。

 愛斗達が会社に着くと愛斗は、受付に堂島さん達が来たら応接室に通すように話した。

 その後、愛斗達は社長室に入って少し、打ち合わせした。


 しばらくしてから、堂島親子が訪れて応接室に案内された。

 案内した受付嬢は、社長室に内線で連絡をした。

 愛斗は、堂島親子がいる応接室に向かって、少し、深呼吸をしてから応接室に入った。


「お待たせしました」と愛斗が話した。

「愛斗さん、時間をとって頂いて申し訳ない」と正義が話した。

「大丈夫です。それで、今日は」

「私事で申し訳ないのだが、私の娘詩織とのことなんだが」と正義が話すと愛斗は「やっぱり」と思って詩織を見た。

「詩織とお付き合いしているのは、ほんとうかね」

「はい、お嬢さんとお付き合いさせて頂いています」

「そうか。それで、詩織とは結婚前提で付き合っているのかね」

「ちょっと、お父様」

「詩織は、黙っていなさい」

「結婚ですか、すみません。僕は、まだ学生ですし、結婚までは考えていませんでした」

「そうかね。それでは、どういう気持ちで詩織と付き合っているのかね」

「正直、詩織さんのことは、好きです。だから、お付き合いさせて頂いています」と愛斗は半分本当で半分嘘を言った。

「そうか、結婚できる年齢でもないし、将来、どうするか考えてくれないかね」

「わかりました。将来、詩織さんとのことは考えます。ですが少し、時間を下さい」

「時間と言うのは、どれぐらいかね」

「まだ、いつとは言えませんが、取り掛かっている大きな仕事があります。それが終わった後に考えたいと思います」と愛斗は答えた。

「そうかね。わかりました。どうか、詩織のことは宜しく頼みます」と正義は頭を下げて言った。

「いいえ、こちらこそ、すみません、はっきりと言えなくて、こちらこそ、お願いします」と愛斗も頭を下げて答えた。


「じゃ、私は行くが、お前はどうする」

「私は、まだ、愛くんと一緒にいたい」

「そうか、それでは、お先に失礼します」と正義は言って部屋を出て行った。


 愛斗は、部屋のドアをそっと開けて正義が帰ったことを確認した。

 確認したあと詩織のところに戻って話した。

「詩織ちゃん、もう、あせったよ」

「ふふふ、ごめんなさい。愛くん」

「でも、少し、ホッとした」

「愛くん、ありがとう。これで、しばらく、父は何も言ってこないと思う」

「いいよ。詩織ちゃんの力になれたなら」

「愛くん、感謝してる。だけど、正直、私のこと好きですと言ったこと、ほんと」と詩織は赤くなりながら聞いた。

「あっ、ん、正直、詩織ちゃんのことは好きだよ。だけど、恋人にしたいとまでは思っていないんだ」

「ふーん、まぁ、いいか、好きだと言ってくれたから」

「ごめん、詩織ちゃんのことは大事にしたいとは思う」

「そう。でも、嬉しい。そういうことを言ってくれて」

「まぁ、そういうことで。じゃ、行こうか」と愛斗は言って詩織と一緒に応接室を出た。


 愛斗は、会社を詩織と一緒に出ると「じゃ、また」と言って詩織と別れた。

 愛斗は、街中をふらふらしながら思いにふけっていた。

「カスタマイズ製品の発表は、大成功だ。今度は、次世代AIチップを完成させることだ。望月さんにも手伝ってもらおう。マイケルがいたらなぁ」と思っていたのだった。

 

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